会議や研修、セミナーなど、さまざまなビジネスシーンでオンライン化が進められるなか、最近では面接がオンラインで行われるというケースも増えています。
オンラインならではのメリットや対面での面接との違い、実際に面接を受ける際のポイントについて、見ていきましょう。
1. オンライン面接 内容
まずはオンライン面接の詳細と、対面面接との違いについて説明します。
そもそもオンライン面接ってどんなもの?
オンライン面接とは、インターネット回線を利用してビデオ通話で行われる面接のことです。通話には、Web会議ツールのほか、SNSアプリのメッセージ機能が使われるケースがあります。 面接を受けるためには、スマホかカメラ機能が搭載されたパソコンが必須。ただ、ほとんどのスマホやパソコンには、元から簡易的なマイク・スピーカー機能が内蔵されているので、問題ない場合が多いでしょう。もし、カメラ機能のないパソコンを使用する場合やよりスムーズに会話を進めたい場合は、別途マイク・スピーカーを購入してください。
対面での面接との違いは オンライン面接と対面面接の大きな違いは、次の2点です。
面接に使用する機器やツールの事前準備が必要
先述したように、オンライン面接にはスマートフォンやパソコン、カメラなどの準備が必要です。指定されたツールのダウンロードもしておきましょう。また、本番で「つながらない」「使い方が分からない」「通信が不安定で聞き取れない」といったトラブルが起きないように、あらかじめ使い方や音量、通信状況を確認しておくことも大切です。
面接場所が応募先の会社ではないこと
対面で面接する場合は、勤務先などの面接会場まで行くのが一般的です。しかし、オンライン面接はスマートフォンやパソコンなどのデバイスさえあればどこでも受けられます。 そのため、会場へ移動する時間と手間が省けて手軽に面接が受けられるというメリットがあります。ただその一方で、実際の職場の雰囲気を確認できないというデメリットも存在します。
2. オンライン面接 身だしなみ
オンライン面接を受ける場合の身だしなみは、対面面接と同様に清潔感に注意することが大切です。髪型や服装など、次のポイントには注意しましょう。
髪色や髪型はなるべくシンプルに
髪色の規定があるかどうかは職場によって異なりますが、一般的には派手すぎるヘアカラーは避けたほうが無難です。髪型は清潔感が出るようにスッキリと整え、長い場合はまとめたほうが良いでしょう。またオンラインでは表情が伝わりにくいため、前髪をあげた髪形や、顔周りに髪がかからない髪型などが適しており、相手に表情も見えやすくなります。
服装は清潔感のあるもの
自分の部屋でオンライン面接を受けるからといって、部屋着で挑むのはNG。基本的には清潔感のある服装を用意しておくのが安心です。オンライン面接では相手に上半身しか見えませんが、何かの拍子に映ってしまってはいけないので、清潔感の溢れた服装で、全身を整えて臨みましょう。ただし、アルバイトの場合はシャツにコットンパンツ、ブラウスに膝下丈のスカートといったオフィスカジュアルな服装でもOK。原色や派手な柄の入ったもの、背景と同系色のものは避け、モノトーンや紺、淡色などのシンプルな服装を心掛けましょう。もちろん、スーツやジャケットを着用するのもおすすめです。 オンライン面接では相手に上半身しか見えませんが、何かの拍子に映ってしまってはいけないので、トップスだけではなくボトムスも着替えて臨みましょう。
マスクの着用は必要?
コロナ禍の現在、人が集まる屋内ではマスクの着用が推奨されています。しかし、周囲に人がいない場所で行うオンライン面接なら、マスクは不要です。マスクを着けると声がこもって伝わりにくくなってしまう可能性があるので、着用せずに行いましょう。自宅やレンタルスペースの個室など、マスクを着けずに話しても周りに迷惑がかからない場所を選んで、面接に挑みましょう。
ピアスやネイル、髭はOK?
面接では清潔感が重視されるため、一般的にピアスやネイルはしないほうが良いでしょう。また、男性の場合は特に髭も剃っておくのがおすすめです。特に衛生管理が徹底して行われる飲食店では、誤ってネイルの欠片やピアスなどの異物が料理に混入した場合は営業停止になる可能性もあるため、スタッフの身だしなみに厳しい傾向があります。 一方で、ファッションセンスが問われるアパレル店やネイルショップなどでは服装やアクセサリーがアピールポイントになる可能性もあるので、シーンに合わせて対応することも大切です。
3. オンライン面接 事前準備
初めてオンライン面接を受ける場合、何に気をつけて準備すれば良いのか分からない人も多いはず。そのような人のために、事前準備のポイントをまとめました。
背景はどんなものが好ましい?
