年末年始の神社で、初詣やさまざまな祭事に携わる巫女バイト。伝統的な装束を身にまとい、日本の文化に触れながら、珍しいバイト体験を味わいたい方におすすめです。この記事では、巫女バイトの仕事内容や魅力、求人の募集時期や探し方などについて詳しくご紹介します。巫女バイトに興味のある方は、参考にしてみてください。
1. 巫女バイトとは?
巫女とは本来、神に仕える女性の総称ですが、現代では一般的に神社で神職の補佐をする女性のことを指します。神社では巫女バイトのことを「助勤」あるいは「助務」と呼びます。年末年始など多くの参拝者が集まるシーズンは、一時的に巫女のアルバイトを雇って人員を補充する神社が多く見られます。
2. 巫女バイトの仕事内容
神社での仕事は、神様に仕えることを意味するため「奉仕する」という言い方をします。ここでは、販売や接客から事務まで多様な巫女の仕事内容について、詳しく見ていきましょう。
お守りやお札などの販売・授与
巫女バイトのメイン業務は、お守りやお札、絵馬、破魔矢、神符、神札などの販売・授与です。大晦日や正月三が日は、特に多くの参拝客が訪れるため、迅速かつ丁寧な対応が求められます。参拝客に対する声掛けの仕方も小売店などでの販売業務とは異なり、「いらっしゃいませ」ではなく、「ようこそお参りくださいました」「ご苦労さまです」といった言葉を使います。
参拝客の受付や案内
お正月はお祓い(おはらい)を目的に参拝する人も増えます。お祓いの際、参加者の受付を行うのも巫女バイトの仕事です。ほかにも、案内所で参拝ルートの案内や迷子の保護をしたり、境内で参拝客に甘酒をふるまったりします。
祭礼や初詣に向けた準備
祭礼や初詣に向けた準備を行います。お守りや絵馬の在庫を整理・保管する作業はその代表的なものの一つ。神社によっては、お正月など時期を限定して授与するお守りやお札があり、参拝者に種類が分かりやすいよう見本を取り付けることもあります。境内で結婚式(神前式)が行われる場合は、会場の整備や物品の準備、参列者の案内といった仕事に携わることもあります。
境内の清掃
参拝客に気持ち良く参拝してもらえるよう、清潔で整った環境を維持することも巫女バイトの大切な仕事です。境内や参道の掃き掃除といった神社内の清掃は、欠かせません。
3. 巫女バイトの勤務時間
巫女バイトの勤務時間は、神社によって異なります。一般的には、神社の参拝時間に合わせて朝8時頃から夕方18時頃までの時間帯でシフトを組み、休憩をはさみつつ、最大8時間程度働くケースが多いようです。
ただし、年末年始期間のなかでも12月31日の大晦日や1月1日のお正月は、24時間参拝できるよう、交代制のシフトで深夜から早朝の時間帯も働くことができる神社も多く見受けられます。なお、「夜22時以降、翌朝5時までの勤務は、18歳以上でなければできない」と法律によって決められているため、高校生は働ける時間帯が限られます。
4. 巫女バイトの給料
巫女バイトの給料は「奉仕料」と呼ばれ、時給または日給で支払われます。金額は、神社の規模や地域によって異なりますが、時給の場合は1,000円前後、日給の場合は8,000円~1万円程度のところが多いようです。
金額が飛び抜けて高いアルバイトとはいえませんが、日本の伝統的な作法を身に付けられる、非日常的な環境でバイトができるなど、お金に代えられない経験ができるという利点があります。
5. 巫女バイトの衣装や髪型などの身だしなみ
巫女バイトの衣装は、白衣(はくえ)や緋袴(ひばかま)といった白と緋色でおなじみの巫女装束を身に付け、白足袋と草履を履くのが一般的です。髪が長い場合は後ろで一つに結わえて、絵元(えもと)という和紙や布でできた白いカバーでその髪を覆います。
神社での仕事は、神様の代わりに現実の作業を行う「お取次ぎ」であり、巫女は神様に仕える神聖な存在とされています。そのため、濃いメイクや染髪、パーマ、ネイル、派手なアクセサリーは避け、清楚な身なりでいることが求められます。
6. 巫女バイトの募集時期
巫女バイトは、年末年始の準備が始まる12月25日ごろから、1月初旬までの短期の求人がほとんどです。早ければ8月頃、遅くても11月頃から募集が開始され、面接や説明会を経て勤務日程が決まります。
年末年始以外に、七五三など節句のシーズン限定の短期バイトや、通年勤務の巫女バイトを随時募集しているところもあります。
いずれにせよ、巫女バイトは人気があり定員になり次第募集終了になる可能性があるため、早めに求人をチェックしましょう。
7. 巫女バイトの探し方
最近では、公式ホームページや公式SNSに巫女バイトの募集情報を掲載する神社も多くなってきました。有名な神社ほど倍率が高くなる傾向にあるため、募集を見つけたら早めに応募することをおすすめします。中には、神社の社務所に巫女バイトの求人情報を貼っているところもあります。神社に直接問い合わせてみると、採用のチャンスをつかめるかもしれません。
また、求人サイトや求人アプリで巫女バイトの求人を探すのも手軽な方法の一つです。「巫女バイト」あるいは「助勤」「助務」といった言葉で検索してみると、思わぬ求人が見つかる可能性があります。
8. 巫女バイトのメリットや身に付けられるスキルは?
