第7回となる履歴書添削講座、今回も採用担当者と直接やりとりのあるマイナビバイトのアドバイザーが、会員の皆さまの履歴書を添削を実施しました。今回はバイトの志望動機が「ない」「思いつかない」人向けに、アルバイトをする目的別に志望動機の回答例を紹介します。目的ごとにいくつか職種を挙げながら解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.「隙間時間にサクッと働きたい人向け」志望動機・自己PR
隙間時間にサクッと稼ぐことができるのもアルバイトの魅力的なポイントの一つです。ここでは隙間時間に働ける人気の職種3選の志望動機の回答例を紹介していきます。
シール貼り
シール貼りのバイトを時間に余裕があるので始めたい!と思う人も多いと思いますが、ご自身がどのような状況で、どのようなスキルや経験があって始めたいのか、具体的に述べることが大切です。
修正例
平日の午後は時間に余裕があり、時間の有効活用をしたくアルバイトを始めたいと思いました。また、手先を使う作業が得意なため、得意を活かして働くことができると思い志望いたしました。
「色んなお仕事を経験してみたいです」からお仕事への興味や意欲は伝わりますが、根拠がないため「本当かな?」と採用担当者に思わせてしまうかもしれません。過去の経験やエピソードを加えるとより具体的になり良いでしょう。
修正例
<長所を効率性と仮定して……>
私の長所は、効率性を考えて物事を進められることです。普段から家事をする際も、手順を考えたりなるべく無駄を省けるよう考えながら行っています。勤務時間内にきちんと与えられた業務をこなし、丁寧な作業ができると思います。
データ入力
志望動機は、応募した仕事に対しての意欲をアピールする項目でもあります。「隙間時間にやりたい」だけだと企業側からすれば、ウチじゃなくてもいいのではないかという印象を持たれてしまうかもしれません。なぜ、数ある求人の中からこの仕事を選んだのかをもっと具体的に記載いただくと良いでしょう。
修正例
ぜひ以下のポイントを織り込んでみてください!
・隙間時間にやりたい明確な理由
・数ある求人の中でもこの企業を選んだ理由
・応募した企業であれば何が実現できるのか
- 「隙間時間に働きたい」といったアルバイトの目的と応募した企業との接点は何かを考えよう
なぜタイピングが好きなら長く続ける事ができるのかを具体的に記載いただけると伝わりやすいかもしれません。また、どのくらいタイピングができるのかも記載をするとより良くなります。
修正例
私は日常的にパソコンを使用する事が多いです。また、パソコンを使って文章を書いたりすることも好きです。
タッチタイピングもできますので、文字を打つスピードには自信を持っています。パソコンを使用してデータ入力を行う仕事は私が得意な事を最大限活かせる仕事だと思いますので長く勤務できると思います。
スマホアンケート回答
どのような背景からアンケート回答に興味をもっているのかを詳しく記載するようにしましょう。そうすることによって、より説得力のある文章になります。
修正例
日々変化する社会の中、企業がどのようなアンケートを取っているのかに興味を持ちました。また、自分の回答が社会にとって少しでも有益なものになればと思い、応募いたしました。
これは志望動機のような気がします。やってみたいという意欲は伝わりますが、なぜ空いた時間にできる仕事がいいのかを明確にして志望動機に記載すると良いです。
- 自己PRは仕事内容に触れつつ、自分の強み(+意欲)を伝えるように意識する
2.「単発・短期で働きたい人向け」志望動機・自己PR
週末や短期休みの時間をうまく活用して稼ぎたい人も多いはず。ここでは主に考えられる単発・短期で応募可能な職種を通し、志望動機の例を紹介していきます。
軽作業
短期のお仕事の中でも「なぜこの企業・このお仕事なのか」が分かるように記載しましょう!また、短期とはどのぐらいの期間を指しますか?具体的な期間を明記し、その期間はしっかりシフトに入れる点を書くと良いです。
修正例
コツコツと作業することが得意で、過去にも同じような業務内容での経験があったため応募いたしました。今回は1カ月間という短期間ではありますが、契約期間内でシフトへの貢献もできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
どんなお仕事でも「一生懸命」はとても大事な要素です。どのような理由からあなたは「一生懸命」できるのか具体的に記載しつつ、「この人なら大丈夫だ!」と採用担当者に思ってもらえるようなエピソードも入れて記載しましょう。
修正例
一度決めたことに責任をもって最後までやり遂げることが私の長所です。過去に、〇〇を▲年間続けた経験があります。限られた期間にはなりますが、コツコツ真面目に取り組めると思いますので、よろしくお願いいたします。
- 「一生懸命できる」を伝えたい場合「どのような理由からそう言えるのか」まで掘り下げよう
イベントスタッフ
応募した企業で働く事でどんなスキルアップをしたいのかを具体的に記載するとより良くなります。そのうえで、なぜイベントスタッフの仕事が自分の求めるスキルアップにつながるのかも記載していただくと良いでしょう。
修正例
