就職・転職に使える資格を紹介【測量士(測量士補)】

測量士と測量士補の違い
測量士は、建設・土木工事を行なう場所の位置・距離・面積といった「土地を計測する」仕事です。どちらも基本測量(国土地理院が行なう測量)や公共測量(国または公共団体が測量の経費を負担、あるいは補助して行なう測量)ができます。
最大の違いは「測量計画を作製できるか否か」です。法律では、下記のように定められています。
測量士 | 測量士は、測量に関する計画を作製し、又は実施する。(※) |
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測量士補 | 測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事する。(※) |
(※)国土交通省「測量法」https://www.mlit.go.jp/common/000051991.pdf
基本的には測量士が計画・指示をし、測量士補がそれに従って測量を行ないます。
測量士・測量士補の受験資格と難易度
測量士と測量士補の資格には、それぞれ受験資格が設けられています。難易度も異なるため、下記で解説します。
受験資格
▶︎測量士 |
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・文部科学大臣の認定した大学で測量に関する科目を修め、卒業した後に測量に関し1年以上の実務の経験を有するもの ・文部科学大臣の認定した短大、高専で測量に関する科目を修め、卒業した後に測量に関し3年以上の実務の経験を有するもの ・国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設にて、1年以上測量士補に必要な専門の知識や技能を修得し、その後2年以上の実務経験を有するもの ・測量士補として国土交通大臣の登録を受けた後、専門の養成施設で、高度な専門の知識や技能を修得したもの ・国土地理院の長が行う測量士試験に合格した者 |
▶︎測量士補 |
・文部科学大臣の認定した大学、短大、高専で測量に関する科目を修め、卒業したもの ・国土交通大臣の登録を受けた専門の養成施設で、1年以上測量士補に必要な知識や技能を修得したもの ・国土地理院の長が行う測量士補試験に合格した者 |
(※)国土地理院「測量士・測量士補国家試験及び登録」https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm
難易度の違い
測量士と測量士補では、試験の難易度も異なります。測量士は測量士補の上位資格なので、測量士補と比べて試験の難易度も高く、取得すれば給与面などの待遇も良いと言えるでしょう。
測量士と測量士補は、仕事内容や勉強項目も共通している部分が多いので、できるならば測量士の資格取得を目指す、ないしはダブル受験をするのがおすすめです。
しかし就職に必要という理由で取得するならば、測量士補でこと足りる場合もあります。
ご自身のニーズに合わせ、資格取得を検討してみてください。
測量士・測量士補の資格が役立つ場面
では、測量士、測量士補の資格を取得すると役立つ場面とは一体何なのでしょうか。それぞれ紹介します。
実際の業務に役立つ
資格取得のために学んだことは、現場での業務に大いに役立ちます。
測量士、および測量士補の業務は大きく屋外で作業する「外業」、事務所内で作業する「内業」に分かれています。また、民間企業だけでなく、公共事業用の測量業務の依頼を受けることもあります。
また、個人住宅から建設現場まで幅広い範囲で携われるのが特徴です。自分がやりたい業務や、資格取得後に仕事に役立てることを考えながら試験勉強に取り組むと良いでしょう。
就職やキャリアップに役立つ
測量業務を営む会社は、測量法第55条の13にて、営業所ごとに測量士または測量士補を1名以上在籍させることが義務づけられています。そのため、測量士や測量士補の有資格者はとても重宝されます。
また、測量士の資格を持っていると独立開業ができます。独立を視野に入れている方は、測量士の資格取得を目指すのがおすすめです。
土地家屋調査士の資格取得に役立つ
測量士または測量士補の資格を取得していると、土地家屋調査士の資格取得の際に筆記試験が免除になります。
土地家屋調査士は、測量した後の地籍測量図を公的に登録するといった業務を行ないます。測量から登記までワンストップで業務が行なえるようになると、より重宝される人材になるでしょう。
独立を含めたキャリアアップにも役立つので、測量士または測量士補資格取得後は、土地家屋調査士の資格取得を目指すのもおすすめです。
まとめ
測量士、測量士補は道路などの測量業務を行なうのに必須の資格です。資格を持っていることでキャリアアップに繋がり、ほかの資格取得にも役立つので、何かと便利な資格と言えるでしょう。ぜひ資格取得を検討してみてください。