バイト先でクレームが起きた際、焦ってしまうのは誰しも同じ。だからこそ、万が一に備えた事前準備が大切です。本記事では、バイト先でのクレーム発生時における流れや対処法、やってはいけないNG行動など解説します。自身の職場でクレームが発生したケースを想定しながら見てみてください。
1.クレームが発生した場合の基本的な流れ
バイト先でクレームが発生した場合は、基本的に以下の流れで対処します。順番に見ていきましょう。
(1)丁寧に謝罪する
お客さまから寄せられるクレームの多くは、お店側の落ち度である場合がほとんど。「自分が悪いわけじゃないのに」と思うこともあるかもしれませんが、同じお店で働くスタッフとして言い訳せずにすぐ謝罪することが大切です。
(2)お客さまの話を最後まで聞く
お客さまがクレームを申し立てる時は何らかの不満や困りごとを抱えていますが、その理由は多岐に渡ります。一方的に話を遮ったり、途中で言い訳を挟んだりせず、最後までしっかり聞いたうえで状況把握に努めましょう。
ただし、ヒアリングの際「どのようなクレームですか?」などクレームという言葉を口に出すのはNGです。
(3)可能であればすぐ対応する
原因が判明したら、できるだけ素早い対応が求められます。「注文ミスならすぐに正しい商品を再提供」「会計が誤っていたなら迅速に精算し直す」など、すぐに対応できるケースはスピードが命です。
また、対応後は「なぜそのようなことが起こったのか」をお客さまに説明しましょう。原因がはっきりし、誰のまたは店とお客さまのどちらの落ち度や勘違いなのかが分かれば、お客さまも納得してくれるはず。お客さまが帰られる際には、二度と同じ過ちを繰り返さないことを伝え、あらためて謝罪することも大切です。
(4)対応できない内容は上司に報告
なかにはアルバイトでは解決できないクレームもあります。自分の権限を超えたり、店舗全体に関わるようなクレームであれば、上司や店長にすぐ相談してください。早めに責任者から判断を仰ぐことで、被害を最小限にできる可能性があります。
また、仮にアルバイトで対応できる場合でも、必ずお客さまの名前と連絡先を聞き、責任者に報告しましょう。
2.バイト先でよくあるクレームと謝罪の例文
続いて、バイト先で起こりがちなクレームの具体例と対応時の例文を紹介します。
オーダーミス・会計ミス
オーダーの取り間違いや会計の金額間違いなどは、クレームのなかでも頻度が高いケースです。まずはミスを認めて謝罪し、速やかに正しい商品や金額を提示するなど、誠意ある対応を心掛けましょう。
【オーダーミスへの対応例文】
「このたびはご注文内容にミスがあり、大変申し訳ございませんでした。」
「ご注文いただいたのは〇〇で間違いないでしょうか?」
「すぐに正しい料理をお持ちいたします。お待たせして申し訳ございません。」
【会計ミスへの対応例文】
「このたびはお会計金額に誤りがあり、大変申し訳ございませんでした。」
「ただちにお会計の内容を再確認させていただきます。」
「お待たせして申し訳ございません。こちらが訂正後のレシートでございます。」
提供が遅い・待ち時間への不満
忙しい時間帯はどうしても提供が遅れやすくなり、呼び出しに気づかない、オーダーを忘れてしまうなどの理由で余計に時間がかかるケースもあります。遅れが判明した段階ですぐおわびし、可能な限り早急に提供する姿勢を見せましょう。
【提供が遅れたことへの対応例文】
「このたびは料理の提供が遅れており、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。」
「すぐに料理をお持ちいたしますので、もう少々お待ちいただけますでしょうか。」
「お待たせいたしました。こちらが〇〇になります。ご提供が遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。」
店員の接客態度への不満
接客スタッフの態度や言葉遣いがクレームにつながることもあるでしょう。一度そうした印象を与えてしまうと、会社全体への評価にも影響する可能性があります。いま一度自身の言動や勤務態度を見直してみても良いかもしれません。
【接客態度が悪いことへの対応例文】
「このたびは私どもの接客態度によりご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。」
「すぐに料理をお持ちいたしますので、もう少々お待ちいただけますでしょうか。」
「お待たせいたしました。こちらが〇〇になります。ご提供が遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。」
異物混入・衛生面に関する不満
異物混入や衛生トラブルは、最も深刻なクレームの一つであり、店舗のイメージを大きく損なう恐れがあります。クレームを受けた場合は迅速な謝罪と原因究明、今後の対策の明示が欠かせないため、事前に職場でのルールをしっかり理解しておきましょう。
【異物混入への対応例文】
「このたびはご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。おけがや体調不良はございませんでしょうか。」
「すぐに新しい料理を持って参りますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
「今後このようなことがないよう、衛生管理を徹底し、スタッフ全員で再発防止に努めます。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
3.クレーム対応で心掛けること
【クレーム対応で心掛けること】
- お客さまの不満を真摯に受け止める
- 感情的にならず、冷静に対応する
- 問題点を明確にする
- 迅速かつ適切な解決策を提示する
クレーム対応の基本は、相手を尊重し誠意を持って対応することです。自分が悪くなくても、まずは「ご不快な思いをさせてしまって申し訳ありません」と素直に伝えることで、相手の感情を落ち着かせるきっかけを作れます。
その上で、問題点を正確に把握し、どこに原因があるのかを明確にしてから解決策を提案することが大切です。
4.クレーム対応でやってはいけないNG行動
【クレーム対応時のNG行動】
- 一度も謝罪しない
- 対応を後回しにする
- 反論したり、相手を否定したりする
- 過剰な要求に応える
反対に、クレーム対応でやってはいけない典型例としては、「言い訳をする」「責任転嫁をして逃れようとする」などが挙げられます。対応を後回しにしたりするのはもちろん、感情的になって相手を批判したり、逆ギレしたりする行為も控えましょう。
また、自分側に落ち度があるからといって相手の過剰な要求に応えるのもNGです。場合によっては相手の要求がどんどん大きくなり、本来応じる必要のない要求まで突きつけられる可能性があります。どこまで応じるべきか分からない場合は、すぐに上長や責任者に代わってもらいましょう。
5.バイト先でのクレーム対応に関するよくある質問
最後に、バイト先でのクレーム対応に関するよくある質問について回答します。
Q.電話でクレームが寄せられた場合の対処法は?
【電話によるクレームの対応手順】
- (1)丁寧に謝罪する
- (2)相手の主張や要望をメモする
- (3)事実を確認する
- (4)対応策を伝え、あらためて謝罪する
電話でのクレームは相手の表情が見えない分、一層誠意を持って対応しましょう。まずは謝罪と状況の把握に努めつつ、事実を確認したうえで対応策を伝え、再度おわびをするのが基本的な流れです。相手の主張や要望を聞き逃さないよう、メモを取りながら話すことで、相手に「しっかり受け止めている」印象を与えられるでしょう。
Q.理不尽なクレームにはどう向き合うべき?
相手の不当な要求については、きっぱり断ることが大切です。もちろん、アルバイトがすべての責任を負う必要はないため、自分で判断しにくい場合はすぐに責任者に代わってもらいましょう。
6.丁寧に誠意を込めて対応しよう
怒鳴られたり、すぐに席を立って帰られたりと、クレームにはいろいろなケースがあります。しかし、どんな場合でも誠意を持って真摯に対応することが大切です。本記事で紹介したクレーム対応のポイントやバイト先のルールを事前に確認して、毅然とした対応ができるよう準備しておきましょう。