アルバイトにも退職金が支払われる?支給条件や相場、確認方法とは? | マイナビバイトTIMES
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    アルバイトにも退職金が支払われる?支給条件や相場、確認方法とは?

「アルバイトは退職金がもらえないの?」と疑問に思ったことはありませんか? 退職金と聞くと、正社員だけの特権のように感じるかもしれませんが、実はアルバイトにも支払われるケースがあります。ただし、その支払いの有無や金額などは企業によって異なるため、事前に確認することが大切です。この記事では、アルバイトに退職金が支払われる可能性や確認方法、支払われる金額の目安などについて解説します。


1. アルバイトは退職金を受け取れることもある! 支給条件は?

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退職金の支払いは法律で義務付けられているわけではなく、会社の判断に委ねられています。したがって、アルバイトに退職金が支払われるかどうかは、働いてる会社に退職金制度が設けられているかどうかで決まります。更に、支給条件も満たす必要があり、その内容も企業ごとに定められています。退職金の支給条件の一例には以下のようなものがあります。

  • 勤続年数(勤続〇年以上から支給、など)
  • 業務内容(正社員と同様の業務内容、など)
  • 労働時間(月に〇時間以上勤務から支給、など)

ただし、多くの企業では、アルバイトに対して退職金を支給していないケースが一般的です。就業規則が正社員と非常勤の2つに分かれて制定されていたり、そもそも就業規則が制定されていなかったりすることもあるためです。
また、アルバイトに退職金が支給される場合でも、「正社員と同様の働き方をしているアルバイトに限る」という条件が設けられていたり、正社員よりも金額が少なかったりと、すべての人が正社員と同水準の退職金を受け取れるとは限りません。

パートタイム・有期雇用労働法によるアルバイトの待遇改善が行われている

アルバイトに退職金が支払われるケースは少ないとお伝えしましたが、アルバイトの待遇は徐々に改善されてきています。
2020年4月に施行されたパートタイム・有期雇用労働法により、正社員とアルバイトの雇用形態の違いを理由にした不合理な待遇差を設けることが禁止されました。これにより、同一企業で働く正社員と職務内容が同じである場合は、アルバイトも退職金制度を利用できる可能性があります。

参考元:よくあるご質問(賃金・退職金・賞与関係)|厚生労働省 大阪労働局
2021年4月1日からパートタイム・有期雇用労働法が中小企業も適用に。|政府広報オンライン


2. アルバイトが退職金を受け取れるか確認する方法

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自分が退職金を受け取れるかどうかを知るためには、会社の退職金制度や支給条件を確認する必要があります。これらの情報は、「就業規則」「雇用契約書」「労働条件通知書」などで確認できます。

就業規則

就業規則とは、労働者の賃金や労働条件に関することなど、職場内の規則について定めたルールブックです。退職金制度を設けている企業は、就業規則で退職金について記載されています。

雇用契約書

雇用契約書とは、雇用主である企業側と労働者の間で、労働契約の内容を明らかにするために交わす契約書です。給与、就業場所、勤務場所、業務内容、退職などの労働条件に関する重要事項が記載されています。内定時や入社時に渡されることが多くなっていますが、法的な作成義務はないため、渡されないこともあります。

労働条件通知書

労働条件通知書とは、給与、就業場所、勤務時間、業務内容、昇給、退職などの労働条件が記載された書類です。労働条件通知書は法的な作成義務があるため、アルバイトであっても必ず受け取ります。内定時にもらうのが一般的ですが、入社日に渡されることもあります。
ただし、労働条件通知書は独立した書類である必要はなく、労働条件通知書に記載すべき内容を雇用契約書に記載しても問題ないため、雇用契約書が労働条件通知書を兼ねているケースもあります。
なお、退職金制度の詳細は「退職」という項目に記載されているのが一般的ですが、賃金の項目に「退職手当」などと記載されていることもあります。

勤務先の上司や相談窓口などに聞いてみる

文書で確認する以外にも、人に聞く方法もあります。上記の規則や書類などで項目が見つけられない場合や、記載されていても分かりにくい場合などは、勤務先の上司や人事に直接問い合わせてみましょう。


3. アルバイトの退職金の相場は?

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アルバイトの退職金の金額は、企業ごとに金額の設定が異なります。更に、「企業の退職金制度」「勤続年数」「労働時間」「掛け金の額」などによって大きく変動するため、相場を出すことは難しいと言えます。
ただし、アルバイトの退職金の考え方としてよくあるのは、月額の掛金に勤続月数をかけた額です。
例えば、月額1,000円の掛金で、2年勤続しているのであれば、1,000円×24カ月=24,000円が受け取れるという計算です。この場合は、勤続年数に応じて掛け金が積み上がり、退職金の金額も高くなります。


4. アルバイトの退職金について、よくある質問

アルバイトの退職金について、よくある質問を以下にまとめました。退職金の支払いについて不安がある方は事前にチェックしておきましょう。

Q. 退職金をもらえるタイミングはいつ?

退職金の支払い時期は、各会社の就業規則や支給条件などによって異なります。退職金の支払時期の規定がない場合は、最後の給与と一緒に振り込まれるケースが一般的ですが、念のため事前に確認しておくとトラブルを避けやすくなります。

Q. 退職金制度があるのに退職後も会社から支払いがされない。どうしたらいい?

労働基準法第24条の退職金規程にもとづき、会社は所定支払日に退職金を全額支払う必要があります。そのため、退職金が支払われない場合は会社に問い合わせして請求をしましょう。請求を受けた場合、会社は7日以内に支払わなければいけません。

Q. 退職金をもらったら、確定申告は必要?

退職金の額が、勤続年数に応じて決まる「退職所得金控除」以内であれば税金はかからず、確定申告も不要です。退職所得金控除額は、勤続20年以下は「40万円 × 勤続年数」で計算されます。しかし、勤続年数が2年未満でこの金額が80万円に満たない場合は、控除額が80万円になります。

例えば、退職金が「1万円×勤続年数」で計算される場合に10年勤務して退職したとすると、退職所得控除額は1×10=10万円となります。退職金が10万円で控除額が400万円で「退職金≦控除額」となり、所得税はかかりません。

なお、退職所得控除額を超えた場合には、住民税などが課せられます。その場合、退職時に勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておくと、税額が差し引かれた退職金が支給され、確定申告の手続きが必要なくなります。
もし確定申告が必要か迷った場合は、税務署や確定申告のサポート窓口で相談することをおすすめします。
参考元:よくあるご質問(賃金・退職金・賞与関係)|厚生労働省 大阪労働局
退職所得控除額|企業年金連合会


5. 契約内容を確認して、退職金がもらえるか把握しておこう

アルバイトの退職金は、企業ごとの契約内容によって異なり、必ずしも支給されるものではありません。そのため、事前に労働契約書や就業規則を確認し、制度や条件を理解しておくことが重要です。退職金が支給される場合は、支払いの時期や金額などを確認し、税金等の対応が必要かどうかといった点にも注意しましょう。


6. キャリアアドバイザーからのアドバイス

退職金は正社員だけがもらえると思われがちですが、アルバイトでも退職金が支給される場合があります。ただし、正社員であっても退職金制度がない会社も存在します。
退職金の支給有無や条件は会社によって異なるため、就業規則の退職金規定や雇用契約書を確認するか、アルバイト先の上司に相談してみましょう。特に、退職金の支給に在籍期間が条件となっている場合があります。「あと少し勤務すれば支給対象だった」という後悔を避けるためにも、早めの確認をおすすめします。


監修者

有限会社キャリアドメイン 代表取締役
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)氏
https://www.careerdomain.net/


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