躯体工事とは?仕事内容を紹介
躯体工事の種類
躯体工事とは、「躯体(くたい)」と呼ばれる建物の基本構造をつくる工事です。
躯体とは、建物の骨組みとなる構造部分のこと。鉄筋コンクリート造(RC造)の建物では、壁、柱、床、天井、梁などが躯体と呼ばれる主な部分です。
鉄筋工事 | 天井、床、柱など建物の骨組みを鉄筋で組む作業 |
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型枠工事 | ベニヤ板や金物を使いコンクリートを流し込む「型枠」をつくる作業 |
コンクリート打設工事 | 生コンクリートを型枠に流し込む作業 |
躯体工はどんな仕事?
躯体工の仕事は、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート打設工事の3つ。具体的な仕事内容を、簡単に説明します。
鉄筋工事では、現場で渡される図面に従い、「ハッカー」という専用工具を使って鉄筋が交わる部分を結束線で固定します。
現場での結束作業のほかにも、図面から必要な鉄筋の形状・寸法・数量などが記載された加工帳を作成する仕事、加工場で鉄筋を加工する仕事などもあり、鉄筋工事を行なう職人は鉄筋工と呼ばれます。
型枠工事では、図面からどのような型枠が必要になるのかを読み取り、鉄筋のまわりに型枠を組み立てます。一定の範囲を超えてコンクリートにゆがみが出ると建物の強度や出来栄えに大きな影響を与えるため、型枠にずれやゆがみは許されません。
そのため、職人の作業には精密さが求められ、一人前の型枠大工になるには「10年はかかる」と言われています。
コンクリート打設工事では、生コンクリートを打ち込みます。「バイブレーター」と呼ばれる機材を使い型枠に流し込んだ生コンクリートに気泡ができるのを防止し、型枠の隅まで行きわたるようにします。コンクリートの表面をコテなどを使ってきれいにならします。
型枠工事とコンクリート打設工事は、どちらも型枠大工と呼ばれる職種の人によって行なわれます。
給料、働く環境をチェック
一般的に、建設作業員の給料は日給月給制がほとんど。鉄筋工の場合、平均日給は12,391円(※)です。
経験を積んで技術を身につけたり、資格を取得したりすると仕事の幅を広げられて、資格手当がつくこともあります。
鉄筋工としてスキルアップを目指すのであれば、「鉄筋施工技能士」の取得がおすすめ。この資格は国家資格で1〜3級のレベルに分かれており、実務経験の長さによって受験資格が決められています。専門資格の取得は知識・技術の向上だけでなく、現場で働くときの自信ややりがいにもつながるのです。
(※)集計期間2020年9月〜2021年3月<マイナビバイト調べ>
躯体工になるには?将来は?
躯体工事に携わるために特別に必要な資格や学歴はありません。土木科や建築科を卒業していなくても、建設会社に入って一から技術を身につけられるので、未経験でも安心です。
手に職を付けられる鉄筋工や型枠大工は、独立して活躍することも夢ではありません。独立後、仕事の幅を広げていくには資格の取得も必要です。
例えば、鉄筋工であれば鉄筋施工技能士に加えて「建築工事施工管理技士」、型枠大工であれば「型枠施工技能士」を取得することで、規模の大きな工事を請け、事業の拡大もできるでしょう。
躯体工が向いている人
躯体工事の職人は鉄筋工と型枠工に分けられますが、どちらも朝から日が暮れるまで屋外で体を動かす仕事です。重いものを何度も運ぶ作業も多いため、体を動かすのが好きな人にはぴったりの仕事といえるでしょう。
また、周囲と積極的にコミュニケーションが取れる人であることも重要なポイント。危険な作業が発生する場合もあるので、仲間同士で状況を正しく把握すること、違う職種の人とも協力して仕事を進めることが求められるからです。
躯体工事は、建築作業のメインともいえる重要な工事。鉄筋工や型枠工には、力作業だけでなく高度な知識や技術が求められ、非常にやりがいのある仕事です。