本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。
本記事について
令和7年度の税制改正により、年収103万円の壁が160万円に引き上げられ、更に令和8年度の税制改正で178万円に見直しされることが決定しました。178万円の壁についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
また、大学生など19~22歳の「特定親族扶養控除」が創設され、子どもの給与収入が一定の範囲までは親などが控除を受けられる仕組みになりました。これにより学生アルバイトの「働き控え」が解消されることが期待されています。
以上を踏まえ、本記事では従来の「103万の壁とは何か」についてあらためて解説しています。
目次
扶養に入っている場合は、本人の所得税だけでなく、親や配偶者の控除額にも影響することがあります。以前は、家計の税負担を少なくしたい方は年収を103万円以内におさえる必要がありました。ただし、令和7年度税制改正により、103万円というラインの意味合いは変わっています。
当記事では、従来の103万の壁の概要や、103万を超えるとどのような影響があるのかなどを解説します。税負担をおさえたい方はぜひ参考にしてみてください。
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103万の壁とは?わかりやすく解説
103万円の壁とは、従来、給与収入が年103万円を超えると本人に所得税が発生する目安として知られていた制度上の境界線です。また、配偶者控除や扶養控除など、家族の税負担に関わる年収の目安としても意識されてきました。
この壁を超えると、世帯全体の手取り収入が減少する可能性があるため、多くの方が年収を調整して103万円以下に抑える傾向がありました。特に非正規雇用で働く配偶者にとって重要な指標となっていました。ただし、令和7年度税制改正によって、基礎控除額が最大95万円、給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げられました。
更に、令和8年度税制改正により、所得税の課税最低限は178万円まで引き上げられました。これにより、給与収入のみの場合、本人に所得税がかかり始める目安は年収178万円となり、103万円を超えても所得税の対象とはならなくなりました。ただし、配偶者控除や扶養控除は別の要件で判断されるため、178万円以下なら常に家族の控除にも影響しない、という意味ではありません。
103万の壁はいつから廃止?学生はなくなる?
給与所得者本人に所得税がかかり始める年収の目安は、令和7年度の税制改正で160万円に引き上げられ、103万円の壁は実質廃止となりました。更に令和8年度税制改正により178万円へ見直されました。
一方で、扶養控除や配偶者控除など家族側の控除は別の基準で判断されるため、「103万円の壁がすべて178万円になった」とは言い切れません。
また19歳以上23歳未満の親族が受けられる特定扶養控除も、上限の年収を150万円に引き上げられています。

加えて「特定親族扶養控除」が創設されました。これにより図のように子の年収が150万円を超えても控除額が徐々に減る仕組みになり、親が控除を受けられます。学生アルバイトの働き控え解消につながるかもしれません。
ちなみに学生本人の税負担を免除する、「勤労学生控除」も上限を年収130万円から年収150万円までに引き上げられました。
勤労学生控除の対象は高校生や大学生、一定の専門学生や職業訓練の生徒などで、アルバイトなどの給与所得がある人です。ただし、令和8年度の税制改正で、給与収入のみの場合の本人所得税の非課税ラインが178万円に引き上げられているため、150万円は現在の本人所得税の上限ではありません。
年収103万円を超えたらいくら払う?

