
ニコニコ動画のドワンゴが企画・開発協力を行う「最先端学校」で活躍する企画女子!
株式会社ドワンゴ川上 真季
ITを通じて多彩なエンターテインメント・コンテンツを提供しているドワンゴ。
ニコニコ動画をはじめ、ゲーム、VR、音楽配信など、さまざまなコンテンツで知られていますが、ネットを活用した学校法人である「N高等学校(*注)」における、教育システムやイベント等の企画・開発などの教育事業も手がけています。
IT系の先端を走るこの会社で、実際に働いている「社員」って、どんな人で、どんな仕事をしているのでしょうか?
そこで今回は教育事業で活躍している川上真季さんにインタビュー。
今回は、いつも行っている密着取材ではなく、少しだけお時間をいただき、お話を聞いてきました!
学校行事などのイベント企画に加え、「ダンスを学びながら高校卒業資格を取れるスクール」の設立まで手がけてきた川上さんにお話を伺いました。
この仕事のやりがいや面白さ、ワークライフバランス、さらには学生時代のアルバイト経験まで明らかにしていきます!
(*注)「角川ドワンゴ学園 N高等学校」は2016年4月に開校した、ネットと通信制高校の制度を活用した新しい“ネットの高校”です。
PCやスマホを使い、自分のペースで勉強を進めながら高校卒業資格が取得できます。学校に通うのは年5日程度のスクーリングのみです。
Schedule1日の流れ
現在、ドワンゴから「N高等学校(以下、N高)」に出向中の川上さん。さまざまな企画を手がけている川上さんの1日はこんな感じ!
起床後、すぐにSNSでトレンドをチェックし、企画のためのリサーチをしています。
夫婦で朝食を取り、家事も済ませてから出社します。
退社後は、夫婦で一緒に夕食。これから産休に入る予定のため、寝るまでの時間は子育て情報をチェックしているそう。

Interview~ドワンゴの働き方とは~
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編集部
- 川上さんの勤務先はN高ですよね。学校法人の朝は早いんですか?
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川上
- 私が所属する企画課はだいたい10時に始業するので、8時に起きています。
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編集部
- 「だいたい」ってどういうことですか?
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川上
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ドワンゴには、定時出社に縛られないいろんな働き方があるんです。
入社直後の職場では、午後から働く人もいてびっくりしました(笑)。
私は今、学校法人のN高に出向していますが、フレックスタイム制で働いています。
「コアタイム=この時間帯には働いてね」という決められた時間枠さえ守れば、出退社の時間を前後にずらすことができるんです。
働き方の自由度が高いのは、ありがたいですね。

▲川上真季(かわかみ・まき)。1992年生まれ。同志社大学商学部商学科卒。新卒でクラウドサービスを手がけるIT企業に入社し、人事職などを2年間経験。2017年3月にドワンゴに入社。ニコニコ事業の渉外として、番組企画や制作などを担当した後、2019年4月、角川ドワンゴ学園 N高等学校に出向し、企画職を担当。
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編集部
- 午後からでもOKなんて、本当に自由な働き方ができるんですね!
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川上
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入社当初はニコニコ事業の番組制作などに携わっていたので、夜の時間帯に働く人たちが特に多かったこともあるかも(笑)。
さすがに現在の企画課では、そこまで極端な働き方をする人はいませんが、N高はネットと通信高校の制度を活用した新しいスタイルの「ネットの高校」なので、一般的な学校に比べて、かなり自由度の高い働き方ができます。

▲N高の授業を受けている風景。
ネットを通じて、自宅のPCやスマホで授業を受けられる、新しいスタイルの学校です!
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編集部
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「ネットの高校」って、未来っぽくて面白いですね。
ところで、出社までの間は何をしているんですか?
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川上
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朝は起きたらすぐにSNSでトレンドをリサーチします。
N高の生徒がどんな言葉を使い、どんな話題に興味を持っているのかを知り、今、何を考えているのかをチェックして、企画に役立てています。
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編集部
- 企画の仕事って、やっぱりリサーチが大事なんですね!その後は、出社まで何をしているんですか?
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川上
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夫と一緒に朝食を食べてから、家事をパパッと済ませちゃいます。
新型コロナウィルスの影響でテレワークが基本になり、出社は月曜だけなんです。
夫もテレワーク中なので、夕食も夫婦で一緒に食べることが多いです。

