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法律では2週間前!バイトを辞めたい時はいつ言えばいいか、弁護士が解説

バイト

2018/10/01

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「バイトを辞めたい」と思ったら、いつまでに雇用主に言えばいいのでしょうか。

 最初に覚えておいてほしいことは、労働者が「辞める」と伝え、雇用主が合意した場合、「合意退職」という扱いになります。極端な話、「今日で辞めます」と伝え、雇用主が「わかった」と言えば、それで終わります。

 以下で解説する法律や就業規則が問題になるのは、労働者が「辞めます」と伝えても、雇用主が合意しない場合と考えてください。

雇用期間の定めのないアルバイト雇用の場合、法律上は「2週間前までに退職の意思を伝えれば良い」ということになっています(民法627条1項)。

基本的に、バイトは「辞めたくても辞められない」ということは一切ありません。辞めるという行為は、雇用主より力の弱い労働者に等しく認められた権利だからです。

また、近年「ブラックバイト」という、バイトなのに正社員なみに働かせたり、サービス残業を強いられるケースがあるようですが、この場合、法律では「労働条件が事実と違う場合、即時解除できる」決まりとなっていて、即辞めることが可能です(労働基準法15条2項)。「労働条件が事実と違う」場合は、後述の有期雇用の人であっても、すぐに辞められます。

有期雇用の場合はどうなる?

「2週間前」という法律の決まりは、期間を定めない雇用の場合のみに適用されます。期間を定めている雇用契約(有期雇用)の場合は、適用されません。

 有期雇用の場合は、法律上「やむをえない理由」がない限り、原則として、期間が満了する前に辞められません。ただ、雇用期間が「1年以上3年未満」の契約の場合、1年経過すると、自由に退職が可能となります(労働基準法137条)。 

有期雇用の人でも「やむをえない理由」があれば、期間満了前に退職することができます(民法628条)。「やむをえない理由」としては「労働条件が実態と違う」「妊娠や出産」「自身の病気や家族の介護」などが考えられます。

辞める意思があってもなくても、一度、契約の内容や就業規則を確認してみることは有意義でしょう。

みなさんは意識していないかもしれませんが、多くのバイトは、実は有期雇用契約になっています。有期か無期かは、労働基準法に基づいて雇用主に発行が義務付けられた労働条件通知書に書いてあります。有期でも無期でも契約の方法に違いはありません。実態として、労働条件通知書が渡されない場合も多くあるようですが、自分の契約内容を知る意味でも、もらっている場合は、労働条件通知書を一度確認してみると良いでしょう。

法律と就業規則、どちらを守るべき?社会人マナーとして、バイト先の就業規則を守るようにしよう

バイトを辞める場合関係する法律や就業規則の優先順位は、以下のようになります。

最優先:労働基準法

2番目:就業規則

3番目:民法

 就業規則で「辞める場合、1カ月前までに伝える」(2カ月や3カ月の場合もあります)というルールになっている場合、民法の「2週間前まで」というルールより優先されることになります。企業が「1カ月前」などと就業規則に定めるのは、あなたの替わりとなる人を探したり、シフトを組み直して対応する時間的余裕を確保したいなどの理由が考えられます。優先すべきルールであると同時に、社会人のマナーとして就業規則を守ることで、あなたも雇用主も満足できる円満な退職につながります。

では、就業規則は「退職の1年前までに伝える」となっていたら、守らないといけないのでしょうか。この場合、憲法22条で定められた「職業選択の自由」に抵触すると考えられます(憲法はどのようなルールよりも優先されます)。「6カ月前まで」と定めた就業規則が問題になった裁判において、裁判官が「憲法違反だと思う」としたケースもあったようです。

どの程度の期間なら憲法違反にならないのかは、必ずしも明確ではありませんが、実際には「3カ月程度」と考えて良いでしょう。「3カ月」を超えるような場合は、弁護士や労基署に相談すると良いでしょう。なお、就業規則に何も定めがない場合は、民法に定められた「2週間」が適用されます。

退職を伝えても「2週間では辞めさせない」として無理にシフトを入れたり、あなたを誹謗中傷したり、怒鳴りつけるような言動があれば、パワハラなどに該当する可能性があります。就業規則にない罰金を要求するようなケースもあるようです。パワハラや理不尽な金銭要求があれば、遠慮なく弁護士や労基署、労働組合に相談するようにしましょう。

未成年の場合は、ご両親から職場に伝えてもらうことでも辞められますので、困ったらご両親に相談するのも良いでしょう(労働基準法58条の2)。

また、辞めることを伝えると、雇用主から「損害賠償請求する」と伝えられる場合もあるようですが、辞めた人に対する損害賠償請求を契約に盛り込むことは、法律で禁止されていますので、無効と考えて良いでしょう(労働基準法16条)。また、契約に盛り込まれていないのに「損害賠償請求する」と脅すケースもあるようですが、労働者に対して損害賠償請求が可能なケースはほとんどないと言えます。

ただ、退職の意思表示後、2週間経過せずに出社しなくなり、引き継ぎなどを放棄して会社に損害を与えた場合、損害賠償請求される可能性がありますので注意が必要です(労働者に支払いを命じた裁判例が日本にもあります)。わからないことがあって不安な場合も、弁護士や労基署に相談すると良いでしょう。

最初にお伝えしたように、辞める意思を伝えて、雇用主が合意する「合意退職」の場合、雇用主が損害賠償請求する余地はありません。可能な限り「合意退職」を目指すのが良いといえます。

辞める際に誰に伝える?伝え方は?

辞める際、誰に伝えたら良いかと迷うかもしれませんが、社長、店長などあなたの雇用について決める権限がある人に伝えましょう。

また、伝え方に法律的な決まりはありませんが、雇用主にしっかり辞める意思を理解させることが重要なため、可能な限り、責任のある人に直接会って、伝えるようにしましょう。メールやLINEなどで伝えてはいけない法律はありませんが、見落としなども含めて、退職の意思が確実に伝わらないリスクがあります。

 <伝える際ワンポイント>

・伝える人は、社長、店長など権限がある人に伝える

・社会人マナーとしては、会って直接伝えるのが良い

退職を伝えても理不尽な対応をされるような場合は、「退職の意思を伝える際の会話を録音する」「口頭で伝えた後にメールも送り確実に形に残す」「退職届を内容証明郵便で送る」といった方法が考えられます。

なお、退職理由をしつこく聞かれる場合があるかもしれませんが、法律上、退職理由を伝えなければいけない義務は一切ありません。正直に話をしても、しなくても、あなたの自由です。

社会人として、お互い常識の範囲内であれば就業規則や職場のルールを守ったほうが良いと考えられますが、理不尽な扱いや要求に応えたり、パワハラに耐える必要ないことは頭に入れておくと良いでしょう。

監修

笹山尚人氏

弁護士、東京法律事務所所属。労働事件全般(労働者側)、契約法一般、不動産取引、相続・遺言・成年後見、家族問題、借地・借家、交通事故、各種損害賠償事件、債務整理・破産・民事再生、刑事弁護などを取り扱う。

単著に「ブラック職場~過ちはなぜ繰り返されるのか」(光文社新書)

「パワハラに負けない!」(岩波ジュニア新書)など多数。

民法

労働基準法

確かめよう労働条件(厚生労働省)

知って役立つ労働法〜働く時に必要な基礎知識〜(厚生労働省作成)

プレップ労働法 第5版(弘文堂、森戸英幸著、2016年)

 

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