新しい時代を楽しく生きるための「AIのすゝめ」
株式会社ZOZOテクノロジーズ野口 竜司
Webサービスから自動車・製造機械、さらには今まで関係がないと思われていた介護など、あらゆる分野でその活用が広がっているAI(人工知能)。
今後、私たちの暮らしを大きく変えるといわれているそんなテクノロジーの最前線では、どんな人が活躍しているのか気になりませんか?
今回は、日本を代表するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」などを展開するZOZOグループにおいて、AI推進のトップランナーとして活躍するZOZOテクノロジーズ、プロジェクト・AI推進部部長の野口竜司さんにインタビュー。
自他ともに認める「AIオタク」として、業界内でも広く知られる存在でもある野口さんの1日にオンラインで密着し、AIの現状やその魅力、そして来るべきAI社会を楽しく生きていくためのコツなどについて、詳しくお伺いしていきます!
Schedule1日の流れ
効率性や生産性を大事にしているという野口さんの1日はこんな感じ!フルリモートワーク中なので、オフィスに行くのは月1回ほど。
それ以外の日は、自身で用意した作業場やカフェなどを中心に、さまざまな場所で作業やオンラインミーティングなどをしているそう。
野口さんは現在フルリモートでお仕事をされているとのことで、今回はオンラインで取材をさせていただきました!
Interview朝起きてから何をしてるの?
〜SNSを眺めながらのコーヒーでリズムを作る〜
- 編集部
-
よろしくお願いします!本日もご自宅でお仕事ですか?
- 野口
-
よろしくお願いします。
今日は自身で用意した作業場で仕事しています。
- 編集部
-
野口さんは普段もフルリモートで仕事をされていらっしゃるんですよね。
朝起きる時間や始業の時間は決まっているんですか?
- 野口
-
起きるのはだいたい7時30分くらいですね。
今は出社する必要がないので、結構のんびりしています。
コーヒーを入れ、それを飲みながらSNSをチェックしたり、Slackでその日の予定を確認しながら、だんだん仕事モードの頭に切り替えていくのが日課です。
本格的に始業するのは9時ですね。
朝はコーヒーを飲みながら、SNSをチェックしているという野口さん。
- 編集部
-
優雅な朝で良いですね!
リモートワークとのことですが出社されずにお仕事されているんですか?
- 野口
-
そうですね自身で用意した作業場をメインに仕事をしています。
野口竜司(のぐち・りゅうじ)。1977年生まれ。立命館大学政策科学部卒。大学在学中に京都のITベンチャー企業に参画。「文系AI人材」としてAIによる未来行動予測モデルの開発やAIビジネス推進などに注力。2019年4月に、ZOZOテクノロジーズに入社。AIのビジネス利活用などに関する多数の著書を執筆するほか、大企業やベンチャーのAI顧問としても活動している。
- 編集部
-
オフィスに行かないとメンバーの方とのコミュニケーションができないイメージもありますが、その辺り、実際はいかがですか?
- 野口
-
以前からリモートワークを推奨されていたので、新型コロナウイルスが流行し始めた頃は私たち自身もオフィスの外で働くことに慣れてきていました。
なので、フルリモートに切り替わってからも業務に支障はほとんどありませんでしたね。
コミュニケーションの点でもオンラインで以前より気軽にミーティングができるようになったので、Face to Faceで仕事をしていたときよりもそれぞれのメンバーを身近に感じる瞬間もあります。
不思議な話ですけどね。
- 編集部
-
なるほど。
ZOZOグループ全体としての情報の共有にも支障はないんですか?
- 野口
-
全体会議もオンラインになったので参加しやすくなりましたね。
また、これも新型コロナウイルス以前からのZOZOの文化なのですが、「情報共有も楽しく」というテーマのもとで、「全体朝礼動画」というコンテンツが全社員に配信されているので、今ZOZOがどんな方向に進んでいるのかとか、どんな新しいことを始めているかといった情報もしっかり共有することができています。
- 編集部
-
全体朝礼動画…!