年収が103万円を超えた場合、従来は超えた分に所得税率を乗じて所得税が計算されていました。
例えば年収が105万円の場合、103万円を超えた分の2万円に税率5%を乗じた1,000円の所得税が課されました。また、2037年までは所得税の他に「復興特別所得税」の納付も必要で、復興特別所得税は所得税額の2.1%の金額です。年収105万円の場合、復興特別所得税は21円で、合わせて1,021円を納付する必要がありました。
所得金額に応じた税率は下表のとおりで、所得が増えると税率は上がり、控除額も増加します。なお「課税される所得金額」は、1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。
※ただし、現在は年収103万円を超えただけで直ちに所得税が発生するわけではありません。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1000円~194万9000円 | 5% | 0円 |
| 195万円~329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
| 330万円~694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
| 695万円~899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
| 900万円~1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
| 1800万円~3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
| 4000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
年収103万円を少し超えたら起こること
ここからは「103万の壁」を超えた場合に起こる3つのことを解説します。働き方を考えるにあたって、年収が103万を超えたら家計にどのような影響があるのか把握しておきましょう。
親の税金に影響する
親の扶養に入っている場合、アルバイトの年収が103万を超えると親が受けている「扶養控除」が適用されなくなり、親の税負担が増加します。控除額は扶養に入っている子どもの年齢によって異なります。なお、子どもの年齢は計算する年の12月31日時点の年齢で判断します。
| 子どもの年齢(区分) | 控除額 |
|---|---|
| 16歳以上(一般の控除対象扶養親族) | 38万 |
| 19歳以上23歳未満(特定扶養親族) | 63万 |
親の扶養に入っている場合、子どもの合計所得金額が一定額を超えると、親の税負担も増えるため、家計に大きく影響します。扶養内でアルバイトをするかどうか、家族で話し合って検討する必要があるでしょう。なお、扶養控除の年収要件は、令和7年税制改正によって、給与収入のみの場合、103万円から123万円に変更されています。
配偶者の税金に影響する
夫や妻の扶養に入っている場合、自身の年収が一定額を超えると配偶者の「配偶者控除」が適用されなくなります。かつては年収103万円がその基準でしたが、令和7年度税制改正後は、給与収入のみの場合、配偶者控除の年収目安は123万円以下になりました。
ただし「配偶者控除」がなくなっても、年収201.6万円未満までは「配偶者特別控除」が適用されるため、123万円を少し超えたからといってすぐに控除額がゼロになるわけではありません。令和7年度税制改正後は、配偶者特別控除を満額受けられる年収目安は160万円以下に見直されています。
参考:家族と税|国税庁
所得税・住民税が発生または増加する
令和8年度税制改正後は、給与収入のみの場合、年収103万円を超えただけで直ちに所得税が発生するわけではありません。一方、住民税は所得税とは別の仕組みで、非課税となる収入の目安は自治体や本人の状況によって異なります。
なお、住民税には「所得割」と「均等割」があり、非課税限度額は自治体や扶養状況などによって異なります。所得税の基準と住民税の基準は一致しないため、住んでいる自治体の案内も確認しましょう。
なお、令和7年税制改正によって、110万円を超えると住民税が発生する可能性があります。
参考:パート収入と税金は、どのように関わっているのでしょうか?|横浜市
年収103万円に収めるメリット
ここからは、103万の壁を超えないように年収を調整するメリットを解説します。
| メリット |
|
従来の103万円の壁に年収を収めるメリットは、本人に所得税がかからず、家族の控除にも影響しにくい点でした。令和8年度税制改正後は、給与収入のみの場合、本人に所得税がかかり始める目安は178万円に見直されています。ただし、配偶者控除や扶養控除の年収目安は別に確認が必要です。
なお親の扶養に入っている場合、令和7年度税制改正後は、扶養控除の対象となる年収目安が給与収入のみで123万円以下に見直されています。生計を一にする親族の税負担を軽くできる点は大きなメリットですが、本人の所得税、親の扶養控除、配偶者控除はそれぞれ基準が異なる点に注意しましょう。
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年収103万円に収めるデメリット
反対に、103万の壁を超えないように年収を調整するデメリットは以下のとおりです。
