【社労士監修】バイトを掛け持ちする場合は社会保険に入る? 加入条件や注意点を分かりやすく解説 | マイナビバイトTIMES
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    【社労士監修】バイトを掛け持ちする場合は社会保険に入る? 加入条件や注意点を分かりやすく解説

複数のバイトを掛け持ちして働く人も増えていますが、「社会保険には入らなければいけないの?」「手続きはどうなるの?」と疑問を持つ方も多いはず。

今回は、バイトを掛け持ちする際の社会保険の加入要否や、メリット・デメリット、注意すべきポイントを、社労士の解説を交えながら分かりやすく紹介します。

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社会保険の加入条件は?バイトを掛け持ちしている場合の考え方

バイトを掛け持ちしている方の中には、社会保険の手続きについて悩まれる方も多いかもしれません。しかし、結論から言うと、バイトの掛け持ちの有無に関わらず、加入条件を満たしている職場の社会保険に加入します。

つまり、2つの職場で働いている場合に、どちらの会社も加入条件を満たしている場合は、両方の社会保険に加入することになるのです。

2024年10月からは社会保険の適用範囲が拡大され、「従業員数51人以上」の企業にも適用されることになりました。これまで加入せずに済んでいた人や、1社でのみ加入していたダブルワーカーの方々も社会保険に加入する必要が出てくるかもしれません。

まずは社会保険の加入条件や加入すべき具体的なケースを知り、自分が加入する必要がありそうかどうかを確認してみましょう。

社会保険の加入条件

社会保険の加入条件は、バイトの掛け持ちの有無にかかわらず、加入条件を満たしている職場の社会保険に加入するとご紹介しましたが、その加入条件は以下の3つです。

(1)フルタイムで勤務している

企業が定めた正規の勤務帯の最初から最後まで働くことを「フルタイム」と呼びます。1日8時間、週5日が基本となりますが、職場によって異なることもあるため、就業規則をよく確認することが大切です。

(2)週・月の所定労働時間が正社員の3/4以上

フルタイムで勤務していない場合にも、週・月の所定労働時間が正社員の3/4以上の場合は社会保険に加入する必要があります。なお、ここで言う「所定労働時間」とは原則として実際の労働時間ではなく、就業規則や雇用契約書(労働条件通知書)に記載されている所定労働時間で判断します。

(3)日数が正社員(フルタイム)の3/4以上

フルタイムで勤務していない場合にも、労働日数が正社員の3/4以上の場合は社会保険に加入する必要があります。ただし、実際の労働時間や労働日数が恒常的に正社員3/4以上になっている場合は、社会保険に加入するケースもあります。

また、上記に該当しない短時間労働者であっても、以下のすべての条件を満たしている場合は、社会保険への加入が義務付けられています。

従業員規模が51人以上の事業所に勤めている

2024年10月からは社会保険の適用範囲が、従業員規模が51人以上の企業にまで拡大されるようになりました。今後は2027年10月からは36人以上となり、最終的には2035年10月で企業規模要件が撤廃される予定です。

週の所定労働時間が20時間以上

就業規則や雇用契約書(労働条件通知書)に記載されている週あたりの所定労働時間が20時間以上の場合を指します。ただし、週20時間以上で働く状況が2ヶ月を超えて続くようであれば、加入対象となる可能性があります。

2カ月を超える雇用の見込みがある

雇用契約期間が2カ月を超える雇用の見込みがあると判断される場合を指します。2カ月を超える雇用の見込みとは、2ヶ月を超える雇用契約期間だけではなく、就業規則や雇用契約書で雇用契約が更新される場合がある旨が明示されている場合も含みます。

月額賃金が88,000円(年収106万円)以上

ここで言う月額賃金には残業代や通勤手当、賞与(ボーナス)などは含まれず、基本給や諸手当の合計を指します。

学生ではないこと

短時間労働者として、これまでのすべての条件を満たしている場合でも、学生の場合は社会保険に加入する必要はありません。ただし、定時制や夜学などはここで言うところの「学生」には含まれない点に注意してください。

社会保険に加入するケースは?