内容が気になります!
- 野口
-
ただ情報を伝えるのではなく、場所や伝え方が毎回工夫されていたり、ユニークなコンテンツとして制作や配信されているので、私も結構楽しみに見ています。
- 編集部
-
情報共有も楽しくというのはZOZOさんらしい感じがしますね。
リモート会議のほか、今回の新型コロナウイルスの影響で変わったことはありますか?
- 野口
-
ZOZOの社員としてではなく個人的な取り組みなんですが、毎年、多くの方が参加するAIやアドテク(※注)に関するイベントに関わっているんです。
今年は新型コロナウイルスの影響ではじめてオンラインイベントとして開催しましたが、場所の手配や打ち上げ会場の予約といった心配がない分、いつもより気軽に取り組むことができました。
例年のイベントよりも多くの方にご参加いただくこともでき、結果として満足できるイベントになりました。
(※注)
「アドテク」とはアドテクノロジーの略。
マーケティング用語の1つで、広告配信をシステム化したものの全般を指します。
- 編集部
-
変化がいい方向に転じているという感じですか?
- 野口
-
もちろん大変なこともありますが、それ以上にこの新しいスタイルを積極的に楽しみたいという思いがありますね。
何よりも時間や場所にしばられずに働くことができるようになったことで、無駄なく最短でやりたいことにアクセスできるようになったのが素直にうれしいんです。
それに、オンラインで会議なんて今でこそ当たり前な感じですが、ほんの数年前の常識で考えれば、「未来に生きてる!」って感じじゃないですか!
そう考えるとワクワクします。
文系AIという概念を提唱し、AIの普及に貢献している野口さん。AIに対する熱意は、仕事の枠を超え、プライベートにも及んでいるとのこと。
- 編集部
-
野口さんは自他ともに認めるAIオタクとして有名ですが、プライベートな時間はどんなことをして過ごされてるんですか?
- 野口
-
会社の仕事以外の時間も、AIに関する書籍を執筆したりしていることが多いです。
そう考えると、仕事とプライベートであまり差がない生活ですね(笑)。
もともと物書きが好きなので、執筆が趣味みたいなものですね。
- 編集部
-
なるほど、仕事と趣味が両立されていますね!
それ以外の趣味もありますか?
- 野口
-
うーん…。
そういえば最近クルマを買ったんで、よくドライブしていますね。
- 編集部
-
いいですね!どんなところにドライブに行かれるんですか?
- 野口
-
目的もなく運転してることが多いですね。
実はクルマを所有するのはけっこう久しぶりなんですが、今はドライブアシストやなんかがすごく発達していて、「このAIはどんなふうにデータを処理してるんだろう?」と考えながらドライブするのが楽しいですね。
自分もAIモデルの開発などに携わる立場ですが、1ユーザーとしてAIの進化を感じる瞬間がとても好きなんです。
ロボット掃除機なんかも新旧2台揃えて、最新モデルのAIがどう進化しているかを比較したりしています。
- 編集部
-
野口さんが自他ともに認めるAIオタクといわれている理由がちょっと分かってきたような気がします。
ズバリ、野口さんがそこまで惹かれるAIの魅力とは?
- 野口
-
学生の頃から「時代を変える技術」に関わりたいと思っていました。
AIはまさに次に私たちの暮らし方や生活様式を大きく変えられる技術だと思います。
今、AIの利活用があらゆる業界や業種で進んでいますが、「AIでこんなことができるようになった!」「この業界の働き方がAIで変わった」という事例をチェックしていると、未来がつくられていくのを目の当たりにしているような楽しさを感じます。
寄り添う新旧2台のロボット掃除機。その機能や性能の違いから、AIの進化を感じるのが楽しいという野口さん。
9:00
業務スタート!〜「文系AI人材」の仕事って、どんなことをするの?〜
- 編集部
-
ZOZOグループでは昨年2019年を「ZOZO AI化元年」と位置付け、積極的にAIの利活用を進めてこられたそうですが、具体的にはどんなAIの使い方をしているんですか?
