【簡単解説】フルタイムとは?パートや正社員と何が違う?メリット・デメリットも | マイナビバイトTIMES
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    【簡単解説】フルタイムとは?パートや正社員と何が違う?メリット・デメリットも

フルタイムパート」と「パートタイム」の違いについて、皆さんは正しく理解できていますか? 本記事ではフルタイムの意味や正社員・パートとの違い、フルタイムで働くメリット・デメリットについて解説します。働き方によっては年金の受給や税金の支払いで損をしてしまう可能性もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。


1.フルタイムとはどんな意味?

フルタイム パートタイム 概要

「フルタイム」は、正社員と同じ労働時間(所定労働時間)で働くことを指します。

所定労働時間は職場の就業規則などで決められている始業時刻から終業時刻までの時間(※休憩時間は除く)のこと。具体的な時間数は職場によって異なりますが、一般的には、労働基準法によって定められている法定労働時間の上限である「1日8時間、週40時間」のケースが多いでしょう。

2.正社員・パートとは何が違う?

「正社員」「フルタイム」「パート」それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。

項目 正社員 フルタイム パート
労働時間 所定労働時間 正社員と同じ 正社員より短い
雇用区分 正規 非正規 非正規
契約期間 無期 有期 有期
仕事の責任 大きい 小さい 小さい
給与 月給or年俸 時給or日給 時給or日給
福利厚生
ボーナス支給 ×
有給

フルタイムと正社員・パートとの違いについて、詳しく見ていきましょう。

「労働時間」の違い

フルタイムは正社員と同じ労働時間で働くことを意味しており、「1日8時間/週40時間」の範囲で始業時間や終業時間が決められています。一方パートは、一般的に正社員よりも少ない労働時間で働くことが多く、シフトの入り方や就業条件などによって毎月の労働時間は変動するでしょう。

「雇用区分・契約期間」の違い

フルタイム勤務はパートタイム従業員として雇用契約を結んでいるため、非正規雇用となり、契約期間が定められている場合が多いです。一方、正社員は正規雇用のため契約期間がなく、毎月一定額以上の収入が月給として支払われます。

「仕事の責任」の違い

正社員は仕事の任される範囲が広いため、必然的に責任も大きくなります。フルタイムやパート勤務の場合は、正社員の業務をサポートする仕事やマニュアルに沿って進めるルーティンワークなどがメインになるでしょう。

「給与」の違い

フルタイム・パートの給料は「時給制」もしくは「日給制」となるケースがほとんどです。稼働時間に応じて賃金が支払われるため、シフトに入る数が多いほど、受け取れる給料も多くなります。 一方で、正社員の給料は「月給制」や「年俸制」が多く、毎月安定した収入を得やすいのが特徴です。

「福利厚生」の違い

正社員の場合、入社した企業を通じて健康保険や厚生年金、雇用保険といった「社会保険」の加入が義務付けられていますが、パートの場合は労働時間や勤務日数が正社員の4分の3以上に達するなど、一定の条件をクリアしなければなりません。また、会社によっては資格取得補助や住宅手当など、正社員のみを対象とした制度を設けている場合もあります。

「ボーナス支給」の違い

フルタイムパートやパートタイムのボーナスは、これまで正社員となどなどの金額が支払われることはなく、企業によっては寸志が支払われる会社もあるというのが一般的でした。 しかし、近年施行された「パートタイム・有期雇用労働法」では、正規社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が禁止されました。 この法律では、正社員と変わらない働きが認められるパートに対して、企業は正社員と同様にボーナスを支給しなければならないと定められています。 ただし、正社員と同様の勤務時間や業務内容、責任などを負っている従業員に限定されるため、フルタイムで働いていたとしても正社員と同様の責任が認められない場合には支給されません。

「有給」の違い

雇用形態に関わらず、労働者は以下2つの条件を満たせば有給を取得できます。

  • (1)雇用日から半年以上継続して働いている
  • (2)所定労働日の8割以上出勤している

有給が何日もらえるかは所定労働日数や勤続年数によって変わってきますが、一般的には「勤続年数が長い」「出勤回数が多い」ほうが付与される有給も多い傾向があります。そのため、正社員や正社員と同じ所定労働時間分を働くフルタイム勤務のほうがもらえる有給は多いといえるでしょう。

取得できる有給日数については以下の記事で詳しく解説しています。

アルバイトも有給はもらえる!取得条件・賃金の計算方法も解説


3.フルタイムとパートの年収はどれくらい違う?

