「ほかのアルバイトで採用が決まった」といった理由で面接を辞退する際には、社会人としてのマナーを守り、失礼のないよう連絡することが大切です。面接を辞退するときの注意点や電話・メールで伝える例文を紹介するので参考にしてみてください。
1.面接前に辞退する際の例文
ここからは、アルバイトの面接前に辞退する際の例文を、2つのケース別に紹介します。
自己都合で辞退する場合
転勤による引っ越しや家族の病気など自己都合で、急遽アルバイトの面接を辞退せざるを得なくなった場合は、「一身上の都合」「家庭の事情」などと伝えるにとどめ詳細を伝えなくても問題ありません。
【電話でのトーク例】
お忙しいところ恐れ入ります。
○月○日○時にアルバイトの面接をお願いしていました〇〇です。
面接担当者の方はいらっしゃいますか?(面接担当者に代わったら)
○月○日○時にアルバイトの面接をお願いしていました〇〇です。
このたびは面接日を調整してくださり、ありがとうございました。
大変申し訳ありませんが、一身上の都合で今回の面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しい中、貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず申し訳ございません。
【メール例文】
自己都合で辞退する際に電話が難しい場合はメールで伝えるケースもあります。形として残るため、文面で失礼のないよう注意しましょう。
件名:アルバイト面接辞退のご連絡(自分の名前)
本文: 株式会社 採用ご担当 〇〇様お世話になっております。
○月○日○時にアルバイト面接のお約束をいただいております〇〇です。
このたびはご多用のところ、面接日をご調整いただき誠にありがとうございました。大変恐縮ではありますが、一身上の都合により面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、大変身勝手なご連絡をして申し訳ございません。
恐れ入りますが、ご理解、ご了承を賜りますようお願い申し上げます。(自分の名前)
電話番号
メールアドレス
他企業で採用が決まり辞退する場合
別の企業で採用が決まったため面接を辞退したい場合は、正直に他企業での採用が決まったことを伝えても問題ありません。
【電話でのトーク例】
お忙しいところ恐れ入ります。
○月○日○時にアルバイトの面接をお願いしていました〇〇です。
面接担当者の方はいらっしゃいますか?(面接担当者に代わったら)
○月○日○時にアルバイトの面接をお願いしていました〇〇です。
このたびは面接日を調整してくださり、ありがとうございました。
大変申し訳ないのですが、他のアルバイト先で採用が決まりましたので、面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しい中、貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず申し訳ございません。
他企業で採用が決まり、辞退の意向をメールで伝える場合にも、感謝とおわびが伝わるよう丁寧な文章を心掛けましょう。
【メール例文】
件名:アルバイト面接辞退のご連絡(自分の名前)
本文: 株式会社 採用ご担当 〇〇様お世話になっております。
○月○日○時にアルバイト面接のお約束をいただいております〇〇です。
ご多用のところ、面接日をご調整いただき誠にありがとうございました。大変恐縮ではありますが、このたび他のアルバイト先で採用をいただき、熟慮した結果、その企業でお世話になることにいたしました。そのため、貴社の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、大変身勝手なご連絡をして申し訳ございません。
恐れ入りますが、ご理解、ご了承を賜りますようお願い申し上げます。(自分の名前)
電話番号
メールアドレス
2.面接後に辞退する際の例文
続いて、アルバイトの面接後に辞退する際の伝え方を2パターンに分けて解説します。
合否の連絡前に辞退する場合
合否の連絡前に辞退する際は、面接をしてもらったことへの感謝を述べてから辞退の旨を伝えましょう。
【電話でのトーク例】
「お世話になっております。先日面接をしていただいた〇〇と申します。
お忙しいところ申し訳ありませんが、〇〇様(ご担当者様)はいらっしゃいますか?(面接担当者に変わったら)
◯月◯日に面接をしていただいた〇〇と申します。先日は面接のお時間をいただきありがとうございました。誠に申し訳ありませんが、他のアルバイト先で採用が決まったため、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、こちらの勝手な都合で申し訳ありません。」
【メール例文】
件名:アルバイト選考辞退のご連絡:名前
本文:株式会社〇〇 面接担当者様お世話になっております。
◯月◯日に面接をしていただいた〇〇と申します。
先日は面接のお時間をいただきありがとうございました。誠に申し訳ありませんが、他のアルバイト先で採用が決まったため、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、こちらの勝手な都合で申し訳ありません。何卒ご理解いただけますと幸いです。
(自分の名前)
電話番号
メールアドレス
採用連絡後に辞退する場合
採用連絡が来たあとに辞退する場合は、採用後にもかかわらず辞退することを謝罪しましょう。
【電話でのトーク例】
「お世話になっております。先日採用のご連絡をいただいた〇〇と申します。
お忙しいところ申し訳ありませんが、〇〇様(ご担当者様)はいらっしゃいますか?(面接担当者に変わったら)
先日採用のご連絡をいただいた〇〇と申します。採用のご連絡をいただいたあとで誠に申し訳ありませんが、他のアルバイト先で採用が決まったため、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、こちらの勝手な都合で申し訳ありません。」