では、バイトを掛け持ちしていて社会保険に加入するケースとは、どのような場合なのでしょうか?以下では、社労士監修のもと、具体的なケースについて説明します。

ケース 社会保険への加入 解説
メインのバイトが条件を満たしている メイン先でのみ加入 もう一方は加入不要
両方のバイトが条件を満たしている 両方の職場で加入 「二以上勤務届」の提出が必要。給与を合算して保険料を決定
どちらも条件を満たしていない 加入しない 国民健康保険・国民年金に加入する必要がある

メインのバイトが条件を満たしている

掛け持ちしているバイトのうち、週の所定労働時間が20時間以上、かつ月額賃金88,000円以上などの条件を満たしているバイト先が1社である場合は、加入条件を満たしているバイト先でのみ社会保険に加入します。

この場合、保険料はメインのバイト先の給与(標準報酬月額)に基づいて計算され、給与から天引きされます。もう1社のバイト先では社会保険への加入が必要ないため、給与から社会保険料が天引きされることもありません。

両方のバイトが条件を満たしている

両方のバイト先で社会保険の加入条件を満たしている場合は、両方のバイト先で社会保険に加入します。

この場合、ご自身で主となるバイト先(事業所)を選択し、「健康保険・厚生年金保険 被保険者 所属選択・二以上事業所勤務届」を作成し、届け出る必要があります。(制度上は本人が作成し提出する必要がありますが、実際には会社が代わって提出するのが一般的です)

保険料は、両方のバイト先の給与を合算し、金額(標準報酬月額)をもとに事業所ごとに按分されて保険料率が決定されます。保険料率が決定された後は、それぞれのバイト先の給与から天引きされます。

どちらも条件を満たしていない

掛け持ちしているバイトのどちらもが条件を満たしていない場合は、バイト先で社会保険に加入することはありません。そのため、ご自身で市区町村の窓口に行き、国民健康保険と国民年金(第1号被保険者)の加入手続きを行う必要があります。

国民健康保険や国民年金の保険料の支払い方法は自治体によって異なりますが、口座振替や納付書を用いた支払いが一般的です。


社会保険に加入するメリット

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ここまで読んできた中で「社会保険に加入しなければいけないことは分かったけど、実際にどんないいことがあるの?」と疑問に思った方も少なくないはず。そこで以下では、バイトを掛け持ちしていて社会保険に加入するメリットについてご紹介します。

将来の年金受給額が増える

社会保険加入者は全国民が加入する国民年金のほかに、厚生年金にも加入することになります。そのため、国民年金のみの場合よりも将来の年金額が多くなり、老後の生活資金にゆとりが生まれます。

更に、病気やケガによってこれまでの生活や仕事ができなくなったときに、障害基礎年金に加えて支給される「障害厚生年金」や、自分が亡くなった後に自分が養っていた家族に対し、遺族基礎年金に加えて支給される「遺族厚生年金」の受給対象にもなるため、万が一の備えとしても安心です。

さまざまな給付金を利用できる

社会保険に加入していると、病気やケガで働けない場合の「傷病手当金」や、出産時の「出産手当金」など、社会保険加入者だけが受け取れる給付金があります。民間の保険に入らなくても、万が一のときの収入減少をある程度カバーすることが可能です。

精神的に安心感を得られる

先ほどお話ししたように、社会保険に加入していると、収入が減ったり、体調を崩したりした時も一定の補償が受けられます。このことは将来に対する不安軽減につながり、より一層安心して働きやすくなります。

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社会保険に加入するデメリット

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将来の年金受給額が増えたり、さまざまな給付金を利用できたりとメリットの多い社会保険。しかし、毎月の手取りが減ることや手続きの手間がかかるといったデメリットもあります。

これらのデメリットを理解したうえで、バイトの掛け持ちをするかどうかを判断すると良いでしょう。

社会保険料の負担が増え、手取りが減る

社会保険に加入すると、給与から保険料が天引きされます。これは同じ勤務時間でも未加入時より手取り収入が少なくなるという意味です。特に月収10万円前後の人や、収入が増えることで生活にゆとりが出ることを期待してバイトの掛け持ちを始めた方は、負担感を感じやすいかもしれません。

手続きなどが面倒

勤務先の変更や掛け持ちを始める場合は、その都度加入・脱退の手続きをしなければいけません。特に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」などは、自分で確認・管理しなければならないため、注意が必要です。

