【バンダイナムコピクチャーズ】好奇心のおもむくままチャレンジしたさまざまなアルバイトは、アニメの仕事にどう生かされているのか?

株式会社バンダイナムコピクチャーズ松田 つかさ

憧れの会社に就職したい!憧れの職業に就きたい学生の皆さんに、人気企業で働いている先輩たちが学生時代に行ったアルバイト経験を紹介するHAMIDEL。今回はさまざまなアニメ作品の制作を行っている株式会社バンダイナムコピクチャーズで、制作進行として活躍する2019年4月入社の松田さんにインタビュー!学生時代のアルバイト経験や、ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)、現在のお仕事についてお聞きしました!

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、対策をしっかり行った上で取材しております。

interviewスタート!

まずは、松田さんのお仕事について教えてください。

バンダイナムコピクチャーズは、アニメーションを中心にさまざまな映像作品を制作している会社です。私は、2019年4月に新卒として入社して以来、制作部で仕事をしています。現在は制作進行として、担当する回の予算やスケジュールの管理、クリエイターの調整、進捗素材のチェックなどの業務をしています。

写真:松田 つかささん

松田つかささん/制作部 Aスタジオ 制作進行

バンダイナムコピクチャーズは人気のアニメ作品を数多く手がけられていますよね。その制作は、どのように進められていくんですか?

アニメの制作には、さまざまな工程があります。どんな作品をつくるかという企画や脚本づくりの段階があって、キャラクターや世界観が固まったら、素材となる絵の作成や撮影、編集を進めていくといった順番で制作が進んでいきます。そのプロセスの一つひとつに作画や音声といった、さまざまな技能を持ったクリエイターたちが関わっています。

ひとつのアニメ作品が完成するまでには、いろんな段階があるんですね!松田さんは現在、どんな作品に関わっていらっしゃるんですか?

現在は、『もののがたり』というTVアニメ作品を担当しています。これは、集英社の『ウルトラジャンプ』で連載されている漫画が原作の作品です。私自身は2021年からこの制作に参加し、担当する回の制作進行をしています。昨年から今年前半にかけては、非常に忙しい時期もありましたが、今はようやく山場を越え、落ち着いてきたところです。

【もののがたりHP】
https://mononogatari-pr.com/

担当する回の制作進行というのは、具体的にはどのようなお仕事ですか?

TVアニメは、1話30分程度の作品を毎週放送しますが、例えば、第1話と第2話のように放送時期が近い話数については、制作の時期が完全に重なってしまうため、個別の制作チームを組むことになります。『もののがたり』もそのように制作をしていて、私はそのうち3本担当しました。予算やスケジュールの管理、進捗素材のチェックなどさまざまな業務がありますが、なかでも重要なのが、クリエイターとの交渉や進捗確認です。アニメ制作では作画だけでも1話あたり数十名のクリエイターが参加するなど、多くの方の力が必要になります。フリーランスのクリエイターと交渉し、自分の担当する回に参加してもらえるようにお願いしたり、進捗などを確認したりすることも制作進行の役目です。

アニメ制作には本当に多くのクリエイターが参加されているんですね。そんなプロの方々から信頼されるために、心がけていることはありますか?

当たり前に聞こえるかもしれませんが、約束はしっかり守るように努めています。クリエイターにやっていただきたいことを依頼する立場なので、まずは自分がやるべきことに関して、「いつまでにやる」というのをはっきりと言葉にして周囲に伝え、責任を持って実行することを心がけています。自ら率先して目標を示し、それをやりとげる「有言実行」の姿勢をしっかりと示すことで、経験豊富なクリエイターの方々にも信頼していただき、安心して仕事をしてもらえる存在になりたいと考えています。

写真:パソコンに向かう松田さん

制作進行は、多くのクリエイターを巻き込みながら制作全体を進めていく、いわば「旗振り役」のような役目を担っているという。だからこそ、松田さんは「有言実行」を大切にしているとのことです。

松田さんご自身は、学生時代にどのようなアルバイトを経験されましたか?

最初に経験したのは高校時代に始めたパン屋さんのアルバイトで、大学生になってからもお世話になっていました。大学に入ってからはそのアルバイトと並行して、出版社や、母校である小学校の図書館でのアルバイトも経験しました。また、アルバイトではありませんが、大学時代には家庭裁判所でのボランティアも経験していましたね。

それらを全て掛けもちしていたというのは驚きですね!それほどたくさんのアルバイトやボランティアに取り組まれたのは、どんな理由からですか?

興味がある仕事や職場を、実際に体験してみたかったというのが一番の理由です。パン屋さんでアルバイトしたのも、当時、夢中になっていた小説に出てくる職場やその仕事を実際に体験したかったからです。そのほかのアルバイトも、始めたきっかけはおおむね同じような理由です。出版社や図書館でのアルバイトに関しては、本が好きだったからというのが大きいですね。

そうですね。当時は司法や犯罪心理に少し興味があったので、そこに関わっている人たちの働き方や考えに触れてみたいと考えボランティアに応募しました。一度は非行に走ってしまったものの、そこから更生しようとしている保護観察中の少年と接していろんな話をしたり、みんなでゴミ拾いしたり、さまざまなことを経験することができました。通常のアルバイトとは違う人や仕事を知ることができた、貴重な体験でしたね。

写真:談笑する松田さん

アルバイトを通して多くの人と接してきた松田さん。その経験は、社会人になってからも生きていると語ってくれました。

アルバイトやボランティア以外で、学生時代、本気で取り組んでいたことはありますか?