- 野口
-
例えば、それぞれのユーザーの趣味や嗜好に合った商品の情報をお届けしたり、「次に購入されるのはこれかも」という未来予測に基づいて商品をおすすめするような取り組みを行っています。
まったく新しい「ショッピング体験」を提供していくというのが大きな目標でもあります。
- 編集部
-
なるほど。気になる商品ばかりが表示されるなと思っていましたが、AIのおかげだったんですね!
そんなAIの活用に関して、野口さんは「文系AI人材」という概念を提唱され、書籍も出されていますが、どんな人を意味する言葉なんですか?
- 野口
-
ひとことで言えば“AIをツールとして自由に「使う」ことができる人”のことです。
一般の方にAIの話をすると「難しそう」といわれることが多いのですが、AIを理解するためには「統計」や「プログラミング」などの知識が必要なんじゃないかという思い込みがあるからなんです。
もちろん、AIの開発をする技術者やデータサイエンティスト(※注)を目指すならそんな勉強も必要ですが、それをしないとAIを活用できないかというと、そんなことは決してありません。
むしろ、これからさらにAIが私たちの日常に浸透していくためには、文系的、つまりビジネス寄りの視点と発想で「AIをどう使っていくか」を考えることが大切になります。
アプリの細かい仕組みは分からなくても、機能や使い方を正しく知っていれば、いろんな活用ができますよね?
それと同じように、AIの特性や機能に精通し、自由に使いこなせる人材のことを「文系AI人材」と呼んでいます。
(※注)
「データサイエンティスト」は、データをもとに高度分析を行ったり、AIモデルを作成したりする役割の人のことです。
- 編集部
-
なるほど、AIを作るというより、自由に使いこなす人というイメージでしょうか。
野口さんご自身も「文系AI人材」として活躍されていますが、毎日どんな仕事をしてるんですか?
- 野口
-
AIプロジェクトのプロジェクトマネジメントやAI企画の立案、GUI(※注)ベースによるAIモデルの事前検証、その他ZOZOグループにおける新しいAI活用の推進などいろんなことをやっています。
そのほか社内やグループ内でのAI教育も行っています。
(※注)
「GUI」は、Graphical User Interfaceの略で、コンピューター上でマウスや指などで直感的な操作ができる画面を表すことです。
- 編集部
-
AIの社内教育ですね。どんな内容なんですか?
- 野口
-
ZOZOグループの非エンジニア社員を対象としたAIの基礎教育ですね。
プログラムや統計知識はなくても構いませんが、AIを正しく効率的に活用するためには「今のAIモデルでなにができるのか?」「AIを活用すればどんな効果が期待できるのか?」といったことについて、きちんと把握している必要があります。
研修や勉強会、そしてプログラム不要のツールを使って実際にAIモデルを作ってみるワークショップを通じて、AIの特性について学べる環境を作るのが私の役目です。
あ、そろそろオンラインミーティングの時間なので、いったん失礼します!
ここがポイント
野口さんは、ZOZOグループ内での教育のほか、一般向けのAI本の執筆、そして、高校生や大学生などの若い世代にAIの面白さを伝える活動にも積極的に取り組んでいるそう。
例えば、高校生を対象としたAIのワークショップを開催しているほか、中学校や高校にご自身が執筆されたAI関連の書籍をプレゼントしているとのこと。
「AIが社会のあらゆる分野に浸透するこれからの時代、若い人にこそ早いうちからAIの知識を身につけ、AIネイティブといえる存在になってほしいという思いがあるんです」と語る野口さん。
12:00
ランチタイム〜いつも何を食べてるの?〜
- 編集部
-
オンラインミーティングお疲れ様でした。そろそろお昼ご飯ですか?
- 野口
-
そうですね。お腹も空いてきました。
- 編集部
- いつもランチはどちらで?
