某日、我々はMNB(マイナビバイト)編集部から、
「世の中にある気になるバイトの実態を調査せよ」という極秘指令を受けた。
どうやら、社会にある数多の職業の中で一風変わった職種の現場に潜入し、アルバイトの仕事を調べて報告すべし…ということらしい。むろん拒否権はない。
今回の調査ターゲットはテレビ業界の「AD(アシスタントディレクター)」。
我々が日々、目にするテレビ番組などの映像作品を陰で支える重要な仕事である。
そこで今回は、渋谷にあるとある映像制作会社に勤める若手ADを調査しにやって来た。
名前:野口健太郎(のぐちけんたろう)
生年月日:1992年12月16日(23歳)
職歴:AD歴約1年6ヶ月
給与:月給約20万円
備考:最近、大学時代から4年間付き合っていた1つ年下の彼女にフラれ、目下傷心中。
一通り調査をしたところで、現場の仕事を終えたターゲットがスタッフルームへと戻って来た。そこで我々はADの実態をさらに究明すべく突撃取材を試みた!
台本に書いてある情報が間違っていないか、どんなシーンにどんな小道具が必要かをチェックしているようだ。2台のパソコンを駆使して作業効率を限界まで上げているのだろう。
俳優さんや女優さんに立ち位置や細かい演技の要望などを伝えているようだ。この指示の通りにキャストが演じることを考えると重圧は凄まじいだろう。真剣な眼差しから現場の重い空気が感じられる。
ADの仕事道具「カチンコ」を鳴らす野口さん。シーン番号、カット番号、テイク番号などが書かれたカチンコは撮影された映像を確認するのに役立つらしい。いかに画面から素早くはけられるかも腕の見せ所だとか。
野口さんは自分に武器は何もないというが、プライベートの時間や睡眠時間を削ってまでひとつの仕事に打ち込めるのは、立派な才能といえるように思う。
有名人と直接会って一緒に仕事ができることから、多くの人はテレビ業界に対して華やかな印象を持っているだろう。実際は体力と気力を必要とする仕事であることも確かなのだが、自分のアイデアで勝負できるクリエイティブな仕事が多いことも事実。自分の仕事が形となって残るため、より大きなやりがいを感じることが出来る素晴らしさはこの仕事ならではの魅力ではないだろうか。