103万の壁を超えたらバレる?超えてしまった際の対処法を解説 | マイナビバイトTIMES
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    103万の壁を超えたらバレる?超えてしまった際の対処法を解説

アルバイトしている学生のなかには、「103万円を超えてもバレないのではないか」と考えている方もいるかもしれません。また、2025年3月より所得税の課税最低限が103万円から160万円へと引き上げられたため「結局どうなったの?」と疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、旧・新基準の違いや壁を超えてしまった場合の影響、対処法について分かりやすく解説します。


103万の壁を超えるとバレるのはなぜ?

103万の壁を超えてしまった時にバレてしまう理由は、以下のとおりです。

給与支払報告書が住んでいる市区町村に提出されている

企業は給与支払報告書の提出が義務付けられているため、103万の壁を超えたことは市町村に把握されます。給与支払報告書には従業員の収入額が記載されており、市町村はこれをもとに個人の所得を把握しているためです。

手渡しの場合も給与支払報告書は提出されるため、「扶養内に収めたつもり」でも収入を超えていればすぐに発覚します。扶養内で働きたい場合は、あらかじめ収入を正確に管理し、報告の仕組みを理解しておきましょう。

源泉徴収票が税務署に提出されている

源泉徴収票が税務署に提出されているため、収入を隠すことはできません。企業は従業員に支払った給与の源泉徴収票を作成し、税務署に提出する義務があります。源泉徴収票とは、給与額や源泉徴収された税額が記載されているものです。

給与支払報告書と同様に、扶養の範囲を超えた場合は手渡しであっても税務署に認識されます。自分の収入状況を正しく把握し、適切に申告・報告することで、不要なトラブルを防ぎましょう。

以下の記事ではアルバイトの源泉徴収について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:アルバイトでも源泉徴収票はもらえる?必要なケースやもらえない場合の対処法を解説!


そもそも103万の壁とは?

103万の壁とは、年収が103万円を超えた際に所得税がかかるボーダーラインです。

「基礎控除(48万円)」と「給与所得控除(55万円)」の合計が103万円となっています。ちなみに、控除とは税金を計算する時に収入から差し引ける金額のことです。

アルバイト・パートで働いている人は、年収が103万円以下であれば所得税がかかりません。課税をされたくない方は、年収が103万円を超えないように、勤務時間などを調整して年収の管理をすることが重要です。

なお、2025年3月より所得税の課税最低限が103万円から160万円へと引き上げられました。以下の記事では103万円の壁と160万円の壁についてより詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【簡単解説】103万の壁とは?いつから廃止?手取りや基礎控除について解説


103万の壁を超えるとどうなる?

2025年からは103万の壁→160万円の壁へと引き上げられるため、ここからは2024年までに103万の壁を超えると起こっていたことについて解説します。

自身の収入から所得税がかかる

年収が103万円を超えると所得税の支払い義務が発生します

例えば年収130万円の場合、130万円から103万円を引いた27万円が課税所得となり、この27万円に所得税率5%をかけた13,500円が所得税として引かれます。収入が増えても手取りが増えない、または減ってしまう可能性があり、働き方を工夫する必要があるでしょう。

学生の場合は勤労学生控除を適用することで、年収130万円まで所得税を抑えられます。勤労学生控除を正しく理解し、自分に合った働き方を選ぶことで、効率よく手取りを確保できるでしょう。

以下の記事ではアルバイトの所得税について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:アルバイトでも所得税が引かれるのはなぜ?103万以下なのに引かれた・払い過ぎた場合の対処法を解説

住民税の支払いが発生する

年収が103万円を超えると、所得税だけでなく住民税の支払いが発生します

住民税は住んでいる自治体によって税率が異なるため、あらかじめ地域の税率を確認し、正確な住民税額を把握しておくことが大切です。想定外の税負担を避け、収支の管理をしやすくなります。

扶養控除がなくなり親の税負担が増える

年収が103万円を超えると、扶養控除が受けられなくなり、親の税負担が増える可能性があります

学生アルバイトの多くは、扶養に入っていることで親の所得税や住民税が軽減されています。年収が103万円を超えると控除を受けられなくなり、扶養者である親の納税額が増え、結果的に家計の可処分所得が減少するリスクがあるため注意が必要です。

年収が103万円以下であれば扶養に入っていることで住民税と所得税が免除されるため、家計に負担をかけないように、収入の見通しを立てたうえで働き方を調整しましょう。


確定申告をしなかった場合のペナルティ

確定申告をしなかった場合のペナルティは以下のとおりです。

無申告加算税が上乗せされる

確定申告をしなかった場合は、無申告加算税が上乗せされます。無申告加算税とは、以下の割合を納付税額にかけた金額のことです。

  • 納付税額が50万円まで:15%
  • 納付税額が50万円超300万以下:20%
  • 納付税額が300万円以上:30%
  • 税務署の調査が入る前に自主的に期限後申告した場合:5%