- 野口
-
ほとんど外食ですね。
- 編集部
-
よく行くお店はあるんですか?
- 野口
-
実は私、一度ハマったものがあると、飽きるまで繰り返し同じメニューを食べ続けるクセがあるんです。
今は近所のイタリアンレストランのサラダを、週5ペースで食べています。
- 編集部
-
ほぼ毎日ですね!
- 野口
-
以前は近所の中華料理屋さんにばかり通ってた時期もありました。
まだしばらく飽きそうにないので、サラダの日々が続きそうです(笑)。
これが野口さんお気に入りのイタリアンサラダ!それにしても、週5日ペースはすごいハマり方ですね!
13:00分
再び業務スタート!〜ZOZOグループで働くって、どうですか?〜
- 編集部
-
午後も失礼します。次はどんなお仕事を?
- 野口
-
今日はあるファッションブランドが実施しているAIを活用したプロモーションの結果を分析しようと思っています。
- 編集部
-
プロモーションでどれだけ売り上げやお客さんの数が伸びたかを調べるということですか?
- 野口
-
そうですね。
集計した結果からどのくらい効果が出たかを分析して、AIのモデルを調整するんです。
AIはどんなデータを扱うかによって、精度も得られる結果もガラッと変わるので、実際に動かした結果を分析し、細かく調整しながら最適化するプロセスが最も重要なんです。
結果からしか見えてこない改善点もあるので、とても大切な作業です。
- 編集部
-
野口さんは2019年4月にZOZOテクノロジーズに入社されていますが、入社する前からファッションやブランドに詳しかったんですか?
- 野口
-
いえ、以前は身だしなみに気をつける程度でした。
ZOZOに入社して日常的にいろんなファッションや商品の情報に触れるようになって、自然とファッションへの関心や熱が高まりました。
- 編集部
-
そうなんですね。
入社後にファッションへの熱はどんな感じで高まったんですか?
- 野口
-
入社してから服に使う費用が4倍以上になりました。
- 編集部
-
4倍も!?
- 野口
-
社割もあるんですが、とにかく「欲しい!」と思う商品の情報が身の回りにあふれているのでキリがないですね。
毎日が物欲との戦いです。
でも、勝ててはいませんよね。4倍だし(笑)。
自身で用意した作業スペースの様子。意外とシンプル。
ここがポイント
現在はAIでZOZO グループの未来を作るというミッションに向き合う野口さんに、これからどんな社会がやってくるとお考えなのか聞いてみました!
「あらゆるサービスにおいて、より一人ひとりの好みや行動の特徴に合わせた情報の発信を行うパーソナライゼーション(※注)がさらに進んでいくと思います。
例えば、同じニュースサイトを見ていても、人によって表示される内容や表示の順番の順番などはまったく異なるものになるなど、「自分だけのサービス」を誰もが当たり前に受けられるようになるでしょう。」
「古い産業機械がAIで効率化したり、介護の現場でロボットスーツなどの“ロボテックス×AI”な製品が普及するんじゃないでしょうか。
さらにAIの研究や開発が進めば、もっと人間らしいロボットと一緒に暮らすSFのような時代がくるかも知れません。考えるだけでワクワクします」
(※注)
「パーソナライゼーション」とは、何かを個々人向けにカスタマイズすることです。
16:00
Webミーティング 〜チームのメンバーから見た野口さんってどんな人?〜
- 編集部
-
野口さん、次のお仕事は?
- 野口
-
メンバーとオンラインミーティングをします。
- 編集部
-
ぜひ少しだけ同席させてもらってもいいですか?
- 野口
-
ええ、構いませんよ。
- 浦
-
こんにちは。浦と申します。
- 編集部
-
こんにちは!お忙しいところすみません。
今、野口さんの1日密着をさせていただいているんですが、浦さんから見た野口さんって、どんな方ですか?
