憧れの会社に就職したい!憧れの職業に就きたい学生の皆さんに、人気企業で働いている先輩たちが学生時代に行ったアルバイト経験を紹介する本企画。今回は株式会社マクアケで働く武田さんにインタビュー。入社2年目、たった一人で名古屋拠点を立ち上げた武田さんに、学生時代のアルバイトやガクチカ(学生時代に頑張ったこと)、仕事のやりがいなどをじっくりお聞きしました!
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインにより取材を行っています。
INTERVIEWスタート!
――まずは、マクアケのお仕事について教えてください。
マクアケは、アタラシイものや体験の応援購入サービスの「Makuake(マクアケ)」というオンラインプラットフォームを運営する会社です。「私はこんなプロジェクトを立ち上げたい」という人と、「そのプロジェクトを支援したい」という人を結びつけるのが、マクアケの役割です。
――応援購入サービスについては、最近よく見かけます。コロナ禍で、プロジェクトを立ち上げる人が増えているみたいですね。
そうですね。製造業を中心に、自営業の職人さんや飲食店など、多くの方にご利用いただいています。
――武田さんは現在、名古屋拠点で勤務されていると伺いました。
はい、私は現在、マクアケ名古屋拠点の責任者を務めています。私は、2019年に中途採用で入社したのですが、最初は東京勤務でした。それから2020年に名古屋拠点を立ち上げることになり、ひとりで名古屋に異動になりました。今年もう1名、新しい仲間を採用したので、今は2名体制で中部エリアのプロジェクトをご支援しています。
――入社して1年後に拠点の立ち上げ!それはかなり、責任重大ですね。
指名されたのは嬉しかったのですが、実際はとても大変でした。特に大変だったのは、仲間を作ることです。私はもともと東京出身なので、こちらには縁がありませんでした。友達もいないし、土地勘もありません。また、新型コロナウイルスの影響もあり、誰かを紹介してもらっても、初対面がオンラインになることがほとんど。その状況下なので、飲み会で人と仲良くなることもできませんでした。名古屋にきて約1年経ちましたが、今では“ものづくり”の方や“ものづくり”を支援している会社の仲間もでき、広がってきているのを感じます。
――新型コロナウイルスの影響は新しい環境での仲間作りに大きく影響しますよね……。そもそも武田さんは、どうしてマクアケに入社しようと思ったんですか?
マクアケに入社したのは、もともと“ものづくり”が好きだったからです。母方の祖母が町工場をやっていたことも影響しているのだと思います。Makuakeは、町工場など小規模で“ものづくり”をしている方たちが、新しい製品やサービスを世の中に送り出す場所。「マクアケなら、“ものづくり”に関わった仕事ができる!」と思い、入社を決めました。
――今はどんなお客さんのご支援を行っているのですか?
名古屋を中心としたこの付近は、昔から“ものづくり”が盛んな場所で、現在は金属加工業、繊維業、陶磁器製造業の3業種を中心に、 Makuake活用のアドバイスを行っています。「Makuakeのプラットフォーム(※注)を利用して、商品販売を行いませんか」とご提案するだけでなく、「こんな製品を作るのはどうですか」と、Makuakeで販売する製品やサービスを一緒に考えたり、ブランディングの作戦を練ったり……。営業よりも、コンサルに近い感じです。
(※注)「プラットフォーム」とは、利用者と生産者など異なるグループを結びつけることができるネットワークや場所のことです。
武⽥康平(たけだこうへい)さん/キュレーター本部 名古屋拠点 責任者
■相手と深くコミットすることが、仕事の成功を呼ぶ
――武田さんが感じているマクアケの仕事の魅力って、何ですか?
“ものづくり”の魅力に触れられることです。日本の職人技って世界に誇れるものだと思うんです。小さな町工場でも、「この技術を持っているのは世界でうちだけ」と、胸を張って言えるところがたくさんあります。でも普段は、そうした技術が消費者の目に触れる機会は少なく、何かの部品になって終わることが多い。だけど、もしそうした技術が新しい商品やサービスとして人の目に触れる機会が増えれば、働く方にとっても大きなやりがいになるはずです。
プロジェクトを通して、新しい商品やサービスが形になると、皆さん、「ありがとうございます」と喜んでくれます。その瞬間がとても嬉しい。「お客さんと二人三脚でプロジェクトを完成させた!」と実感できます。
――なるほど、マクアケのお仕事を通して武田さんも“ものづくり”に大きく関わっているんですね。職人さんたちとうまくお付き合いするために、心がけていることはありますか?