▲川上さんの薬指には、結婚指輪がキラリと光ってます!
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編集部
- 仲良し夫婦なんですね、素敵です!いつ結婚されたんですか?
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川上
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2019年に結婚しました。実は、私たちは社内結婚なんです(笑)。
私は学校法人に出向する前、ニコニコ事業に携わっていて、生放送の番組プロデューサーなどを担当していました。
番組制作の現場で、ディレクターの彼と出会ったんです。
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編集部
- クリエイティブな2人の社内結婚なんて、憧れちゃいます…!
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川上
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同じ会社だから、お互いの状況もわかりやすいですね。
彼は機材に詳しいので、学校法人のイベントで必要な機材の相談に乗ってもらったりしています。
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編集部
- 川上さんは来月から産休に入るそうですが、職場復帰への不安はないですか?
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川上
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妊娠してからは残業は多くないですし、子育て中の先輩が職場に多いのであまり不安はありません。
今も、「重たい荷物は持っちゃダメ!」とか、「早く帰って休みなよ」とか、こっちが申し訳ないと思うくらい上司も同僚も優しいんです(笑)。
それにドワンゴには、保育園の利用料補助など育児中の社員に優しい制度もあるんですよ。

▲川上さんの自宅の仕事スペース。テレワークの時は、いつもここでPCに向かっているそう。
~企画の仕事って、どんなことをするの?〜
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編集部
- 川上さんは、普段どんな企画を考えているんですか?
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川上
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そうですね~。主に学校行事などの企画ですね。
最近やった面白い企画でいうと、入学式です。3Dキャラクターの校長先生が式辞を述べたり、人気漫画「ドラゴン桜」の教師役でVTuber(バーチャルYouTuber)の 「桜木建二」というキャラクターが式の進行役を務めたりしました。
毎年、特別来賓として著名人の方を招いて祝辞をいただきますが、そういったことも私たちが企画しています。

▲え!こんな入学式見たことない…!
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編集部
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いろんな企画に携われるんですね。
いいなあ、楽しそう!
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川上
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企画メンバーがそれぞれアイデアを出し、お互いに協力し合って実現していきます。
入学式や卒業式などの大きなイベントは1年前から準備をスタートしていて、キャスティングや会場の演出、動画の制作進行や生放送の手配まで自分たちで行っているんですよ。
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編集部
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そこまでやるんですか!
面白そうなことばかりしていますね!うらやましい!!
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川上
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ありがとうございます(笑)。
私たち企画課は、N高の存在を世に広めていくために、メディアに取り上げられるような面白い企画を考えているんですが、携わっているのはあくまで教育なので、ただ面白いということだけじゃダメなんです。
以前、面白くて話題になると思った企画に対し、他の教職員から「それって、生徒に必要なものですか?」と聞かれたことがあって。あの時は、「そうか、そうだった。原点に戻らねば」と強く実感しましたね。

▲思いついたアイデアを企画書に落とし込んでいく川上さん
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編集部
- 「魅力的で面白い企画」というだけではダメなんですね。
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川上
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そうなんです。学校法人は、生徒第一。
私たちは生徒たちの人生を預かっているので、それを忘れてはいけません。
その上で、世間から注目される面白いことをやっていく、というバランス感覚が大事なんです。
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編集部
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皆さん熱い情熱を持ってるんですね。
N高で働いてる人って、どんな人たちが多いんですか?
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川上
- 教員免許を持っている人や塾講師だった人、一般企業から転職した人など、いろんな人が働いていますが、みんな教育に対して自分なりの思いを持っている人ばかりです。