転職をするまでに、多くの人と連携して仕事を成し遂げるスキルを身に着けたいと考えていました。イベントスタッフはお客さまの誘導や設営など常に臨機応変な対応が求められる他、メンバー同士で協力しながら仕事を遂行していく必要があると思います。その為、自分が求めるスキルを身に着けるのにピッタリな仕事だと思いました。プライベートでも色んなイベントに参加する事もあり、自分自身も楽しみながら仕事をできると思い応募しました。
「1日立ちっぱなし、動き回り、周りをみて行動する仕事」の部分は、具体的にはどんな仕事をしていたのかを記載してみてください。体力・適応力に自信があるとの事ですので、前の職場でその能力が活かされたエピソードなども記載してもいいかもしれません。
修正例
※前職が軽作業の仕事だった場合
前職では、1日中荷物を運んだり体を動かす事が多い職場でした。また、急なトラブルがあり早急な対応が求められる場面でも落ち着いて対処する事もできます。体を動かす事と急な対応を求められる仕事でしたので、体力と適応力には自信を持っています。前職で身に付いた私の強みを最大限活かすことができると思います。
- 自己PRには具体的なエピソードを織り込み、オリジナリティを出そう
試験監督
扶養内勤務はどうしても条件が先行してしまうため、お仕事内容に少し言及したり、数ある職種の中でなぜその職種を選んだのかが伝えられると良いでしょう。
修正例
扶養内勤務で働きたいと考えていた中で、試験監督のお仕事は多くの人々の未来に関わり、社会に貢献できるお仕事だと感じています。受験生が安心して試験に臨めるよう努力いたしますので、よろしくお願いいたします。
なぜ落ち着いて勤務することができるのかをエピソードを交えて書いていただけると、より伝わりやすくなるかもしれません。
修正例
初めての経験にはなりますが、昔から集中力や柔軟性などがあり、1つのことに対してミスなく進めることが得意なので、落ち着いて勤務することができると思います。
3.「食に関わりたい人向け」志望動機・自己PR
バイトが初めての人にも人気の「飲食・フード」バイト。主な仕事内容として挙げられる「ホール」と「キッチン」それぞれの志望動機例を紹介しますので、参考にしてみてください。
飲食・フード(ホール)
アルバイトをしようと思った背景が伝わり良い文章です。プラスαでたくさんあるホールのお仕事の中から、どうしてこのお店で働きたいと思ったのかを記載できるとより説得力のある志望動機になるでしょう。
修正例
大学生になり親の仕送りに頼りきりになるのではなく、自分で生活費や娯楽費を稼ぎたく、アルバイトをしたいと思いました。また、以前貴店を利用させていただいた際に気持ちのいい接客を受けた経験があり、私も一緒に働きたいと思うようになり、応募させていただきました。
- 他ではなく、なぜこの企業を応募したのかを伝えることが大切
料理が趣味で飲食店へ応募したという関連性があって良いです。ただ「料理が趣味」=「ホールに活かせる」とはならないので、「どうして」活かせるのか自身の強みも交えて記載できると良いでしょう。
修正例
料理をすることが趣味で、普段から段取りや効率を考えながら料理をしています。そのため、ホールのお仕事でもキッチンの方と連携し、先を見据えた行動ができると思います。
飲食・フード(キッチン)
自分の目標に向けて応募した事が伝わり良いです。プラスαで、自分のお店を出店する為になぜ、この企業に応募したのかを具体的に記載してみてください。
修正例
私は将来、自分でお店を出店したいと考えています。貴社はお店の雰囲気も良く、店員さんもいつも笑顔で仕事に取り組んでいる印象があります。私が将来出店したいお店のイメージに最も近い為応募いたしました。
オーナー目線のサービスがどんなサービスになるのか具体的に記載すると良いかもしれません。応募している企業が求めている人材とリンクさせて記載してみましょう。また「生年月日だけで判断しないで是非」の部分について、まだ企業側がその項目だけで判断しているとは限りませんので、表現方法を変えてみると良いです。
修正例
過去にカフェを経営していた経験があり、当時はお客さまの目線に立った接客を常に心掛けていました。コーヒー・スイーツ・パン作りが好きで、貴社の業務でも活かせる場面があると思います。お客さまを接客する際は常に元気でいる事を心掛けていますので、健康にも気を遣っており体力には自信があります。今までの経験と私が得意な事を活かして貴社に貢献できると思います。
4.「スキルを身に着けけたい人向け」志望動機・自己PR
バイトを通しスキルを身に着け、その後のキャリアアップや将来の夢に活かしたい人も居ると思います。ここではスキルを身に着けられる主な3職種の志望動機の例を紹介します。
一般事務
購買事務の内容をもう少し具体的に記載すると良いです。また、「少しだけ」というとお互い不安な気持ちになるため、「挑戦したい」のようなポジティブな言い換えにしてみてください。
修正例
過去〇〇で働いた経験(〇〇での業務経験)があるので、今回のお仕事に挑戦したく志望しました。
- 「少しだけ」といった消極的な表現は避け、簡潔で前向きな文章を意識しましょう
今までの「経験」「勉学」「様々な職務」などすべてが抽象的です。応募先の仕事内容と照らしあわせ、自分の経験や活かせることを具体的に書くことを意識してみてください!
