「ぼくらの未来に、近道を。」をミッションに、マイナビバイトと日本テレビがZ 世代向けに立ち上げた共創プロジェクト、Zエンタメアカデミー。
https://baito.mynavi.jp/contents/academy/
Zエンタメアカデミー第一弾「人気TikTokクリエイターのアシスタント体験」でコラボした日本テレビ『ZSTUDIO ひまつぶ荘』。ひまつぶ荘は、Z世代を中心とする次世代クリエイターたちが自由にアイデアを出し合って、テレビの枠を超えた新しいコンテンツを作っていく番組です。
本記事では、ひまつぶ荘のプロデューサーをされている井上さんへインタビューをしています!
【井上さんのプロフィール】
2016年入社
入社後、制作局に配属。バラエティ番組のAD・ディレクターを経て、2019年よりICT部門でYouTube戦略・NFT事業などを担当。
https://www.ntv.co.jp/himatsubuso/
テレビ局に就職したい!など、エンタメコンテンツに携わりたいと考えている方だけでなく、将来どんな仕事をしよう?と悩んでいるという方にも、学生の今なにを意識して日々過ごせばよいか、参考になるお話を聞くことができました!
現在のお仕事について
どんなお仕事をされていますか?
Hulu・TVerといった見逃し配信事業やデジタルコンテンツメインで新規事業開発を行っているICTビジネス局という部門に所属しています。業務は様々で、今回の「Zエンタメアカデミー」のように、所管する番組の中で企業と連携することもあります。
番組は通常のパターンだと制作局だけで作っていきますが、「ひまつぶ荘」は特殊で、ICTビジネス局と制作局で協力して制作しています。
その他の業務だと、最近はNFTやWeb3といった新しい技術をエンタメコンテンツと掛け合わせたプロジェクトを立ち上げて進めています。
ひまつぶ荘の番組制作は、どのようにして進んでいきますか?
通常の番組だと、ディレクターが取材・撮影して、出演者はあくまで出演にとどまっているんですが、この番組は他の番組と作り方が違っていて、TikTokクリエイターがVTR主導して作るスタイル。
クリエイターの皆さんは、彼らのクリエイティビティで人気なので、その強みをいかすことを重視しています。
クリエイターがテレビの枠を活用して、自由に新しいコンテンツを作っていくことをコンセプトに立ち上がっている番組なので、作り方としては「ある特定の場所やテーマ」をお題をとして与えて、彼らの好きなスタイルで何か面白い、暇つぶしになるような動画を比較的自由に作ってもらいます。
一人のクリエイターにつき、一人番組ディレクターがついて、個別に相談をしてもらっていて、クリエイターの意思も大事だけれど、テレビ目線でこうしたら面白いんじゃないか?というディレクターの意見もいれて、より新しいクリエイティブが生まれやすいようにしています。
例えば、番組で芸人さんとコラボすることもあると普段とは違う作り方をしないといけない。ディレクターがヒントを示唆しつつ、コンテンツ企画案を最初は一人につき3~4本考えてもらっています。
撮影については、通常の番組だったらカメラマン、音声などプロのスタッフがつきますが、この番組についてはスマートフォンでクリエイターに自分たちらしく撮影してもらいます。動画編集もクリエイター自身が行って、収録日までに納品してもらう。
スタジオ収録では、森田さんとM!LKのメンバーと一緒にクリエイターも鑑賞。森田さんらのコメントやツッコミも込みで、クリエイター動画をテレビで見るコンテンツとしてパッケージ化します。
収録の素材は、ディレクターが、総合演出のOKが出るまで確認作業をして、最終的に30分の尺に編集します。その後、業務用の編集室でスマートフォンやPCでもできない、細かい演出や整音・BGMをいれたり。
これでようやくVTRとして完成となるので、放送日の前日に納品します。企画から納品までだいたい一ヶ月間くらいですかね。
お仕事のどういった点に魅力ややりがいを感じますか?