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編集部
- 川上さんも、教育に思いがあってこの会社を選んだんですか?
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川上
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そうですね。
新卒では、クラウドソーシングを運営する会社に入社したんです。
その背景には、過去に私の弟が不登校になったことが影響していて。学校教育って何だろうなと思っていました。
それで、「学校に行かなくても、自分に好きなことや、専門スキルを活かせる仕事に就けば生きていけるんじゃないか」と考えるようになり、クラウドソーシングを運営するIT企業に興味を持ったんです。
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川上
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だけど、実際に働いてクラウドソーシングについて改めて知るうちに、“働き方”を変えるだけではなく、“教育”から何かできないかな、と。
そう思ったタイミングで、ちょうど開校したN高を知りました。
ここなら直接教育に携われる可能性があると感じて転職しようと決めました。
当初は、本当に自分に教育関係の仕事がやりたいことなのかわからなかったので、入社後、まずはニコニコ事業部でいろんな経験をしてから、N高に配属してもらいました。
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編集部
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なるほど。まわり道した結果、やりたいことだと確信したんですね!
今、この仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?
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川上
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自分が考えたことをそのまま実現できることは、大きなやりがいです。
TV番組の取材を受けたり、N高のイベントがSNSでバズったりすることも達成感のひとつではあります。
でも、1番のやりがいは、「人の人生にかかわっている」と実感する瞬間にあります。

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編集部
- 生徒たちの人生ということですか?
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川上
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はい。私たち企画課は、生徒と直接かかわることってほとんどないんです。
でも、「EXPG高等学院」の企画から立ち上げまで携わった時、それを実感することができました。
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編集部
- 「EXPG高等学院」?それも学校ですか?
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川上
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そうなんです!
ちなみにEXILEのTETSUYAさんが学長をされていて、ダンスを学びながら高卒資格を取得できる新しいスタイルのスクールなんです。
たくさんのアーティストを輩出してきたダンススクール「EXPG STUDIO BY LDH」と提携することで実現できました。
▲「EXPG高等学院」のダンス授業風景。みんな真剣にレッスンを受けています。
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編集部
- ええっ!そんなスクールまで企画できちゃうんですか?
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川上
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そうなんです。
ただ、とても大変でした(笑)。
ダンススクールにN高の仕組みを掛け合わせるためカリキュラムや定員数、転入・編入の仕組みやスクーリングなどをEXPG側の担当者さんと話し合っていきましたが、新しいカタチのスクールを設立するのはお互いに初めての経験だったので、とにかく手探りで進んでいきましたね。
まる1年かけて、ようやく開校できた時は、正直、ホッとしました(笑)
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編集部
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大変そうですね…。
でも、ダンス好きな学生にとって、すごく夢のある学校ですね!
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川上
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開校してしばらく後、「EXPG高等学院」に入学したある生徒のアンケートを見た同僚に、「川上さんの企画で生徒の人生が変わってるよ」と教えてもらいました。
あの時は、本当に感動しましたね。
私が携わった企画が、誰かの人生に影響を与えているんだと実感し、大きなやりがいを味わうことができました!
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編集部
- いいお話ですね!今後はどんな企画に挑戦していきたいですか?
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川上
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これまでは、子どもがいないからこそ出てきた発想があったと思いますが、今後は子どもを育てる親の目線で企画を作れるかな、と思っています。
常に成長しながら、新しい企画に挑戦していきたいですね。
目には見えなくても、自分の仕事で多くの子どもたちの人生をもっと良いものに変えていくことができればと思います。