修正例
※抑えていただきたいポイント
・どんな行動を積極的にしてきたのか
・どんな努力をしてきたのか
・どんな経験があり、どんな場面で活かせるのか
(=応募先のお仕事とのリンクさせる)
介護職
志望動機とは、応募した企業でなぜ働きたいのかを伝える項目です。勤務希望を伝えることも大切ですが、採用担当者があなたを採用したいと思う内容を意識しましょう!
修正例
普段から誰かのために何かをすることが好きで、介護職に興味を持っていました。今回アルバイトを探していたところ、募集条件が合い、自宅からも通いやすく長く続けられそうだと思い志望いたしました。
「施設介護を目指していた」とのことですが、現場での経験や資格はありますでしょうか?あるのであれば是非記載しましょう!また、未経験であればどうして施設介護を目指していたのかや、「覚えたい」という積極的な姿勢をアピールできるエピソードも書くと良いです。
修正例
介護現場での勤務は未経験ではありますが、今まで培ってきた経験やホスピタリティを活かし、貢献していきたいと思っております。また、どんなことでも苦手意識を持たず、自身の強みである積極性を活かして何事も前向きに取り組んでいきます。
- 未経験の職種でも積極的な姿勢をアピールすることが大切
コールセンター
志望動機は、応募した仕事に対しての意欲をアピールする項目でもあります。
「勤務条件」を伝える事は大切ですが、企業側からすれば、ウチじゃなくてもいいのではないかという印象を持たれてしまうかもしれません。なぜ、数ある求人の中からこの仕事を選んだのかを勤務条件以外でもっと具体的に記載いただくと良いでしょう。もし、勤務条件で選んだとする場合は、その勤務条件で働きたい理由も記載することをおすすめします。
修正例
人と会話することが好きで、人と関わるお仕事に興味を持っていました。コールセンターの仕事は過去に経験もあり、私の希望する条件にも当てはまっていました。長期的に勤務することもできると思いましたので応募いたしました。
コールセンターで働いていた時にどんな経験をして、何が身に付いたのかを記載すると伝わりやすくなります。身に付いたスキルが応募した企業にどう貢献できるのかもセットで記載してみてください。また、身に付いたスキルが活かされた経験も記載すればイメージしやすくなると思います。
修正例
コールセンターでの勤務経験があり、その際に言葉使いやビジネスマナーを学びました。実際に対応したお客さまから〇〇さんは話しやすいと褒められた事もあります。接客する際は、常にお客さまの話に耳を傾け、お客さまのニーズに合った回答を心掛けていました。お客さまを第一に考える姿勢と、丁寧な言葉使いを活かし、お客さまに心地良いと思っていただける接客ができると思います。
5.まとめ
バイトの志望動機が「ない」「思いつかない」といった場合でも、「なぜ応募しようと思ったのか」、「他ではなくなぜその企業が良いのか」といった「なぜ」を念頭に丁寧にひも解いてみると、伝えたいことが見えてくると思います。また自己PRでは具体的な経験談やエピソードを織り込み、オリジナリティのある文章を意識してみてください。採用担当の立場になって読んだらどう感じるかも意識しながら書きましょう!