- 浦
-
うちのチームは若いメンバーが多いので、一番大人な人という感じですね。
でも実際はすごく話しやすい人です。
若いメンバーも含め、みんな「のぐりゅうさん」と呼ばせてもらってます。
- 編集部
-
のぐりゅうさんですか!
あだ名で呼んでらっしゃると親しみがわきますね。
お仕事の上での野口さんはどんな存在ですか?
- 浦
-
とにかくAIに関する知識が圧倒的に豊富で、頼れる上司であり先輩です。
日ごろからいろんな相談をさせてもらっているのですが、こちらが気づいてない視点もさらっと示してくれたりするところがカッコいいですね。
本当にただ話しているだけでも、勉強になることが多いんですよ。
- 野口
-
恥ずかしいのでそろそろいいですか?(笑)。
メンバーには、働く上でユーザーと会社と自分自身の三角形で三方よしを作っていこうという話をよくしています。
この三角形のどれかに偏るとよくないので、きちんとユーザーや会社に貢献することを前提にしながらも、自分自身のキャリアのことも考えながら会社と接していくことが大事だということを伝えています。
また、AIや新しいテクノロジーに興味を持ち、自分自身で仕事に楽しみを見つけてもらうこともすすめています。
今はフルリモートなのでみんな違う場所で仕事をしていますが、オンラインミーティングしたり、意見交換は出来るだけ頻繁に行うよう心がけています。
チームメイトの浦さん。急なお願いにもかかわらずコメントいただき、ありがとうございました!
- 編集部
-
浦さんとのミーティングの後は、ZOZOグループ全体の会議ですか…
本当に会議が多いんですね!
- 野口
-
ZOZOグループ全体でさまざまな取り組みを行っているので、いろんな部署の担当者や技術者など、さまざまな立場の人と意見交換する必要があるんです。
どうしても会議の数は増えますが、今はオンラインなので、昔よりは気軽に参加できています。
リモートワークの環境下でもチーム内でコミュニケーションをしっかりとられています。新卒メンバーの発案で別チームの社員同士でも1on1ミーティングしているそうです!
- 編集部
-
野口さんがAIに関わり始めたきっかけはなんだったんですか?
- 野口
-
「文系AI人材」を自称していますが、実は学生時代からゲーム理論のゼミに属していて、機械にシミュレーションさせることには馴染みがありました。
その関係もあり、大学在籍中に京都のベンチャー企業にジョインしたわけですが、そこでレコメンドエンジンを作ったり、ビッグデータを活用した新規事業を事業化したことが、AIをビジネスでも使う直接的なきっかけとなりました。
その会社でAI関連事業の開発も経験しました。
ここがポイント
「レコメンドエンジン」とは、一定のルールでユーザーにおすすめの商品やコンテンツを提示し、さまざまな商品やサービスのなかからお気に入りを選ぶ手助けをしてくれるシステムのことです。
精度の高いレコメンドエンジンだとユーザーの購買意欲がより高まります。
- 編集部
-
学生時代からAIに通じる分野に関わっていたなんて、ブレがないですね!
- 野口
-
インターネットが普及して世の中がどんどん変わっていくのを目の当たりにしてきた時代だったので、自分もそんな技術に携わりたいと思っていました。
そんなインパクトをもたらす技術としてAIに興味を持ったのも、自分の中では自然な流れだった気がします。
- 編集部
-
今仕事をしていて、一番楽しさややりがいを感じる瞬間はいつですか?
- 野口
-
みんなとアイデアを出し合い、失敗を重ねながら作り上げたAIモデルが、思い通り、またはそれ以上の仕事をしてくれた時にはいつも大きな達成感があります。
AIモデルというのは、わかりやすく言えば自分が仕事をしていて「面倒だな」とか「苦手な作業だな」と感じる部分を、自分に変わってやってくれる「もう一人の自分」、または「頼りになるスタッフ」のようなものなんです。
手間はかかりますが、そんな頼れる存在をじっくりと育てていく楽しさもあるんですよ。
- 編集部
-
先ほど学生時代からベンチャー企業に参加していたとおっしゃいましたが、アルバイトはしていなかったんですか?