フルタイムで働いた場合とパート(短時間労働)で働いた場合の年収の比較は以下のとおりです。

【時給1000円の場合】

  フルタイム パート
労働時間 1日8時間×週5日(月160時間) 1日4時間×週3日(月48時間)
月収 16万円 4万8000円
年収 192万円 57万6000円
差分 113万4000円

フルタイムは労働時間が多い分、パートよりも多く稼げる働き方となっています。パートタイム従業員としてしっかり稼ぎたい方にはぴったりです。

4.フルタイムで働くメリット・デメリット

ここからは、フルタイムパートで働くメリット・デメリットについて解説します。

フルタイムパートで働くメリットとして、次の3つが考えられるでしょう。

(1)まとまった収入が手に入る

労働時間が長いフルタイムは、まとまった収入が手に入ります。また、雇用契約の内容にもよりますが、月によって勤務日数や勤務時間数が大きく変動するリスクが少ないため、比較的収入が安定しやすいのもメリットです。

(2)有給休暇を取得しやすい

有給休暇は、「雇用開始日から、6カ月継続して働いている」「その期間の全労働日の8割以上を出勤している」という条件を満たせば、雇用形態にかかわらず取得できます。

つまり、正社員と同じ時間働くフルタイムであれば、雇用開始日から6カ月経過後に正社員と同じ日数の有給休暇が取得できるのです。

パートタイムの場合も出勤日数や出勤時間に合わせて有給休暇は付与されますが、出勤頻度が少ないほど付与日数が減ってしまいます。また、もともとの出勤日数が少ない中で有給を申し出にくい可能性も考えられるので、そういった点でもフルタイムの方が取得しやすいでしょう。

(3)社会保険(健康保険・厚生年金)の対象になりやすい

社会保険や雇用保険の加入条件には、「1週あたりの所定労働時間が20時間以上」という労働時間の下限が設けられています。もちろん他にも条件はありますが、労働時間数をクリアできるフルタイムであれば、被保険者になれる可能性が高いでしょう。

社会保険の被保険者になると、健康保険料や厚生年金保険料の支払額が会社と折半されるので、自己負担額が減ります。また、雇用保険については、加入していると離職時に「失業保険(65歳以上は高年齢求職者給付金)」がもらえたり、再就職時に「再就職手当」を受け取れたりします。

反対に、フルタイムパートで働くデメリットとしては次の2つが考えられます。

(1)正社員ほど稼ぐのは難しい

正社員の場合は「給与○カ月分」が賞与として年1〜3回支給されることが多く、支給額は勤続年数や役職に応じて増加する傾向があります。一方、フルタイム勤務の場合は正社員と変わらない働きが認められる場合でなければ賞与は支給されないため、正社員と労働時間は同じでも、もらえる給与には差が生じるでしょう。

(2)家庭と両立しづらい

フルタイム勤務は労働時間が正社員と同じであるため、パート勤務にくらべて拘束時間が長くなります。プライベートに割ける時間が短くなると、家庭との両立も難しくなる場合があるでしょう。


5. パート→フルタイムに変更する際に注意すべきポイント

フルタイム 変更 注意点

ここからは、パート→フルタイムに切り替える際に注意すべきポイントについて紹介します。

(1)扶養から外れる可能性がある

扶養の対象者には所得上限(所得の壁)が設けられており、その壁を超えると自分で社会保険料や税金を支払う義務が発生します。自身が配偶者の扶養に入っている場合、フルタイム勤務になることで所得が上限を超えると、扶養から外れてしまう可能性があるでしょう。

税金の負担が増えると、以前より多く働いているのに手取り額が減ってしまうという逆転現象が起こる可能性があるので注意してください。

103万円の壁
超えた場合、本人に所得税が課せられる
130万円の壁
超えた場合(条件次第では106万で)、社会保険料の負担が生じる
【150万円の壁】
超えた場合、税金の控除である「配偶者特別控除」が満額で受けられなくなる

扶養から外れて手取りがプラスとなる収入額の目安は、「年間150万円以上」です。 扶養から外れる場合は、年間150万円以上稼げるかどうかを確認しておきましょう。

(2)年金の受給額が減ることがある(在職老齢年金)

60歳以上の人が働きながら受け取ることができる年金を在職老齢年金といいます。この年金は、本人の年齢と収入額によって減額、または全額給付停止される可能性があります。 減額率などは収入額によって異なりますが、以下の条件に当てはまる人は対象となるので注意しましょう。

【60歳~65歳未満の場合】
年金の基本月額(加給年金を除いた年金年額÷12)と総報酬月額相当額(賃金月額+年間賞与÷12)の合計が28万円以上で減額

【65歳以上の場合】
年金と総報酬月額相当額が「47万円」を超えたら減額



6. フルタイムに関するよくある質問

Q.フルタイム勤務は何時間働きますか?

「フルタイム」は正社員と同じ労働時間(所定労働時間)で働くことを指します。一般的には法律で定められている法定労働時間の上限である「1日8時間/週40時間」のケースが多いでしょう。

Q.フルタイムパートと正社員はどちらが得ですか?

何を持って得と捉えるかは、その人が大事にするポイントによってことなります。

「責任のある仕事がしたい」「スキルアップ・キャリアアップしたい」のであれば、業務範囲が広く、スキル・経験に応じて社内での昇進の機会が得られる正社員が向いているでしょう。一方、「一定の業務に専念したい」「自分にできる範囲の業務でしっかり稼ぎたい」という思いがあるのであれば、フルタイムで働くのがおすすめです。


7. 損をしない働き方を選ぼう

フルタイムとパートタイムにはそれぞれメリットがあります。 シニア世代は、社会保険や勤務時間に加えて、年金の受給額も変わってくるので、収入額に注意しながら、損をしない働き方を選んでくださいね。働き方を切り替える場合は、今回紹介した注意点も参考にしてください。

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