| デメリット |
|
年収を103万におさえるデメリットは、働ける日数や時間を制限する必要があることです。勤務時間が短いため求人がなかなか見つからない場合があり、アルバイト先が決まらなければ無収入の期間が続きます。無事にアルバイトが決まっても、103万円という上限を気にしながらシフトを調整する必要があるでしょう。稼ぎ過ぎないよう働き方をコントロールすることも、年収を103万におさえるデメリットといえます。
メリット・デメリットの両方を把握し、どちらがライフスタイルに合っているのか検討した上で働き方を決めましょう。
103万の他にもある「年収の壁」一覧
103万の他にもある「年収の壁」について、種類と概要、配偶者控除を一覧表にまとめました。
| 年収 | 概要 | 配偶者の控除 |
|---|---|---|
| 103万円 (令和8年税制改正後は所得税について178万円、配偶者控除については123万円) |
超える場合、本人に所得税が課せられる | 「配偶者控除」を受けられる上限 |
| 106万円 | 従業員数51人以上の企業における社会保険加入条件のひとつ。正確には月額賃金が8.8万円を超えると社会保険料の負担が生じる | ‐ |
| 130万円 | 超える場合、親や配偶者の扶養から外れ、自ら国民健康保険・国民年金、または健康保険・厚生年金に加入しなければならず、保険料の負担が生じる | ‐ |
| 150万円 (令和7年税制改正後は160万円) |
‐ | 最大金額の「配偶者特別控除」を受けられる上限で、150万円を超えると控除額が段階的に減少する(令和7年税制改正後は160万円) |
| 201.6万円 | ‐ | 「配偶者特別控除」を受けられる上限で、201.6万円以上になると控除がなくなる |
参考:家族と税|国税庁
参考:女性の就労の制約と指摘される制度等について (いわゆる「年収の壁」等)
壁を超えたらどのような影響があるか知りたい方は以下を参考にしてみてください。
106万の壁
106万は、アルバイト先で社会保険に加入するかどうかに関わる要件の一つです。アルバイト先が「特定適用事業所」である場合、年収106万円(正確には月額賃金が8.8万円)を超え、特定の条件を満たすと、社会保険料の負担が生じます。「特定適用事業所」とは厚生年金に加入している従業員数が51人以上の規模の企業です。社会保険の加入の特定の条件は以下のとおりで、すべての条件を満たすと加入義務が発生します。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8万8,000円以上
- 2カ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない(夜間・通信制・定時制など、一部例外あり)
アルバイト・パートの社会保険加入条件について更に詳しく知りたい方はこちら
130万の壁
130万の壁は親や配偶者の社会保険上の扶養から外れる基準で、超過する見込みがあると国民年金・国民健康保険に加入して保険料を納付する必要があります。
ただ、アルバイト先で条件を満たしていれば社会保険に加入することになります。その場合は勤務先を通じて社会保険料を納付しましょう。厚生年金保険に加入した場合は、国民年金のみに加入していた場合よりも将来受け取れる年金が増額しますし、保険料の半分をアルバイト先が負担してくれるといったメリットがあります。
150万の壁
150万円の壁は、従来、配偶者が「配偶者特別控除」を最大額で受けられる年収目安として意識されていました。令和7年度税制改正後は、配偶者特別控除を満額受けられる年収目安が、給与収入のみで160万円以下に見直されています。なお、控除額は納税者本人(扶養する人)の所得金額によっても変わります。
150万の壁について更に詳しく知りたい方はこちら
関連記事:【社労士監修】年収150万円の壁とは?社会保険や手取り・配偶者控除との関係を解説
201万の壁
201万円の壁は「配偶者特別控除」が適用される年収の上限です。本人の給与収入が201.6万円以上になると、配偶者の「配偶者特別控除」は適用されなくなります。控除がなくなると配偶者の税負担が増えるため、上限を超えて働くかどうかは、世帯全体の手取りや社会保険の負担も含めて判断するとよいでしょう。
年収103万円以内で効率よく働く方法4つ
年収の壁の一つである103万以内で効率よく働く方法を紹介します。103万の壁のギリギリまで働きたいと思っている方は参考にしてみてください。
1.フリーランスで働く
扶養に入りながらフリーランスとして働けば、売上から控除額や経費を差し引いて、所得をおさえられる可能性があります。そもそもフリーランスは給与所得者ではないので、意識する壁は103万ではありません。フリーランスの所得税が発生する基準は基礎控除額である48万円となり、所得が48万円を超えたら所得税が課されます。
所得とは、収入から経費や青色申告特別控除等の所得控除を差し引いた金額で、事業収入や働き方によっては48万円以内におさえられるでしょう。フリーランスは自分で仕事を獲得する難しさがあるものの、自分のペースで働けるメリットがあります。なお、令和7年税制改正後の基礎控除額は、48万円から最大95万円に変更されています。
2.月収を85,000円以下におさめる
