仕事を探しているとき、アルバイトでも派遣社員でもない、“期間工”という言葉を目にしたことはありませんか?
実はこの期間工、好条件で決まった期間だけ出勤する雇用形態のため、無駄なくがっつり稼ぎたい人から注目を集めている仕事なのです。
今回は、期間工として働くメリットに加え、アルバイトや派遣社員との違いなどについても解説します。
1.期間工とは
期間工とは、労働期間が決められている有期雇用の契約社員のこと。
一般的に「期間契約社員」や「期間従業員」などとも呼ばれています。
仕事内容
仕事内容としては、電子部品メーカーや自動車メーカーなどの製造業にて行われる、部品の組み立てや加工、検査、品質点検といったライン作業が中心。
これらの業務は特別な資格を必要としないため、未経験者や初心者でも始めやすいのが特徴です。
ただし、単純な作業が多い他、スピードと正確性が求められるため、集中力が重要となるでしょう。
期間工とアルバイトの違いとは?
アルバイトとの1番の違いは、勤務時間が拘束されることが挙げられます。
アルバイトであれば、自分の都合の良い曜日や時間から勤務時間を選ぶことができますが、期間工はあらかじめ決められた勤務時間を守らなければなりません。
ただし、責任がある分、社会保険や手当が充実しているといえます。
このような働き方は派遣社員にも近いものがありますが、派遣社員は企業と直接雇用契約を結んでいないため、給料や諸手当は、所属している派遣会社の規定に沿った内容になります。派遣社員の場合、派遣会社に仲介マージンをとられるため、期間工のほうが給料や手当面は好待遇であることが多いでしょう。
これらのことからも期間工は、アルバイトや派遣社員と同じ非正規雇用ですが、働き方や待遇は、どちらかといえば正社員に近いといえます。
契約期間に関する注意点
期間工をはじめとする有期雇用者は、労働基準法によって契約期間の満了から半年間は同じ職場で働けないというルールが定められているため、注意が必要です。
期間工の場合、最長35カ月(2年11カ月)までしか雇用契約を結ぶことができず、それ以降も期間工として同じ職場で働くためには、契約が終了した半年後に再雇用してもらう必要があるので、認識しておきましょう。
2.きついと言われる理由は?期間工のデメリット
ここからは、「期間工はきつい」と言われる理由について、大きく3つの要因から解説します。
労働環境から
労働環境からは以下3つが挙げられます。
夜勤がきつい
期間工は「交替勤務制」が多く、夜勤がある場合もあります。
夜勤での仕事が続くと、生活リズムの乱れなどから体調不良になりやすくなる可能性もあるため、きついといえるかもしれません。
残業がきつい
繁忙期や、納期が迫っている時などには、残業が発生する場合もあるでしょう。
就業時間が長くなると疲労もどんどん蓄積され、きついと感じやすくなるかもしれません。
単純作業がきつい
期間工の仕事は特別な資格や経験がなくても始められる分、単純作業が多い傾向にあります。
そのため、慣れてくると単調な作業を繰り返すことに飽きてきて、きついと感じる人もいるようです。
生活環境から
生活環境からは以下3つが挙げられます。
寮生活がきつい
期間工での仕事は、寮に住み込みで働くケースがほとんどです。
また、個室であることは少なく相部屋が多いことからも、プライベートな空間は確保しづらいかもしれません。
そのため、「一人の時間を作りたい」という人にとってはきついと感じることもあるでしょう。
人間関係がきつい
期間工の場合、職場から居住空間に至るまでほとんど同じメンバーで過ごすことになります。場合によっては、「職場でトラブルがあった人と寮でも会わなければいけない」といったこともあるでしょう。
そのため、人間関係のトラブルに悩まされるときついかもしれません。
収入が安定しなくてきつい
前述のとおり、期間工は契約期間が決まっています。
契約が終了するたびに収入が途絶えるリスクがあるため、収入が安定しないことが精神的にきついと感じる人もいるでしょう。
体力や健康面から
体力や健康面からは以下3つが挙げられます。
肉体労働がきつい
長時間の立ち仕事や、重いものを運ぶ作業などによって、体力的な負担がかかることもあるでしょう。
仕事をしていくうちに慣れていくものですが、始めたばかりの頃はきついと感じることもあるかもしれません。
臭いがきつい
仕事中に発生する薬品や油、煙などの臭いがきついと感じる人もいます。
マスクなどで対策しても臭いがきつく、仕事を続けることが難しい場合は、すみやかに職場の管理者に相談しましょう。
夏場の暑さと冬場の寒さがきつい
空調設備が整っていない工場の場合、夏場の暑さや冬場の寒さによる体への負担が増え、きついと感じることもあるようです。
3.期間工として働くメリット
様々な要因からきついといわれている期間工でしたが、働くメリットもあります。以下を見てみましょう。
給料や福利厚生が好待遇
企業と直接雇用契約を結び、勤務時間や期間が拘束される期間工は、正規従業員と同等の給料や手当が受けられます。
残業手当などの諸待遇を含めると、月に30万円以上も稼げるものも多く、フルタイムのアルバイトとして働くよりも格段に高収入といえるでしょう。
また、健康保険や雇用保険も適用される他、企業によっては厚生年金に加入できるケースもあるため、福利厚生も充実しているといえます。
住み込みで働ける
デメリットでも触れましたが、住み込みで働ける、見方によってはメリットともいえるでしょう。
寮費や光熱費は格安で、双方合わせて1カ月あたり数千円から1万円程度であり、企業によっては無料という場合もあります。
食事に関しても、食堂を併設しているところも多く、栄養バランスの良い食事を取りつつ食費を節約することも可能です。「なるべくお金を使いたくない」や「健康面を意識した食事をしたい」などと考えている人にとっては、特に魅力に感じるでしょう。
有期雇用契約ならではの手当や保障が受けられる
期間工は契約の期間が決まっているため、契約満了後の生活が心配という人もいるようです。
ただし、契約満了まで働けば「満了金」と呼ばれる手当金が数十万から100万円程度支給されることもあります。その場合に生活の心配がなく、今後の身の振り方を考えることができるでしょう。
また、雇用保険の被保険者期間といった要件を満たしていれば、期間工も失業保険も受けられます。
本来失業保険は、自己都合による退職の場合、次の仕事が見つかっていないとしても、退職から3カ月が経過するまでは給付を受けられません(※)。
しかし、契約満了で退職した場合は会社都合にあたるため、ハローワークへ届け出てから7日後には失業保険を受給できるという仕組みのです。
(※)令和2年5月1日以降、新型コロナウイルス感染症の影響によって自己退職した方は「特定理由離職者」とし、求職者給付の給付制限がなくなり、所定給付日数が手厚くなる可能性があります。
詳細は厚生労働省、各都道府県労働局のホームページから、最新の情報をご確認ください。
出典:東京労働局ホームページ(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00577.html)
4.まとめ
期間工は、正社員並みの好待遇を受けながら生活費も節約でき、契約終了後も手当金が支給されるなど、好条件で働けます。
一方で、労働時間が拘束されてしまうということからも、「好きな時間で働きたい」などという人にとっては、アルバイトの方が働く上でのメリットは大きいでしょう。
マイナビバイトでは、シフトが自由な求人を多数掲載しています。興味がある人はぜひ探してみてください。