【メール例文】
件名:アルバイト選考辞退のご連絡:名前
本文:株式会社〇〇 面接担当者様お世話になっております。
先日採用のご連絡をいただいた〇〇と申します。誠に申し訳ありませんが、他のアルバイト先で採用が決まったため、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。
採用のご連絡をいただいたにもかかわらず、こちらの勝手な都合で辞退をお伝えすることになり誠に申し訳ありません。何卒ご理解いただけますと幸いです。
(自分の名前)
電話番号
メールアドレス
3.アルバイトの面接を辞退する際のマナー
まずは、アルバイトの面接を辞退する際に気を付けたいマナーを5つ紹介します。
(1)面接の辞退が決まったらすぐに伝える
アルバイト面接の辞退を決めたら、すぐに応募先に辞退の意向を伝えましょう。面接辞退者が出れば、ほかの面接者の中から条件に合う人材を採用したり、より優秀な人材を採用できるように再度アルバイトの募集をかけたりする必要があります。
辞退の連絡が早いほど応募先は次の行動に移せるので、なるべく迷惑をかけないためにも辞退を決めたら速やかに連絡し、面接日を設けてくれた応募先への感謝とおわびを丁寧に伝えましょう。
(2)辞退連絡は電話でするのが基本
辞退の連絡は、基本的にメールよりも電話で行うほうが失礼がありません。面接日の前日や当日などに急遽辞退することが決まった場合も応募先に迷惑がかかるため、電話で伝えたいところです。
電話をする場合は、応募先の営業時間内に確実に行ってください。営業時間外では、電話がつながらず辞退する旨を伝えられないケースが考えられます。
(3)面接日まで余裕があればメールでもOK
面接日よりも3日以上前に面接の辞退を決めた場合は、メールやメッセージなどで辞退の連絡をしても問題ありません。ただし、応募先との連絡手段がこれまで電話だった場合には、メールではなく電話で伝えるのがベストでしょう。
メールやメッセージでの連絡だとしても、必ず応募先の営業時間内に連絡するようにしてください。
(4)無断で辞退するのは社会人としてNG
いつまでも辞退する旨を連絡せずに放置していたり、面接日に無断欠席したりするのはNGです。
応募先の面接担当者は、自分の仕事を調整して面接の時間を確保してくれています。無断で辞退することは応募先の仕事にも影響を及ぼし、多大な迷惑をかけることになるため、辞退することが決まったら必ずすぐに連絡しましょう。
(5)一度辞退した企業への再応募は難しい
一度面接を辞退した企業への再応募は難しいと認識しておいたほうがいいでしょう。再応募してはいけないというルールはありませんが、「ほかで断られたからまた応募してきたのか」「他企業で採用が決まったはずなのにもう辞めたのか」などと推測され、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。
ただし、転勤や介護など家庭の事情、災害や公共交通機関の乱れなどやむを得ない理由があって辞退する場合は再応募も可能です。
4.面接担当者に辞退理由を聞かれたら?
アルバイト面接の辞退理由を聞かれた場合に備え、以下のポイントを意識しておくと安心です。
基本的には“一身上の都合”で問題ない
辞退理由を伝える際は、基本的に一身上の都合と答えて問題ありません。採用担当者から聞かれない限り、自分から辞退理由を詳細に話す必要はないので、辞退の連絡をするにあたって必要以上に身構えなくていいでしょう。
万が一、詳細な辞退理由を聞かれたとしても、「他の応募先より時給が低かった」「職場の雰囲気を見て自分には合わないと思った」など応募先の企業に関する辞退理由は伝えないのがマナーです。
他企業で採用が決まったことも伝えてOK
他の企業で採用が決まったことを伝えるのは問題ありません。応募先としては、面接希望者が複数の企業の面接を受けていることは承知の場合も多いため、一定数の辞退者が出ることは想定内です。 率直に辞退理由を告げましょう。
やむを得ない理由を伝えれば再応募できる可能性もある
引っ越しや介護など家庭の事情といったやむを得ない理由がある場合は、一度辞退しても再応募できる可能性があります。そのため、一身上の都合とせず具体的な辞退理由を話すようにしましょう。
再応募の際には、一度目の面接辞退の連絡時と再応募時の話の内容が異なっていると疑われるので、あらためて正直に辞退した経緯を具体的に話すことが重要です。
5.面接の辞退に関するよくある質問
最後に、アルバイト面接の辞退に関するよくある質問について解説します。
Q.辞退の電話をしたけど担当者が不在だった場合はどうすればいい?
採用担当者が不在だった場合は、電話に出ていただいた人に「○○様は何時頃お戻りになられますか?」と聞いて、その時間に電話をかけ直して辞退の旨を伝えましょう。
もし採用担当者のメールアドレスが分かっている場合は、電話をかけ直す前に、面接を辞退する旨のメールを一度送っておくと安心です。
Q.担当者から辞退しないよう強く引き止められた場合はどうすればいい?
自分が納得できる条件であれば、引き続き面接を受けたり、採用を承諾したりしても構いません。ただし、自分が納得できない条件であったり、やむを得ない辞退理由があったりする場合は、はっきりと断るべきです。
Q.辞退のメールを送ったけど返信がない場合はどうすればいい?
辞退のメールを送ってから2~3日待って返信がない場合は、再度メールを送ってみましょう。また、面接前日までに返信がない場合はメールではなく、電話で連絡を入れることをおすすめします。
6.面接を辞退する際は最低限のマナーを守ろう
アルバイト面接を辞退する際は、どんな理由であれ都合をつけてくれた応募先への感謝とおわびの気持ちは必ず伝えましょう。辞退を決めたらすぐに、可能な限り電話で連絡するのがマナーです。