可能な限り、工場に足を運んで職人さんたちの働く姿を見ることです。また、働く姿だけでなく、その人の生活まで知ることを心がけています。その職人さんには、働く場所があり、家があり、暮らしがある。そういう様子を知ると、「ああ、この人のためにもっと何かできないか」っていう気持ちが湧いてくるんです。そうやって、一人ひとりと真正面から向き合うこと、つまり、相手としっかりコミットすることが、プロジェクトを成功に導くのかなと思います。
――お仕事そのものだけではなく、働いている職人さんもしっかり見ることと、深く付き合うことが大事なんですね。
慣れない地域で拠点の立ち上げを任されたときにはどうしようと思いましたが、コツコツと信頼関係を作り上げてきた結果、今ではお客さんとの繋がりも増え、お客さんが新しいお客さんを紹介してくれるようになりました。人と深くコミットすれば、相手もそれに応えてくれる。人間関係は時間をかけて築くのが大事だなと感じました。
マクアケの仕事を通して、優れた技術を持った職人さんたちが、一つひとつ丁寧に作業を進めるプロセスに触れられることが楽しいと武田さん
■家庭教師のアルバイトで気づいたコミットする重要性
――次に学生時代のアルバイト経験について教えてください。
学生時代のアルバイトは、家庭教師と塾講師です。家庭教師は小学生から高校生まで幅広く教えていました。一方、塾講師は高校生に教えていました。
――ふたつとも、人に教える仕事ですね!どうしてそのアルバイトを選んだんですか。
人を相手にする仕事がしたかったからです。昔から交友関係が広く、誰とでも仲良くなれるタイプでした。結果的に、家庭教師も塾講師もやって良かったと思っています。両方とも、今の仕事に役立っていますね。
――どんなところが今のお仕事に役立っているんですか?
家庭教師も塾講師も、勉強がわからない子どもにわかりやすく教えるのが仕事です。現在の仕事も、応援購入サービスの仕組みや取り組み方がわからないお客さまに、Makuakeの仕組みをご説明し、一緒に取り組んでいく仕事です。いかにして相手のモチベーションを高め、目標達成に向けて一丸となって頑張るか、といった部分が似ていますね。
――なるほど!確かに、人を導く点では同じですね。
アルバイトをしていたときに感じたのは、人には誰でも欲求があることです。
「大学に合格したい」気持ちの先には、「良い会社に就職したい」とか「合格してモテたい」とか、いろいろな動機がある。そういう欲求を見抜くことが、勉強への意欲を高めるにはとても大事。
今の仕事もそれと同じで、普段は機械の部品を作っている町工場の方でも、「Makuakeでオリジナル商品を販売すると、息子さんに『これがパパの仕事だよ』って自慢できますよ」と背中を押してあげると、プロジェクトに対して前向きになってくれるんです。
さりげない日常会話の中から、その人の欲求や本心を見つけるスキルは、アルバイトで培ったと思っています。
――そういった部分でもアルバイト経験が役立っていますね!
本当にそう思います。一度、家庭教師をしていたお子さんの親御さんに叱られた経験があるんです。「先生、ちゃんとやってくれているんですか?」って。その子の成績が伸びなかったことではなく、私の姿勢が問われたんです。そのとき深く反省しました。確かにその子にコミットしきれていなかったな、もっと真剣に関わらなければ、家庭教師の責任を果たしているとは言えないなって。その経験があったからこそ、今もお客さんの人生にまで深くコミットしたいと感じているのかもしれません。
学校で先生に褒められることが好きだったことも、家庭教師や塾講師のアルバイトを選んだ理由の一つだったそう
■頼れるリーダーになるために
――お仕事の時間以外は何をしていることが多いですか?
散歩をしたり、読書をしたり、ニュースを見たり。特にここ1、2年で本を読む機会が増えました。
――どんな本を読むんですか?
幅広く読みますよ。マーケティングから経営論、チームビルディングまで。大学時代はアルバイトと部活で忙しかったこともあり、あまり本を読まなかったんです。でもマクアケに入社し、たくさんのお客さんと会うようになってから、「本を読んで知識を身につけなければ」と実感し、毎日、出社前と就寝前を勉強の時間に充てています。
――本を読んで知識を身につけようっていうモチベーションは、どこから湧いたんですか?
今、名古屋拠点のリーダーをやっていて、いずれは仲間となる社員も増える予定です。そのとき、リーダーである私が知識不足だったり、頼りなかったりしたら、誰もついてこないと思うんです。私が理想とするのは、みんなの関係性がフラットでのびのびと働ける環境。決して上下関係は厳しくないけれど、強くて頼もしいリーダーのもとで、みんなが自由にやりたいことができるチーム。そんなチームを作るために、今からたくさん本を読み、知識を養っておきたいんです。
――武田さんのチームの仲間になったらのびのびとお仕事できそうです!最後にアルバイトを探したり、これから就職活動を控える学生の皆さんに、メッセージをお願いします。
今、お話したことと繋がりますけど、「皆で楽しくのびのびと」です。
大学時代はサッカー部に所属していたのですが、チームプレイについてとても多くの学びがありました。週6で練習と、かなりストイックな環境でしたが、「チームを皆で楽しくすること」って本当に重要なんだと実感したんです。コーチに厳しく叱られ、委縮してばかりでは、良いプレイができない。確かに厳しさは必要ですが、同時に、仲間で助けあったり、みんなで雰囲気を盛り上げていったりすることも必要なんだと思いました。それは今の仕事のスタンスにも影響しています。目標が達成できても、メンバーが体調を崩したり、楽しくなかったりするのはよくない。 「メンバーが楽しくできているか」が重要で、のびのびと仕事をしていたら結果もついてくると思います。
編集部のあとがき
世の中にない新しい商品やサービスを続々と生み出すMakuakeの応援購入サービス。プロジェクトに挑戦する参加者の人生にまで深くコミットし、「二人三脚でプロジェクトを成功させる!」武田さんの熱意がとても印象的でした。武田さん、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました!
自分が働きたい企業や職種を見つけ、そのためにはどんなガクチカやアルバイト経験をしてみるといいのか、自分の棚卸しをしてみると良いかもしれませんね。