サークル活動にも、かなり力を入れて取り組んでいましたね。そちらに関しても、学内情報などをまとめた冊子を制作する「出版サークル」と、自分たちでオリジナル作品をつくって公演する「ミュージカルサークル」のふたつをかけもちしていました。とくにミュージカルの方は、シナリオから演出、作詞、まで担当するほど、熱中していましたね。衣装・作曲などは他のメンバーが担当しており、各々得意な分野で力を発揮しつつ、協力して作品を作っていくという、ものづくりの醍醐味を体験することができました。今振り返ってみると、複数のクリエイターと関わり、形にしていくアニメ制作に通じるところがありましたね。

アルバイトにサークル活動と、本当に忙しそうな学生時代ですね。そこまでいろんなことにチャレンジした背景には、どんな思いがあったんですか?

私の場合、ちょっとでも気になって、興味を持ったことには、実際にその現場をのぞいてみたり、体験したりしないと気がすまないんです。興味を持った仕事や職場が、実際にはどんな感じで、どんな人たちが関わっているのかを知るには、自分でやってみるのが一番早いですよね。そんな思いでアルバイトやボランティアを経験させていただき、いろいろな人と関わることができたおかげで学べたこともたくさんありますし、自分自身の適性や仕事に対する志向を知ることもできました。

そんなサークルやアルバイトの経験で、今の仕事に活用できているものはありますか?

パン屋さんのアルバイトで日々いろんなお客様と接し、出版社や司法など、その職場に自ら飛び込まないと出会う機会がなかった仲間と一緒に働き、同じ時間を過ごしたおかげで、それまで自分にとって遠い存在だった人たちが社会の中で果たしている役割や、それぞれの生活をイメージする力がついた気がします。自分たちの作品を見てくださる人や、その人たちの反応について考えることは、アニメ作品をつくる上でも大切な視点ですが、多くの人と接したアルバイト経験がそんな部分に生かされているような気がしますね。 また、アニメーションの制作は、チームワークが大事なので、アルバイトでさまざまな人たちとコミュニケーション力をとってきたことが、現在、社内外の人たちとのやりとりの中で役に立っています。

写真:「自分の言葉に責任を持つ」松田さん

自分の言葉に責任を持つというのは、最後までやり抜くこと。どんな仕事でも、やりきった先に、きっと、やってよかったと思える瞬間がくるはずだと話してくれました。

アニメ制作の仕事に就こうと思った理由はなんだったんですか?

就職活動を始めたばかりの頃は、アニメ制作に限定せずに、エンターテインメント業界全体を広く志望していました。アニメも見ていましたけど、本もよく読んでいたし、舞台や音楽も好きだったので、それぞれの業界や仕事のことを知ってから、一番興味が持てそうなところを選ぼうと考えていたんです。最終的にアニメ制作を選んだのは、いろんなクリエイターの近くで作品づくりができることに魅力を感じたからです。絵を描く、シナリオを書く、音楽を作るなど、さまざまな才能を持った方と関わる仕事の方が、自分にとっては楽しいんじゃないかと思ったんです。

中学時代に見ていたアニメの続編の制作に携わることになったときは、ちょっと感動しましたね。『TIGER & BUNNY』という、中学時代に友人に勧められて自分もはまっていた作品だったのですが、まさかその続編の制作に関わることになるなんて、見ていた当時はもちろん、就職したばかりの頃も全く予想していませんでした。いろんなことがつながっているというのを実感しましたね。

【TIGER & BUNNY HP】
http://www.tigerandbunny.net/TB2/

憧れていた世界に自分が関わるというのは、大きな感慨がありそうですね。今回インタビューでお聞きしたお話を、どんな大学生に聞いてほしいですか?

興味あることや、やってみたいことはあるけど、一歩踏み出せずにいる方に聞いていただきたいです。私自身は学生時代、興味のままにいろんなアルバイトやサークル活動を経験してきましたが、やってみないと分からなかっただろうなと感じることはたくさんあります。また、そのときの経験を今の仕事でも生かせているなと感じる瞬間は少なくありません。好奇心をもっていろんなことにチャレンジできるのは学生の特権です。気になることには何でもチャレンジしてみることをおすすめします。

最後にアルバイトを探したり、これから就職活動に臨もうとしたりしている学生の皆さんへメッセージをお願いします。

先ほどの有言実行と同じような話になりますが、「自分の発言に責任をもつ」ことを大切にしていただきたいですね。責任を持つということは、言い換えれば、「始めたことを最後までやる」ことだと思っています。

私自身、いくつかの作品に関わってきましたが、その途中で仕事が辛くなったり、本当にスケジュール通りに完成するのか不安になったりすることもたくさんありました。しかし、それを一つひとつ乗り越えて、出来上がった作品をみんなで最終チェックする瞬間は、いつも言葉にならない達成感や充実感を味わうことができました。大変だと思うことも、最後までやり抜いた後、自分が何を手にできるのか、どんなことが変わるのかを楽しみにしながら、目の前の一つひとつのことに取り組んでみてください。

編集部のあとがき

自分自身の中にある興味や好奇心に従うことで、世界がどんどん広がっていったという松田さん。そんな姿勢で新しいことにチャレンジしてきた経験が、アニメーション制作という、多くのプロフェッショナルが集う現場でも生きているという松田さんの話は、やりたいことにチャレンジする人の背中を後押ししてくれるかもしれませんね。松田さん、お忙しい中お話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

興味や好奇心を満たせそうなアルバイトにチャレンジし、その職場や仕事を体験することは、将来の自分づくりにもつながっていくのかもしれませんね。

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