▲関係会社の方と特別授業の企画について打ち合わせへ
〜川上さんが考える「企画の仕事に向いてる人」って?〜
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編集部
- 今日はお疲れさまでした! 企画職に憧れる学生も多いと思いますが、この仕事ってどんな人が向いてるんでしょうか?
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川上
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「考えながら走れる人」かな。
私自身、たくさん失敗もしてきましたが、叱られても落ち込まずに走り続けることが大事だと感じますね。
失敗にひるむことなく、その要因が何だったのかをちゃんと考えてトライ&エラーを続けていく。
プロジェクトが成功するまでそれをやり続けていける人が、企画職に向いてると思います。
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編集部
- なるほど。川上さんは学生時代からそういう人だったんですか?
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川上
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いえいえ、バイトの経験がやっぱり大きかったですね。
大学時代の4年間を通じて、派遣営業のバイトをしていたんです。
デパ地下などで食品の試食販売をしたり、催事会場で販売スタッフとして働いたりしましたが、この時、モノを売るのって、本当に難しいことだと知りました。
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編集部
- そこで、「考えながら走ること」を経験されたんですね。
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川上
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例えば試食販売では、家族連れのお子さんに手渡しても、お母さんは相手にしてくれず、適当に配ってもダメなんだなと(笑)。
そのご家族の中の誰に最初に手渡すのか、どうしたら喜んでもらえるのか、商品の良さを理解して買ってもらえるのかを、考えながらどんどん工夫していきました。
この経験は、今の仕事でもすごく役に立っています。
販売も企画も相手がいてこそのもので、コミュニケーション力の基礎が身に付いたと感じます。
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編集部
- 学生時代はバイトに力を入れていたんですか?
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川上
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そうですね。
ほかにもカラオケ店のスタッフとして働き、接客や調理をしながら店を切り盛りする経験をしましたし、高級京料理店で着物を着て給仕するバイトにも挑戦しました。
友達はみんな学生団体の活動やインターンをやっていましたが、私は自分の力でお金を稼ぐことが楽しかったんです。
自分の働きを認めてもらえるのが嬉しいし、目標数字を達成することも面白かったなあ。
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編集部
- 考え方や取り組み方次第で、身に付く力も変わってきそうですよね。
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川上
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バイトもインターンも同じで、何も考えずに作業するだけではもったいないですよね。
「ここがためになった」「こんなことを学べた」など、本人の意識や考え方次第で、自分の中に残るものが変わると思うんです。
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編集部
- バイト選びへのアドバイスをお願いできますか?
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川上
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「興味を持ったこと」「自分にできそうと思ったこと」に挑戦してみるのがいいと思います!
社会に出たら想像以上にうまく行かないことがたくさんあります(笑)。
でも、できそうと思ったことに挑戦し、小さな「できた!」を積み重ねていく経験をすれば、自信も実力もつきますし、自分の次の可能性にまた挑戦していけるはずです。
就活で仕事選びする時にも、きっと役に立つと思いますよ!
密着の最後にヒトコト

私が仕事で大切にしていることは、「自分自身を知ろう!」という意識です。
この仕事では、自分の「立ち位置」を知ることがとても大事なんです。
企画課の中での「自分」の立ち位置は?
N高の中での「企画課」の立ち位置は?
さらに、世間においての「N高」の立ち位置は?
自分がどんな場所に立っているのかを客観的に知り、周囲の人々や物事との関係性を理解することで、どんな役割を果たせばいいのか、何を求められているのかが見えてくるんです。
独りよがりの企画じゃなく、誰かのため、何かのためになるものを実現するために、自分自身を振り返る時間をとても大切にしています。
また、何かに挑戦する前に「どうせ自分には無理」と思ってしまう時もあるけど、実は挑戦してみたらできるかもしれない。
自分自身のことを知った上で、勇気を出してどんどん挑戦すれば、また新しい自分を発見できて、可能性も広がっていきます。
まだまだ知らない世界がたくさんあると思うので、自分にできること、やりたいと思うこと、新しい自分をきっと見つけることができるはずですよ!
HAMIDEL編集部より
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は、ニコニコ動画のドワンゴが企画・開発協力を行う「角川ドワンゴ学園 N高等学校」で活躍する川上さんの1日を追いました!
『「魅力的で面白い企画」というだけではダメ』というお話がとても印象的でした!
生徒第一に考えながらもN高等学校ならではの企画作りの魅力が伝わったのではないでしょうか。
今回ご紹介しました、ドワンゴについてもっと知りたい方は、下の「ドワンゴについてもっと知りたい!」ボタンより、ぜひ採用情報などもチェックみてくださいね!
次回の記事公開をお楽しみに!
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