
大圃研さんが考える「医者に必要な資質」を3つ挙げるとしたら、何でしょう。
1.しつこさ

これ以上できない、って諦める淡白なヤツは、10年後も同じ治療しかできない。それでも何とかならないか、って諦めないヤツが新たな治療法などを見つけるんです。たとえ世間的に、諦めの悪い面倒くさいヤツって言われても、医療に関してはしつこいヤツが向いています。僕のチームには面倒くさいヤツしかいません(笑)。

2.凝り性であること

僕は24時間内視鏡のことばかり考えている凝り性。こうやって話していても、目に止まった部品とかで「こういうヘラみたいな形をしたメスがあれば、あの腫瘍が取れるかもしれないな」とか考えちゃう。自分で考案した器具を作るもの、楽しいんですよね。凝るということは、その道を極めることにもつながります。
3. コミュニケーション能力

臨床医である以上これはとても重要です。横柄で無愛想な、嫌な医者って多いんですよね。どんなに知識があっても、患者さんから嫌われる医者だったら意味がない。そもそも、医者は接遇に関わる職場であるにも関わらず、患者さんとのコミュニケーションの取り方を研修などで教えないことにも問題があると思います。コンビニでもデパートでも、一般的なサービス業のバイトだって医者にとっていい経験になるはずです。ちなみに僕は、夜のカウンター越しにそれを学びました(笑)。
最後に、若者にメッセージをお願いします!

「粘着」
よく「目先のことばかり気にして先を見てない」なんて言うけど、僕は逆。目先のことに執着して1つずつクリアしていれば、気づいたら高い山に登っていたりするもので、そうすることでやっと次の山が見えてくるんです。目先の事もできないヤツが、それ以上の事ができる訳ない。それなりに何でも器用にこなせるより、ひとつのことにのめり込むこと。どんな仕事も手を抜いていたらただの仕事にしかならないけど、一生懸命やっていれば、ある時一線を超えて必ず面白くなってきます! ひとつのことに徹底的に粘着質になりましょう(笑)。