年収を103万円以内におさえたい場合、1カ月に稼げる収入は85,000円程度です。例えば、アルバイトの時給が1,200円で月収85,000円以内にしたい場合、1カ月に働ける時間は70.8時間、週に16.5時間程度です。週3日の勤務であれば1日に5.5時間ほど働けるでしょう。103万円以内に年収をおさえるなら、時給と勤務時間を計算して月収85,000円を下回るように調整することが必要です。
令和8年度税制改正後は、本人の所得税を意識する場合、年収178万円以下が一つの目安となります。そのため、月収の目安は約148,000円以下です。ただし、扶養控除や配偶者控除、社会保険の基準は別に確認が必要です。
3.シフト調整がしやすいアルバイトを探す
103万の壁を超えないためにはシフト調整がしやすいアルバイトを探す必要があり、中でも「扶養控除内勤務可」の条件で働けるアルバイトがおすすめです。他にも「大学生歓迎」「主婦(夫)歓迎」といった検索ワードで探せば、扶養内で働くことに理解のあるバイト先を見つけられるかもしれません。
アルバイトの採用面接の際には「扶養の範囲内で働きたい」「103万円以内におさえたい」と申告しておけば、採用後にシフトを配慮してもらえます。勤務日数や時間に融通のきくアルバイト先を見つけ、103万円以内の年収におさえましょう。
4.短期で働けるアルバイトを探す
年収を103万円におさえるために、期間限定の短期アルバイトをすることもひとつの方法です。短期アルバイトは1日で終了するものから数週間や1~2カ月にわたるバイトがあり、収入をコントロールしやすいメリットがあります。長期のアルバイトとは異なり急な出勤や延長がほとんどないので、シフトを調整する手間がかからないことも利点といえるでしょう。
ただし、ひとつのアルバイトが終わったら次を探す手間があるため、こまめに求人情報をチェックする必要があります。
年収の壁における現状と178万円の壁の背景

2024年11月に行われた衆議院選挙では、現在の与党である自民党と公明党が勝利したものの、議席を大きく減らす結果となりました。与党が政策を進めるうえでは、野党の協力が必要となり「103万円の壁を178万円の壁に引き上げる」という国民民主党の政策が注目されていました。
そもそも、年収103万円の壁は1995年から29年間変わっていませんでした。しかし、時代の変化で物価が上昇し、最低賃金は1995年と比較して1.73倍になっています。控除合計額も1.73倍に引き上げるべきと考えられたことを背景に「103万円×1.73=178万円」への引き上げが検討されていました。
178万の壁に引き上げられるのはいつから?
123万円や160万円への見直しを経て、令和8年度税制改正により、所得税の課税最低限は178万円まで引き上げられました。
年収178万の壁のメリットとは
ここからは、年収178万の壁のメリット・デメリットを解説します。
働き方の自由度が向上する
所得税がかかる年収の上限が増えるため、より自由に働けるようになります。アルバイトやパートの従業員であれば、現状より多くシフトに入ったり、長期休暇で集中的に就労したりなど、労働時間の制約が緩和されます。自由に働けるようになることで、職種やバイト先の選択肢が増えることもメリットになるでしょう。
人手不足が緩和する
年収の壁が引き上げられれば、人手不足が緩和されることも予測できます。昨今では、アルバイトやパートの労働力不足が原因で、既存のアルバイトが長期労働を余儀なくされる「バ畜」という問題も発生しています。
年収178万円に引き上げられれば、その分労働時間を伸ばせるため、アルバイト・パートの労働力を確保しやすくなるでしょう。「バ畜」のような問題も解消され、雇用主にとっても、従業員にとってもメリットとなります。
年収178万の壁のデメリットと考えられる問題点とは

社会保険に加入する必要が出てくる
特定適用事業所においては、年収106万円(月額賃金が8.8万円以上)を超えると、社会保険への加入が求められます。社会保険に加入することで、将来の年金受給額が増加したり、傷病手当金・出産手当金といった保障が得られたりするメリットはあります。
しかし、年収106万円では年間15万円程度、年収130万円では年間18万円程度の社会保険料が発生し、世帯の手取りが減少する可能性がある点はデメリットになるかもしれません。ただし、2024年12月5日に厚生労働省より、106万円の壁を2026年10月に廃止する旨の発表がありました。廃止が正式に決まった場合、新たに社会保険に加入することになるパートタイマーが大幅に増えると言われています。
地方公共サービスの利用に影響が出る
年収178万円の壁への引き上げにより、国や地方の税収に影響が出る可能性があります。地方公共団体の税収が減収すると、地方公共サービスの運営が難しくなるなど、私たち一般市民にも影響が出ると予測されます。また、高所得者ほど税負担軽減の恩恵が大きくなり、公平性も課題となるでしょう。
106万円・130万円の壁との兼ね合い
年収の壁には「103万円の壁」のような税制面の壁だけでなく、社会保険面での壁となる「106万円の壁」「130万円の壁」もあります。例えば、月額賃金が8万8,000円以上で、週20時間以上などの条件を満たすと、社会保険への加入が必要になる場合があります。所得税の壁よりも、社会保険の壁である106万円や130万円の壁のほうが、手取り収入に与える影響が大きいことがあります。
103万の壁に関するよくある疑問と回答
最後に、103万の壁についてよくある疑問に回答します。
Q.103万の壁はいつからいつまで?