今、番組で関わっているTikTokクリエイターは、何百万人のファンを獲得しているトップクリエイターで、自分がテレビで学んだことではありえない編集方法や撮影方法を目の当たりにすることがすごくやりがいに感じますね。今後エンタメコンテンツを作っていく上ですごくプラスになるな、と。
以前は日テレのYouTube担当で、日テレ公式YouTubeという様々な番組のコンテンツがあるPRチャンネルから、個別の番組チャンネルも立ち上げて運営していました。
テレビのコンテンツもそのままYouTubeに流しても見てくれないという認識はあって、プラットフォームにあった作り方があるのだなと感じていて。
テレビ番組は「ファン」という考え方はあまりないけどYouTuberだったらファンがつくし、なぜファンがつくのか?その中でもなぜこのコンテンツが伸びているのか?と考えるのが楽しかったです。
ひまつぶ荘について
TikTokクリエイターが出演していて「動画コンテンツ」を題材にしている番組は珍しいと思いますが、どのような思いがあるのでしょうか?
TikTokやYouTubeなどそれぞれのプラットフォームにあわせた作り方から新しいエッセンスをもらって、テレビとの融合でどんな新しいクリエイティブを生み出せるか?に着目しています。
TikTokクリエイターにフォーカスを当てようと思った理由はありますか?
テレビ局がテレビだけを作り続けているのは良くないんじゃないか?という問題意識はずっとありました。テレビ局はメディア産業がメインだけれど、地上波が衰退している今、ここだけにこだわっていると生き残れないと感じていて、プラットフォームにマッチしたコンテンツを作るという道を考えていきたいなと。
新しく良質なコンテンツを生み出す必要がある今、やっぱり新しい人間が必要だと思いました。まずは流行っているTikTokクリエイターに声をかけたんですが、大きな構想だとTikTok以外にも他のプラットフォームや他の会社のクリエイターと協力することで「Z STUDIO」というブランドとして、新しく良質なコンテンツを作っていく道が開ければいいなと考えてます。
一般の参加者に入ってもらうことで、期待していることはありますか?
出演するクリエイターたちは20代中盤~後半の方なんですが、今回参加してくれた子は10代~20代前半のさらに若い世代で、新しい縦型コンテンツを見ているのはまさにこの世代。
その人たちの新しい視点・感性が加わって、さらに新しいものがうまれるんじゃないかって期待しています。クリエイターも他のクリエイターとコラボはたまにあるけど、一般の方とコラボはないので今回は新鮮だったみたいです。
学生時代のお話
この仕事に就こうと思ったきっかけはありますか?
明確なきっかけは、高校1年のときの好きな講座を選んで受けるスタイルのロングホームルームという授業。「数学を深める」や「英会話」など、通常の授業に加えてさらに勉強を求められる授業が多いなか、「映像を作る」という楽しそうな授業が一個だけあったので入りました。
チームに分かれて映像を撮影するという授業で、たまたま監督をやったのですが、コメディをハンディーカムでとって発表してウケたときに、自分はギャグで人を笑わせるタイプではないけど、映像で作ったものだったら人を楽しませられるんだなと気づいて。
高校2年生では自分で撮影したコメディ映画を文化祭で流したりして、そのあたりから「自分が作った映像コンテンツで、人を楽しませることが性に合っているんじゃないか?」と思い始めました。
その後、大学でも映画を撮るサークルに入って、結局高校から大学まで七年くらいずっと映像に関わることをしたので、次に活かすとしたらテレビかな、と思い選びました。
この仕事に就く際の選考で意識していたことや印象深いエピソードなどあれば教えてください。
志望する会社でやっていることは、ちゃんと知っておきたいという気持ちがすごくありました。日テレのコンテンツはその時沢山見ましたし、その中でも自分はどんなことをやりたいのかということを整理するように心掛けていました。闇雲に映像を作りたい!というのではなくて、社会にどういう影響を与えたいか?など、大きな視点をもって一貫したことを語れるようにということは意識していました。
学生時代、どんなことを頑張ればよいかアドバイスはありますか?
