
【タカラトミー】勉強もアルバイトも全力投球。「おもちゃ業界に入りたい」夢を掴んだ力とは?
株式会社タカラトミー篠永 恭平
2021.07.14
憧れの会社に就職したい!憧れの職業に就きたい学生の皆さんに、人気企業で働いている先輩たちが学生時代に行ったアルバイト経験を紹介するHAMIDEL。今回は株式会社タカラトミーで、2021年4月からアニメが放送開始し、注目を集めているカードバトルホビー「マジカパーティ」の開発に携わる篠永恭平さんにインタビュー。学生時代のアルバイトやガクチカ(学生時代に頑張ったこと)、仕事のやりがいをお聞きしました!
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインにより、取材を行っています。
interviewスタート!
篠永さんのお仕事について教えてください。
現在は、「マジカパーティ」のマーケティング業務全般を行い、もっとたくさんの人に「マジカパーティ」を知っていただくための戦略作りを担当しています。「マジカパーティ」は2021年4月に販売開始したカードバトルホビーで、ユーザー同士がカードバトルを楽しむ新ホビーです。
同じ時期に、アニメも放送開始。そのため僕もカードバトルホビーだけではなく、「カードやキャラクターの魅力をお客様により伝えられないか」とアニメ制作にも携わっています。
アニメ放送も開始され、「マジカパーティ」は、子どもたちを中心に注目を集めていますね!ご自身が制作に携わったものがカードバトルホビーやアニメの形で世に出ていく気持ちはいかがでしたか?
やっぱり、非常に嬉しいです。当社としても非常に力を入れているプロジェクトなので、とてもやりがいを感じています。キャラクターを考える際にも、チームメンバー以外の人たちにもどういうキャラクターがいいと思うか意見をもらって、じっくりと構想を練ってきました。長い時間かけて準備してきたものがようやくデビューして、4月にテレビで第一話が放送された時は、本当に感無量でした。

篠永恭平(しのながきょうへい)さん/メディアキャラクター事業室企画マーケティング部マーケティング課
「マジカパーティ」の開発には、どれくらいの人が関わっているんですか。
社内メンバーの他、社外も含めると多くの方と関わっています。
開発チームの雰囲気を教えてください!
「マジカパーティ」の開発チームは、とにかく愉快な雰囲気の人が多いんです。いつも、「何か楽しいことをやりたいよね」って話していて、どんどん新しいアイデアを生んでいます。仕事はとても真面目で黙々とこなすのに、突然、面白いアイデアを提案したりして……。その展開の速さに追いつけない時も(笑)。
でも「マジカパーティ」はタイトルに「パーティ」とついている通り、「楽しさ」や「愉快さ」がとても大切。そういう意味では、「マジカパーティ」を作るチームとしては、最高の雰囲気じゃないかなって思います。

カードバトルホビー「マジカパーティ」から、カード「マジカ」、専用ギア、ファイルなどが好評発売中

スクラッチ印刷や感温印刷を施したカード「マジカ」には、削ると新たなマジン(キャラクター)が登場したり、こすると文字が浮き出てきたりとカードが進化するギミック搭載で、カードバトルを楽しむことができます
「ベイブレード」がきっかけで、おもちゃ業界に!
篠永さんがタカラトミーに就職しようと思ったきっかけは何だったんですか?
子どもの頃、親の仕事の都合で転校した経験があったのですが、その時、最初はクラスに馴染めなかったんです。でも当時、流行っていた当社商品の「ベイブレード」をきっかけに、少しずつ友だちができるようになりました。その経験からおもちゃ好きとなり、おもちゃ業界に就職したいと思うようになりました。
ちなみに、ベイブレードシリーズは、現在も「ベイブレードバースト」として展開しています。実はそのベイブレードブームの火付け役の方と同じチームで働いているんです。おもちゃ業界では有名で憧れていた存在だったので、一緒に働くことができて、とても嬉しいです!
えっー!!それはすごいですね!憧れの方と働いてみての感想はいかがですか。
発想はユニークですけど、仕事に対してはとてもストイック。思考の仕方も含めさまざまな部分で、勉強させてもらっています。
身近な存在の方から、たくさん学ぶことがありそうですね!子どもの頃に進むと決めたおもちゃ業界に入り、振り返ってみるとどんな経験が今に繋がったと思いますか?
大学を選んだのも、大学院に進学したのも、おもちゃ業界に進みたかったからです。「おもちゃを作るためには何を学べばいいんだろう」と考えて、電気電子系の研究室に進みました。大学院に進み、教授から渡されたテーマの研究を進めたのですが、最初は「これを学べば将来、おもちゃ作りに役立つだろう」程度の気持ちだったんです。
でも研究が進むにつれて、まだ答えのない事柄に対し、「こうやったら回答が出るんじゃないか?」と、どんどん研究に熱中するようになりました。今振り返ると、そうやってひとつのことに没頭した経験は、とても得難いものだったと思います。
ひとつのことに熱中した経験が、まさに役立っているんですね。
そうです。過去があって今がある要素だと思うので、「当時は研究室のメンバーと協力しあって研究を進め、お互い切磋琢磨してきました。振り返ると、何事も全力で取り組み、楽しんでいた気がします。
社会人になった現在も、そうした学生生活との共通点がたくさんあります。答えがないところに、「ああでもない、こうでもない」って必死に考えながら、愉快な先輩方と一緒に毎日を楽しんでいくのは、まさに大学院の延長線みたいだなって思います。