手続きに不安がある方は、勤務先の所在地を管轄する事務センターまたは年金事務所に問い合わせをしてみましょう。

年末調整の処理が複雑化する

複数の勤務先で働く場合、保険や源泉徴収票の扱いが複雑になり、年末調整での確認や申告に時間がかかることがあります。また、一定額以上稼いだ場合は、自分で確定申告をしなければいけないケースも。確定申告が必要になる具体的なケースについては、この後詳しく解説します。


バイトの掛け持ちで社会保険に加入する際の注意点

バイトの掛け持ちをしている方が社会保険に加入する際、いくつかの注意点があります。以下では、社労士からのアドバイスをもとに、雇用保険への加入や確定申告の必要性、扶養に入っている場合の年収制限などに関する注意点をお伝えします。

雇用保険は片方のみで加入する

雇用保険は、健康保険・厚生年金などの社会保険とは異なり、複数の会社で同時に加入することはできません。雇用保険に加入できるのは、原則として「主たる賃金を受ける事業所」となります。

つまり、自分で自由に選べるわけではなく、高い収入を得ている事業所(所定労働時間が長い事業所)で雇用保険に加入することになります。

確定申告が必要になるケースがある

年末調整は、メインのバイト先(主となる事業所)でのみ行われます。そのため、「扶養控除等(異動)申告書」などの年末調整で必要な書類はメインのバイト先に提出します。

一方で、年末調整されなかった他のバイト先の給与収入(年間の総支給額)が20万円を超える場合は、自分で確定申告を行う必要があります。また、他のバイト先の収入が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要です。

所得税の確定申告をすれば住民税の申告も兼ねられますが、確定申告をしない場合はお住まいの市区町村で住民税の申告を忘れないようにしましょう。

扶養に入っている場合は年収130万に注意する

扶養(社会保険上の扶養)とは、生計を立てている家族(被保険者)が加入している健康保険や年金などの社会保険に保険料を負担することなく加入できる制度のことです。

バイト先で短時間労働者の社会保険加入要件を満たさない働き方(週の所定労働時間が20時間未満など)をしている場合でも、メインと他のバイト先の給与収入を合わせて年間130万円以上になる見込みとなった場合(60歳以上と障害者は180万円以上の場合)は、社会保険の扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。

また、130万円の算定には、給与だけでなく残業代や通勤手当も含まれる点に注意が必要です。

関連記事:「130万円の壁」とは?年収の壁をわかりやすく解説【バイト用語集】

令和7年(2025年)10月から19歳~23歳未満の年収基準が150万円に

令和7年(2025年)10月1日より、19歳以上23歳未満の社会保険の扶養収入基準が、年間収入「130万円未満」から「150万円未満」に引き上げられました。

これは主に大学生世代のアルバイト収入増に対応するものですが、学生であるかどうかは問いません。アルバイトをしている大学生世代の方については収入基準が変更された点を把握したうえで働き方を調整しましょう。

※年齢はその年の12月31日時点で判定されます


監修者からのアドバイス「社会保険の壁をむやみに恐れる必要はない」

バイトの掛け持ちで収入を増やそうと考える際、「社会保険の壁」がネックになり、不安を感じる方は少なくないでしょう。しかし、社会保険は生活や将来を支える大切なセーフティーネットでもあります。

例えば、勤務先で社会保険に加入することはたしかに保険料の負担が発生し、手取りは減るかもしれません。それでも、病気やケガで働けなくなった時には傷病手当金(給与の約3分の2が支給される給付金)が受け取れるほか、将来の年金も国民年金に加えて厚生年金が上乗せされるという、「安心」を手に入れることにもなります。

社会保険のルールが複雑で分からなければ、勤務先の人事担当者や年金事務所に相談してみましょう。仕組みを正しく理解し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

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監修者

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きた社労士事務所
代表 北 光太郎

企業の労務担当として10年間実務を経験したのちに独立。中小企業の労務管理を支援する傍ら、Webメディアの記事執筆・監修、ホワイトペーパーや専門誌での執筆など情報発信にも注力。実務経験に基づいた専門性の高いコンテンツ制作を通じてメディアの専門性と信頼性向上を支援している。


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