塾講師という仕事は、社会人に向けたインターンシップという言葉が一番合うと思う。

お仕事をする上で、大切にされていることはありますか?

山上さん:言う事は、言う、ということです。別に自分が疎まれようと嫌われようと何でも良くて、必要なことは言うようにしています。生徒には「合格したいんだったら、目の色変えてもらわないと担当できない」と発破をかけてあげないと受験に失敗して泣くことになるので、厳しいことだとわかっていても言うようにしていますし、後輩の講師に対しても「そんなんじゃ甘いよ」と言ったりします。教師になりたいっていう子も中にはいるので「その考えじゃだめだよ」っていうこともあるし、逆にできてたらほめることはもちろんあります。
こうしたことは前の自分にない視点だったんですが、このアルバイトを始めて身についた視点だと思いますね。

この仕事をしていてよかった、というエピソードはありますか?

山上さん:以前、ある生徒がいて。その子は、入ってきたときは自分のやりたいことを強くいえない子でした。勉強も苦手でしたし。実は、その子が本当にやりたかったことは、美容系の専門学校に入ることだったんですが、大学の付属校にいたので、保護者からは大学進学を強く勧められていました。そのため、自分のやりたいことをなかなか言い出せなかったんですね。
でも、だんだんテストで点が取れるようになってきて、自分に自信がついてきて。その結果、本当に自分のやりたいことを保護者に言えるようになったんです。
その後、晴れて専門学校に行くことになり、最後卒塾の手続きをしにその子のお父さまがいらした時、「ここの塾に入れてよかったです、ありがとうございました」と言われ、当時の室長と2人で感動したことを覚えています。
実は当時、自分が大きな失敗をした直後でもあったので、この出来事はより一層感慨深かったですね。当塾の理念を忠実に実践できた結果だと思っています。「勉強教えて合格させることが仕事」と思って入ってくる講師たちも多いので、どうやってそれを払拭させていくかということは今後の課題です。集団指導だとわからないところだと思うので、うちならではの大変さだと思いますね。

個別指導ならではの大変さ、とおっしゃいましたが、他にもこのお仕事ならではの
大変なところはありますか?

山上さん:22-23年しか生きていないという人生経験のない中で、子どもたちの指導にあたることです。
自分の視野も価値観もまだ狭いのに、その子の人生に大きな影響を与えてしまうところがあって。そう考えると自分のひとつひとつの行動をすごく考えなくちゃいけないのに、忙しくてなかなか考える時間を割けない講師もいて苦労しています。
僕も自分の視野から外れている子が過去にいて、大変だったことがありますね。そういう時は、社会人の先生や室長に相談しにいくようにしていますが、そこでは答えではなく、ヒントややり方を教えてくれるんです。
そうして、自分の悩みと格闘しながら向き合って考えていき、今ようやく先に進み始めたところかな、と思っています。
あとは、考えが甘い、現実をわかっていない生徒が多いことですね。14時~17時まで自習スペースにいるから平気でしょ、と思っている子もいたり。模試に行ったときに周りの高校生が休憩時間も勉強しているのを目の当たりにして焦る子が結構います。自分は既卒受験だったので、現役生の怖さも知っているつもりです。そういう子たちと戦うんだと思うと、生徒を思うがゆえに結構強く言ってしまっている部分もあるかもしれないですね。実体験を生徒たちに直接話して、危機感を持ってもらえるように工夫しています。

講師というお仕事をしていく上で、みんながつまづきやすい、
最初のハードルはどこにあると思いますか?

山上さん:カリキュラム作りですね。一回の授業はできるようになってきても、カリキュラム作りでみんなつまづくことが多いですね。カリキュラムは、生徒ひとりひとりに対して現状と目標を設定し、今の課題にどう取り組むことで目標達成に向けて改善していくのかということを、年3回の講習会の時期に決めます。カリキュラム作りの研修はあるんですが、基本的には各教室ごとに会得していくスタイルで、溝の口教室は特にチェックが厳しいですね。カリキュラムチェックは、チェックする側も大変ですね。チェックする人も自身の担当生徒分も作成しないといけないですし。
今回でいうと自分の分とあわせて5-60枚くらい見ることになるので、本当に大変です。このアルバイトは、社会科という言葉がぴったりだと思います。社会人に向けたインターンシップという言葉が一番合うんじゃないかと感じますね。

そんな中でも楽しみながら仕事をするポイントはどこにあると思いますか?

山上さん:勉強だけを教えるのではなく、生徒・室長・保護者・講師といろんな人とコミュニケーションをとることで自然と楽しくなると思います。飲食店などでは自然とコミュニケーションが生まれていくと思いますが、塾は自分から働きかけないとコミュニケーションが返ってこないので、楽しく仕事をしようと思うなら、自発的にコミュニケーションをとっていくことが一番です。
保護者に連絡するときは、家庭での状況を伺いながらコミュニケーションをとったり、その会話で得たことを、他の担当講師に伝えてこうしていこうとしていくことで、他の講師の動機付けにもなったりします。保護者との会話を元にカリキュラム変えたり、保護者と子どもの間に入って、問題を解消したりできるのは、個別指導ならではの良さだと思います。 成果ももちろんださないといけないけど、それがすべてではないと思います。

お話をしてくださったのは、株式会社東京個別指導学院の山上健一さん。大学4年間ずっと溝の口教室に
勤務され、15年4月から社員として様々な保護者・生徒さんの目標達成に向かって伴走している山上さん
に、このお仕事を始めたきっかけややりがいについて聞いてきました!(インタビュー時期:2014年9月)

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