「マジカパーティ」商品を机に並べて仕事に集中している篠永さん。オフィス内は「マジカパーティ」以外にもタカラトミーさんの商品がズラリ
ファストフードと塾講師のアルバイトから学んだ「人に伝える力」
学生時代はどんなアルバイトをしていましたか?
ファストフードの店員と、学習教室の先生と、受験対策の塾の講師です。一時期は3つ掛け持ちしていましたが、大学院に進み研究がハードになったので、塾講師だけに絞りました。
3つもアルバイトを掛け持ちしていた時期があったのですね…!ちなみに一番印象に残っているアルバイトは何でしたか?
ファストフードの店員です。本当はちょっと引っ込み思案な自分の性格から考えて、サービス業はあまり向いていないと思ったのですが、「アルバイトは苦手なことにチャレンジできる、良い機会だ」と思って挑戦しました。その結果、学ぶことがたくさんありましたね。
苦手なことにチャレンジできるって良い発想ですね!篠永さんはチャレンジした結果、どんなことを学べましたか?
「人に伝える力」を学べましたね。
「人に伝える力」?具体的にはどういった力ですか?
ファストフードには年代問わず、たくさんのお客様がいらっしゃいます。そんな中で、お客様への接客や対応の姿勢をとことん学ばせていただきました。一方、塾講師や学習塾の先生のアルバイトでは、「生徒の学力差がある中で、どう伝えたらきちんと理解してもらえるか」を常に考えていました。
現在プロモーションの仕事をする上で、「どうやったらたくさんの人に伝えられるか?」をいつも考えているのですが、そういうベースは学生時代のアルバイト経験から培ったかな、と思っています。
具体的には、お仕事のどんな場面で役立っていますか。
たとえば、動画コンテンツを活用したプロモーションですね。商品の魅力をユーザーに伝えるための動画を作成して発信したり、動画によっては動画クリエイターの方を起用して発信していただいたりと、どんなコンテンツを作るのかを考えるのも自分の仕事です。そういうときはいつもユーザー目線にたち、「どうやったら、一番相手の心に届くかな」って考えています。
迷ったら「やってみる」

学生時代のアルバイト経験が、現在のお仕事にとても役立っているんですね。最後に、アルバイトを探したり、これから就職活動を控える学生の皆さんに、メッセージをお願いします。
いつも自分に言い聞かせている言葉が「やらずにできるわけがない」。これはよく母に言われていた言葉で、僕が何かをやるか迷っている時、母は、「やらないと何も始まらないよ、とりあえずやってみよう!」っていつも背中を押してくれたんです。部活で悩んでいる時や、転校して友だちができない時、悶々としていると、母はよくこの言葉をかけてくれました。
今も仕事で新しいことを始めるのに躊躇した時は、この言葉を思い出します。悩んだら、とりあえずやってみる。そして、全力で楽しむことを大切に。何事も、足を踏み出す行動力が大事だと思います。
学生時代にしかできないこともたくさんあるので、クラスやゼミの仲間と支えあいながら、いろいろなことにチャレンジしてみてください!
編集部のあとがき
「おもちゃが大好き」の強い想いで、念願のタカラトミーに就職した篠永さん。ファストフードのアルバイトを選ぶ時は、「あえて自分の苦手なことに挑戦してみる」エピソードも教えてくれました。これからアルバイトを探す皆さんにも、とても参考になりそうです。また最後には、HAMIDEL読者にも「マジカパーティ」をプレイして楽しんでほしいという熱い想いもお伝えいただきました。
篠永さん、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました!
自分が働きたい企業や職種を見つけ、そのためにはどんなガクチカやアルバイト経験をしてみるといいのか、自分の棚卸しをしてみると良いかもしれませんね。
©MAZICA PARTY PROJECT・TVO
© TOMY