103万の計算期間は1月1日から12月31日までです。かつてはこの1年間で得た収入の合計が103万円以下であれば所得税は課されていませんでした。現在は178万円以下が一つの目安になっています。
Q.103万は手取りと額面どっち?計算方法は?
103万円は1年間の手取り額ではなく、額面(税金や社会保険料が天引きされる前の給与)で計算します。アルバイトを掛け持ちしている場合はそれぞれの収入を合算し、103万円以下かどうか判断しましょう。1年の間にアルバイト先を変えた場合も同様で、在籍したすべてのアルバイト先の収入を合わせて計算してください。
Q.交通費は103万に含まれる?
103万の壁に「交通費」は含まれません。所得税は、原則交通費を除外した収入で計算します。
ただし、公共交通機関を使って通勤する場合、交通費の非課税限度額は月15万円のため、15万円の超過分は収入に加わります。車や自転車を使用して通勤手当をもらっている場合は、通勤距離に応じて定められた金額を超えた手当が課税対象となり、超えた分が収入に加わります。年収の壁を考える際は交通費を含めないようにし、交通費が非課税限度額を超えていれば、その分だけを収入に加えて計算しましょう。
参考:No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当|国税庁
Q.103万の内訳は?
従来の103万という金額は「基礎控除48万円」と「給与所得控除の最低額55万円」の合計額でした。給与収入が103万円以内の場合は控除によって所得がゼロになるため、所得税は課せられませんでした。(令和8年度の税制改正では「基礎控除109万円」「給与所得控除の最低額69万円」になりました。)
Q.103万の壁と106万の壁の違いは?
103万円を超えると「所得税」が発生します。一方、106万の壁を超えて特定の条件を満たすと「社会保険への加入義務」が発生し、保険料を支払う必要があります。
- 103万円=所得税に関わる壁
- 106万円=社会保険に関わる壁
と覚えてください。
Q.103万の壁は会社員に影響がある?
103万の壁は、主に扶養家族となっている配偶者の就労収入に影響を与えてきましたが、令和8年の税制改正後は意味合いが変わっています。会社員の配偶者については、178万円を超える収入を得た場合に所得税が発生します。
会社員が受けられる配偶者控除(最大38万円)が適用されなくなるのは年収123万円を超えた場合に変わりました。これにより、会社員の所得税や住民税が減少し、手取り収入が増える可能性があります。
更に、企業によっては扶養家族に対する手当を支給していますが、103万円の壁が廃止になっても従来どおり、配偶者の収入が103万円を超えるかどうかを支給基準にしたままの企業もあります。年間で数万円から十数万円の支給が受けられなくなった場合、家計への影響は小さくありません。
ただし、現在は配偶者の収入が103万円を超えても160万円までは配偶者特別控除が段階的に適用されるため、以前ほど極端な影響はなくなっているかもしれないです。また、共働き世帯が増加する中で、年収の壁を意識せずに働く選択をする家庭も増えています。
会社員世帯にとっては、配偶者の収入と控除のバランス、ライフスタイル、キャリア形成なども含めて総合的に判断することが重要です。税金や手当の変化だけでなく、将来的な収入アップやキャリア形成の可能性も視野に入れて検討すると良いでしょう。
103万の壁を意識して働き方を考えよう
従来の「103万円の壁」は、令和8年度税制改正によって意味合いが変わりました。給与収入のみの場合、本人の所得税の目安は178万円ですが、親や配偶者の控除、住民税、社会保険はそれぞれ別の基準で判断されます。103万円の壁以外にも家計に影響する年収の壁が存在するため、それぞれの違いを理解して働き方を検討することが重要です。
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監修者

エープロス社会保険労務士法人
葉名尻英一
社会保険労務士
掲載URL:https://x.com/hanajirisr
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