申告期限から1カ月以内に、自主的に納付をした場合は無申告加算税は課されません。確定申告をしなかった・忘れてしまった場合に無申告加算税が発生すると覚えておきましょう。

延滞税が発生する

確定申告しないまま無申告が発覚すると、無申告加算税に加えて延滞税がかかる可能性があります

基本的には確定申告の期限(3月15日)までに税金を納める必要があります。期限までに納税をしなかった場合に延滞税が発生し、4〜5月ごろに税務調査によって明らかになることが多いです。

延滞税は納付期限の翌日から納付するまでの日数で課されるため、延滞している期間が長いほど税金が高くなります。期限内に申告・納付を行うことで余計な税負担を回避でき、安心して働き続けられるでしょう。

脱税にあたる可能性がある

確定申告をしなかった場合、脱税にあたる可能性があります。税務署の調査が入り、確定申告の必要性を認識しながら申告を怠ったと認められた場合、脱税の罰則を受けることになります。

脱税の場合、適用される法律によって変わりますが「10年以下の懲役、1000万円以下の罰金または両方」を課される可能性があるため、罰則の重さを理解し、確実に確定申告を行ってください。

税金の納付は「忘れていた」が通用しません。犯罪にあたるという意識をもち、適切に確定申告を行うことで、罰則や延滞税のリスクを回避しましょう。


学生が103万の壁を超えて扶養から外れた際にすること

学生が103万の壁を超えて扶養から外れた際にすることは以下のとおりです。

扶養者にすぐ報告し相談する

扶養から外れてしまった場合は、すぐに親やパートナーに報告しましょう。扶養者の税金や保険に影響があるため、判明した時点で報告・相談することが大切です。年末調整や扶養控除に関するトラブルを未然に防ぐため、早めの対応が重要です。

また、103万円の壁を超えた旨をアルバイト先にも伝えると、必要な手続きや処理に備えられます。正しく報告することで、家族や職場に迷惑をかけずに済み、安心して働き続けられるでしょう。

確定申告を行う

103万円の壁を超えた場合は、確定申告を行い、適切な税金を納める必要があります。確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課されたり、脱税とみなされ重い処罰を受けたりする可能性があるでしょう。

複数のアルバイトをしている場合や、手渡しで給与をもらっている場合は、申告漏れがないように注意しましょう。正しく申告することで安心して働き続けられ、万が一のトラブルも回避できます。

税金や社会保険料を支払う

扶養から外れた場合は、税金や社会保険の支払いを忘れずに行いましょう。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料

納付する金額は所得に応じて異なります。支払いの際には納付書が送られてくるため、指定された期限までに必ず支払いをしましょう。


学生の103万の壁に関するよくある質問

最後に、学生の103万の壁に関するよくある質問について回答します。

Q.バイト掛け持ちで103万の壁を超えたらどうする?

アルバイトを掛け持ちして年収103万円を超える場合は、メインで働いているアルバイト先で年末調整を行いその他の勤務先分は自分で確定申告をする必要があります。確定申告を忘れていると延滞税が課される可能性があるため注意が必要です。

以下の記事では、複数のアルバイトをしている人の年末調整について詳しく解説してありますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【税理士監修】アルバイトを掛け持ちしていると年末調整の対象?103万以下の場合は確定申告不要?

Q.103万の壁を超えずに働くコツは?

103万円の壁を超えないためには、以下のポイントを踏まえて計画的に働くことが大切です。

  • 毎月のバイト代を8万円未満におさえる
  • 職場に扶養内で働きたい旨を伝える
  • 繁忙期や時給UPなどに注意して働く
  • 勤務時間や勤務日数を管理する

103万円の壁を超えると親や扶養者の税金負担が増え、家計全体に影響を与える可能性があるため注意しましょう。

Q.103万の壁以外にも年収の壁はある?

103万の壁を含めた年収の壁を一覧で紹介します。

  • 100万の壁
  • 103万の壁
  • 106万の壁
  • 130万の壁
  • 150万の壁
  • 160万の壁
  • 201万の壁

住民税、所得税に関わる「100万の壁」「103万の壁」「150万の壁」「160万の壁」「201万の壁」と、社会保険の加入に関わる「106万の壁」「130万の壁」といった種類になります。

法律の改正によってすでに廃止となっているものもあるため、それぞれ把握しておきましょう。

以下の記事では150万の壁について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【社労士監修】年収150万円の壁とは?社会保険や手取り・配偶者控除との関係を解説


103万の壁に注意した働き方をしよう

今回は「103万の壁を超えたらなぜバレるのか」や「確定申告をしなかった場合のペナルティ」について解説しました。103万の壁を超えてしまった場合は、必ず確定申告を行いましょう。「やり方が分からない…」といって放置していると、重いペナルティが課されてしまうため、本記事を読んで103万の壁をしっかりと理解していただければ幸いです。


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