やりたいことが決まっていなくても、「好きなことを探す」ということは、絶対にした方がいいと思います。
僕も就職活動のときは、そこまで興味ない企業にも一応応募していましたが、形だけ繕っていることがすぐバレるんですよね。ESに書く文章だったり、面接の中でぼろがでてきてしまう。
本当に自分が好きなことだったら、一貫した内容をぶれずにたくさん話せると思うんですよね。
「将来どういうことをしたい?」と考えると難しく感じるけど、就活に向けて準備するんだったらまずは、自分は何が好きか?を深く考えて、それが将来活かしていける道を調べてみる。結局大事なのは自己分析かなと思うんですけど、意外と早めにやることが重要かなと思います。
どんなバイトをしていましたか?
家庭教師と、中国人留学生向けの日本語の教科書の校閲です。
校閲は知り合いに頼まれてやっていたバイトなんですが、珍しいですよね。左側が中国語・右側が日本語となっている社会の教科書の、日本語ページの間違いがないか確認する仕事でした。
バイトで成長できたことや、今に活きている部分はありますか?
意外と、校閲の仕事が活きているかもしれないですね。
それが事実なのか?文法的に正しいのか?漢字が間違ってないか?を考えることは、実際にやってみて得意かもしれないと感じて、楽しかったです。今のプロデューサーとしての業務でもコンプライアンスの業務や、誤字脱字のチェックなど似た業務が重要だったりします。テレビで放送していけるコンテンツとして、クオリティを担保することに役立っています。
最後に
ご自身の今後の目標を教えてください!
自分が何をやりたいんだろうって改めて考えたときに、やっぱりエンタメコンテンツの新しい形を見ていきたいんだろうなと思っています。
テレビを見る人が減って、TikTokが流行って・・などメディアはどんどん変わっていきます。
それでも人を楽しませることの真髄は変わらないものだと思っていて、そこと表現形式の掛け合わせで新しいものが生まれていくと思うんです。
テレビ局にいるからって、テレビという枠組みの中だけではなく、新しい技術や情報を掛け合わせて、更に新しいものを作っていくのが所属部署の使命でもあるので、自分もエンタメの新しいクリエイティブの形や新しい体験に第一線で携わって行けるような人になりたいと思っています。
夢に向かって頑張っている10代へ一言ください!
僕は大学を普通に卒業したんですけど、卒業できなかった、うまく自分の道が見つけられなくて一年休学という子もいました。そういう人から見ると、ストレートに卒業・就職している人のほうが成功しているように見えるんですよね。劣等感を感じることもあると思う。でも、そこから数年たったとき、不幸かというと、そういうわけではないと知ってほしい。
1年ダブったからこそ出会えた体験から、自分の道を見つけた人もいるし、いわゆる社会のレールに乗らない生き方で楽しんでいる人もいる。
あらゆる人生の転換点っていうのは平坦な分岐でしかなくて、上下にあるようなものじゃない。勝った負けた、成功した失敗したっていう判断をするものでもないなって思うんです。
なので、今何か目標に向かっている途中で挫折した、うまくいかなかったと思う時、もう無理だと思うのではなく、「成功した人が見えなかった何かを見つけることができているのでは?」「自分が進んでいる道は全然間違ってないよ!」といつも思いながら、新しい道を探していくのがいいかなと思います。
いかがでしたでしょうか。
井上さんが携わっている「Z STUDIO ひまつぶ荘」とコラボした、アシスタント体験取り組みの様子は2022年12月22日OAの『ひまつぶ荘』番組内ならびにZエンタメアカデミー特設ページで紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。
▼Zエンタメアカデミー 特設ページ
https://baito.mynavi.jp/contents/academy/
今後もZエンタメアカデミーでは、日本テレビで放送している番組を通して、今のエンタメ業界に欠かせない動画制作やSNS戦略、ドラマやバラエティといった番組制作などの裏側まで、エンタメのプロから直接学べる機会を定期的に提供していきます。
次回の募集もお楽しみに!