オンライン面接では背景にも注意が必要です。本人以外のものができるだけ映り込まないシンプルな場所、スッキリとした無地の壁やカーテンの前などを選び、生活感が感じられる背景は避けましょう。壁に貼っているポスターなどが写り込んでしまう場合は、事前に剥がしてから面接を行いましょう。バックにごちゃごちゃと物が映り込んでいると、気が散って話に集中してもらえない恐れがあります。 面接に使用するツールによっては、画面上で背景を変えられる「バーチャル背景」も存在します。しかし、バーチャル背景を使うとその分データ通信量が増え、通信が不安定になるリスクがあるので、使うのは避けたほうが良いでしょう。 また、部屋の明るさも確認しましょう。表情が明るく見え、椅子に座って胸から頭頂部までが収まるよう、カメラの位置も調整しておきましょう。
PCとスマホ、どちらが良い?
インターネット回線に有線接続できるのならばパソコンを使うほうがおすすめです。有線接続は4G回線やWi-Fiといった無線接続より安定して通信ができるため、スムーズに会話ができます。 もし、無線接続しかできない場合はどちらでもOKです。
面接場所は自宅以外でも良いのか
多くの人がいる場所では周囲の音が入り込んだり、Wi-Fiの通信が不安定になりやすかったりするため、オンライン面接は自宅で行うのがベストです。自宅が難しい場合は、ネット環境が整っているネットカフェの個室や学校の空き教室など、個室スペースが確保できる場所で受けることも可能です。
面接時に使用するツールを確認
先述したとおり、オンライン面接にはさまざまなツールやアプリが用いられます。基本的には企業から指定されたツールを使用することになるため、あらかじめどれを用いるのか確認しておいてください。必要な場合はダウンロードして、アカウントも作成します。普段から利用しているツールで面接を行う場合、アカウント名はニックネームではなく本名にし、写真も履歴書に使用している写真などビジネスにふさわしいものに変更しましょう。
通信トラブルに対応できるよう、企業の連絡先を手元に
オンライン面接では予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。「テレビ電話が繋がらない」「急に通信が切れた」など、トラブルが起こった際にすぐ先方に連絡できるよう、連絡先を準備しておくことも大切です。
4. オンライン面接 ポイント
開始何分前に入室しておくのが良いか
オンライン面接も対面面接と同様に遅刻は厳禁です。事前に通信環境を確認した上で、開始予定時間の5分前までには指定されたツールにログインしておきましょう。
面接時の話し方は?
ビデオ通話の場合、実際に会うよりも声が聞き取りづらくなってしまいがちです。そのため、自分の言葉がしっかりと相手に伝わるように、対面で話すよりゆっくりと大きめの声でハキハキ話すようにしましょう。面接官の方が話し終わったら、1~2拍ほど間を開けて話し始めるのがおすすめです。 ただ、オンラインではタイムラグが発生してしまうので、お互いの声が重なる可能性もあります。もし、声が被ってうまく聞き取れなかった場合は、ごまかしたりせず、正直に面接官に伝えましょう。
面接終了時はどのように通信を切断すれば良い?
面接終了後に退室する際は、自分から先に接続を切るのではなく、面接官側が退室するのを待ちましょう。ただし、しばらく時間が経っても相手が退室しない場合は、「失礼いたします」と一声かけて接続を切れば問題ありません。
5. オンライン面接 録画面接
オンライン面接には、「録画面接」という種類もあります。通常のオンライン面接とは何がどう違うのか説明します。
録画面接とは?
録画面接とは、応募者の録画した動画の回答を見て企業側が選考を行う面接方法です。質問内容は企業によってあらかじめ用意されます。オンタイムで会話を行う通常のオンライン面接とは異なります。
録画面接のメリット
録画面接の最大のメリットは、日時の縛りがないこと。応募者が時間のある時に録画すれば良いので、面接官と日程を調整する必要がなく、たとえ深夜や早朝でも取り組むことができます。 また、失敗したら撮影し直すことができるのも魅力。話すのが苦手な人や、緊張しやすい人でも、準備をしながら自分のペースで進められます。ただし、なかには撮り直し回数が制限されているケースや、取り直しNGなケースもあるようなので、事前に練習しておきましょう。
大まかな手順・企業からの連絡に続いて、録画面接の大まかな流れについて紹介します。
録画用のアプリをインストール
求人サイトや、企業の求人募集ページなどから希望するアルバイトに応募すると、録画面接の案内メールが届きます。その案内にしたがって、Webアプリのページに進むか、専用アプリをインストールします。
企業からの質問に回答する形で動画を録画して送付
アプリを開いたら、録画をスタートします。指定された質問内容に答える様子を動画に撮影しましょう。すべての質問に回答したら面接は終了です。録画したデータは企業へと送られるので、結果が届くのを待ちましょう。
6. オンライン面接に関する本記事のまとめ
オンラインを活用すれば、短時間で効率的に面接を行えます。更に、現地まで向かう交通費もかからないので、経済的にもありがたいですね。放課後にアルバイトを探したい学生や、子育ての合間にサクッと面接を済ませたい主婦(夫)の方にはぴったりでしょう。皆さんも、ぜひ一度オンライン面接にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
<監修者プロフィール>
株式会社SBMplus 代表取締役
キャリアカウンセリングスペシャリスト 鈴木 光代 氏
https://sbmplus.co.jp/
オンライン面接可能なお仕事