- 野口
-
中古ゲームショップの店員をしたことがあります。
お客さんがあまりこないお店だったので、ひたすらプログラミングの勉強をしていました。
アルバイトに関してはそれが唯一の経験です(笑)。
- 編集部
-
もし、野口さんが大学生に戻れるとしたら、どんなアルバイトをしてみたいですか?
- 野口
-
アルバイトですか?
う~ん…AIの活用事例とか、新しいソリューションの情報を探すのが大好きなので、趣味と実益を兼ねてIT系メディアでアルバイトしてみたいですね。
業界で活躍している人とのコネクションもできそうだし、良くないですか?
- 編集部
-
AIやその進化への興味が軸なんですね!
これからアルバイトしようと考えている人に、何かアドバイスはありますか?
- 野口
-
アルバイトも自分の時間を投資するという感覚で選んでみると、思わぬ出会いがあるかも。
せっかく社会とつながるチャンスなので、自分の興味がある分野に少しでも触れられそうなものや、そこでしか経験できないことがありそうな仕事の方が面白いかも知れませんね。
- 編集部
-
ご自身が学生時代にベンチャー企業に参加されたのも、そんな思いからだったんですか?
- 野口
-
そうですね。
アルバイトではありませんでしたが、自分の興味ある分野とつながることができるというワクワク感はありました。
むしろアルバイトだからこそ興味本位で選べるようなところもあると思うので、ちょっとでも興味があることに思いきり飛び込んでみればいいんじゃないでしょうかね。
思わぬ人との出会いもあるかも知れませんよ。
AIやビジネス関連の書籍がびっしりと積まれています。積まれている本の中には野口さん著書の『文系AI人材になる―統計・プログラム知識は不要』も。
最後に学生に一言
若い人たちに伝えたい言葉は、「AIとともに生きる」です。
まだ実感は持てないかも知れませんが、「AIがないと仕事ができない時代」が、すぐそこまできています。
例えば、PCのない職場や日常生活を想像してみてください。
昔はそれが当たり前だったけど、現在では多くの人にとって、PCは仕事や日常生活に欠かすことができないツールになっていますよね。
それと同様のことが、AIでも必ず起こります。
データとAIをうまく活用すれば、どんな仕事も今よりもずっと楽に、効率的にできるようになるので、AI活用こそがあらゆる企業や社会のスタンダードとなっていくでしょう。
言い換えれば、単純な作業はAIやロボットに任せて、人間はもっと人間らしい発想で取り組む仕事に専念できる、新しい分業の時代です。
「AIを使いこなす」という能力は、まさにそんな時代に生きるすべての人にとって、当たり前のように求められるスキルだと思います。
アルバイトや勉強など、どんなことでもいいので、今自分がやっている仕事や作業を、AIに任せてみたらどうなるだろうとイメージしてみてください。
その想像力こそが、あなたをAIネイティブにする最初の一歩になるはずです。
HAMIDEL編集部より
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は、日本を代表するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」などを展開するZOZOグループの「ZOZOテクノロジーズ」でAI事業を推進する野口さんの1日に密着しました!
新型コロナウイルスのなかでも、新しいスタイルを積極的に楽しみたいという発想がとても新鮮でした!
またプライベートが仕事につながってしまうほどのAIオタクな野口さんの一面も見せていただきとても楽しい取材でした!
次回密着するのはどういった企業さんなのか?またどんな社員さんの1日が見られるのか?
次回の記事公開をお楽しみに!
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毎日、スマート体重計で自身の体重を測り、自分もAI予測の対象に。
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リモート中のためオフィスへの出社は月1回程度とのことでしたが、オフィスはとてもキレイです!
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オフィスにはオシャレなバーカウンター付きキッチンスペースも。
大きな冷蔵庫もあるそうです。