巫女バイトのメリットはさまざまなものが考えられますが、ここでは4つご紹介します。巫女バイトならではの経験や身に付くスキルに注目してみてください。
日本の伝統文化に触れながら貴重な経験ができる
神聖な空間で働き、日常とは異なる体験ができる点が、巫女バイトの最大の魅力と言えるでしょう。巫女バイトでは、神社の歴史や神事の手順、参拝者への対応など、日本の伝統文化や神道の基本的な知識や作法について学べる機会も多く、貴重な経験が得られます。
また、神社での奉仕を通じて、お守りやお札の種類や意味を覚えられるほか、普段は見られない神社の裏側を知ることもできるでしょう。
丁寧な言葉遣い・接客スキルが身に付く
神社でのお札やお守りの販売は、一般的な商売とは目的が異なるため、言葉の表現が独特です。例えば、お守りは「一体、二体」と数え、お金をいただく際は「〇〇円お納めください」と伝えます。仕事が始まる前に、こういった基礎知識について研修を実施してくれる神社もあります。最初は難しいかもしれませんが、仕事を通じて身に付けた言葉遣いや作法は、将来の仕事や日常生活においてもきっと役立つでしょう。また、神社は老若男女さまざまな人が訪れる場所です。特に年末年始はピークであり、多くの参拝客に丁寧かつてきぱき接することで、コミュニケーション能力や臨機応変に対応する力が身に付くでしょう。
巫女の装束を着られる
巫女装束を着られるのは、このバイトの醍醐味です。お辞儀の仕方や、袴を着ているときの座り方や歩き方など、作法を学んで実践することで、日常の仕草もゆったりと丁寧なものになるかもしれません。伝統的な衣装を身につけて、神聖な場所で働くことで、心に残るアルバイト体験ができるはずです。
未経験でも始めやすい
巫女バイトに対して、応募のハードルが高いといったイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし実際は、特別な経験や資格が必要なく、未経験でも始めやすい仕事です。言葉遣いや作法、神道に関する知識については、神社が指導してくれることが多いため、業務の流れやマナーを学びながら働くことができます。
9. 巫女バイトのデメリットは?仕事のどんなところがきつい?
特殊な環境下での仕事となる巫女バイト。働く上で「きつい」「厳しい」と感じやすい点と、その対処法について解説します。
寒い屋外での仕事がきつい
巫女バイトは年末年始の寒い時期の勤務がほとんどであり、基本的に、マフラーやコートなどの防寒着を巫女装束の上に着用することはできません。また、一般的にお守りやお札の授与は建物内で行われますが、扉が開放されていて外気が入るため、室内でも冷え込みやすい環境です。寒さに弱い人にとってはきつさを感じることもあるようです。袴の下に肌着やスパッツを着込んだり、カイロを準備したりするなど、防寒対策を万全にしておきましょう。
立ち仕事が長時間に渡ると疲れが溜まりやすい
巫女バイトは、多くの参拝客に対応したり、1日中立ちっぱなしで働いたりするなど、意外とハードな仕事だと感じるかも知れません。また、連日の長時間勤務が続くと、どうしても疲れが溜まりやすくなります。年末年始など働ける期間が限られているとはいえ、体調を崩さないよう無理のないシフトを組み、休憩を取りながら仕事にあたることが大切です。
年末年始は忙しい
年末年始は、お札やお守りを買いに来た参拝客で、長蛇の列ができることもあります。忙しいと、つい動作や言葉遣いや粗くなりがちですが、新年をお祝いする日であることを忘れずに、笑顔で参拝客を迎える姿勢を心掛けましょう。
10. 巫女バイトについてよくある質問に回答!応募前にチェックしてみて
最後に、巫女バイトに関するよくある質問をまとめました。応募する前に、採用のポイントをチェックしてみてください。
巫女バイトに向いている人は?
巫女バイトには、礼儀作法や身だしなみのマナーをしっかり守ることが大前提として求められます。そのため、華美な髪色や装飾が制限されても抵抗のない人に向いている仕事と言えるでしょう。
また、接客業を中心に行うため、人と接することが好きな人や、状況を読んでてきぱき動くことが得意な人はおすすめです。神社や歴史などに興味のある人であれば、その知識を仕事に生かせるかもしれません。
高校生でも働ける?
高校生でも働けるかどうかは神社によって異なりますが、高校生から応募可能としている神社も多くあります。まずは働きたい神社の応募条件を確認しましょう。ただし、18歳未満の年少者は深夜に働くことが法律で禁止されているため、高校生は日中の勤務が基本になります。
巫女バイトに採用されるコツは?
巫女バイトの採用では、応募書類や面接などによって総合的に判断されます。面接時は、見た目の第一印象が肝心です。清潔感があり、身だしなみが整っていることが重視されるため、派手な髪色やネイル、ピアスなどのアクセサリーは避けて面接に臨みましょう。正しい言葉遣いで、丁寧な受け答えを心掛けるとより好印象を与えられるでしょう。
近年は海外からの旅行者も増えており、観光地の神社などでは、日常会話程度の外国語ができると優遇されることがあります。条件に当てはまる場合は、積極的にアピールするのがおすすめです。
11. まとめ
神社という特別な雰囲気の中で働ける巫女バイト。自分の好きな神社や地元の神社で巫女バイトができれば、一生ものの素敵な思い出になることでしょう。人気な職種であり、募集がかかるタイミングも限られているため、応募のチャンスを逃さないよう早めに求人をチェックしてみてくださいね。