この記事の要約
- レジャー・アミューズメント業界は、人と関わることや楽しませること、運営に関わることが好きな方に向いている
- 正社員とアルバイトでは、勤務形態や給与体系、仕事内容が異なる
- 正社員は店舗の運営や商品の企画などにも携わることができる
余暇を楽しむための施設やサービスを提供する業界は「レジャー・アミューズメント業界」と呼ばれ、具体的には、遊園地やゲームセンター、カラオケ、パチンコ店、スパなどがそれにあたります。アルバイトでは現場スタッフの求人がよく見受けられますが、正社員になると施設の運営やサービスの企画に携わることもできます。この記事では、レジャー・アミューズメントに関するお仕事について、詳しい仕事内容や向いている人の特徴などを解説します。
1.レジャー・アミューズメント関連の正社員に向いている人の特徴
正社員として働くうえで考えたいのは、仕事の特性と自身の性格や得意なことが合っているかどうかです。どのような人がレジャー・アミューズメント関連の正社員に向いているのか、その特徴を解説します。
『楽しませること』が好き
レジャー・アミューズメント関連は、お客さまが楽しい時間を過ごしたり、リラックスできる機会を得られたりするようなサービスを提供する仕事です。そのため、人を楽しませることに喜びを感じられる人や、サービス精神が旺盛な人は、楽しみながら仕事に携わることができるでしょう。
誰かの笑顔が見たい
接客や企画、運営といったレジャー・アミューズメント関連のどの職種においてもお客さまが満足していただけるように努めることが求められます。「お客さまの笑顔が見たい」と目標を持って頑張れる人は、この仕事に向いているでしょう。
運営に関わってみたい
レジャー・アミューズメント関連の正社員になると、自社が提供する施設やサービスの運営に、企画の段階から携わることもできます。お客さまに直接関わることだけでなく、提供する企画内容そのものを考えてみたいと思う人は、正社員として働くことをおすすめします。
人と関わることが好き
レジャー・アミューズメント関連の正社員の業務の一つに、店舗の運営業務があります。そこで重要なことは顧客満足度向上であり、そのためには現場で接客を行うアルバイトの人材採用・育成が重要なカギになります。「笑顔で接客できるようになった」「会員登録の説明と入会手続きがスムーズにできるようになった」など、部下やアルバイトの成長が見えた時にやりがいを感じられる人は向いていると言えるでしょう。
2.レジャー・アミューズメント関連の職種と仕事内容
一口にレジャー・アミューズメントの仕事と言っても、その仕事内容は扱う商品やサービス、職種によってさまざまです。以下では、代表的な職種とその仕事内容について解説します。
映画館の仕事内容
映画館での主な業務は、お客さまに対応する「接客」です。チケットの販売やもぎり、自動券売機の案内や説明、グッズの販売、フロアの清掃業務、フード販売を行うコンセッション業務など、業務内容は多岐にわたります。そのほかにも、映画館の運営業務や映写機やフィルムを扱う映写業務などがあります。
遊園地・テーマパークの仕事内容
遊園地・テーマパークの主な業務は「接客」で、入場券や乗り物チケットの販売、アトラクションの設備・機器の運転、フード販売などが含まれます。その他、警備や清掃、設備の保守管理、施設の運営業務など、お客さまと直接関わらない仕事もあります。
カラオケ・ネットカフェ・マンガ喫茶の仕事内容
カラオケやネットカフェ、マンガ喫茶の正社員の仕事は、受付・会計や清掃、料理やドリンクの配膳などを行うホール・フロント業務と、店舗管理・マネジメント業務の大きく2つに分かれます。企業により異なりますが、カラオケ店の勤務経験者は、正社員として比較的早い段階でマネジメント業務を任されるケースもよく見かけます。いずれも資格不要で、未経験から始めやすい仕事です。
パチンコ・アミューズメントの仕事内容
パチンコ・アミューズメント施設における正社員の主な仕事は、お客さまの案内やレジ対応、機器の移動・入れ替え、景品の発注や在庫管理などです。また、お客さまに直接関わらない仕事として、アルバイトの採用・教育や、機器からお金を回収する業務、競合店の客入りや稼働率のチェックなどを担当することもあります。
特に資格は必要なく、未経験でも応募できる求人がほとんどです。キャリアアップとして、パチンコ・スロット台(遊技機)の設置や点検などを行うための「遊技機取扱主任者」や、店舗運営の専門知識を持っていることを証明する「パチンコ店舗管理者実務能力検定」などの資格を取得すると、より重要なポジションを任される可能性があります。
スポーツジムの仕事内容
スポーツジムで働く正社員の仕事内容としては、お客さまへのレッスン指導や、アルバイトの採用・教育、店舗の運営などがあります。アルバイトがレッスン指導や受付といった接客を中心に携わる一方で、正社員になると店舗全体の運営も任されることが一般的です。資格を持っていなくても未経験から働くことができます。講習や試験を受けて取得できる各種インストラクターの資格やトレーニング指導者の資格があるとキャリアアップに役立ちます。
スパ・レジャー施設の仕事内容
スパ・レジャー施設の正社員の仕事内容は、フロント・受付業務などの接客をはじめ、施設内の設備管理、清掃業務など、お客さまが快適に過ごせるような環境を整える業務が中心となります。その他、施設の運営やアルバイトの採用・育成などの裏方的な立場で施設を支える業務も含まれます。
ワゴン販売・売り子の仕事内容
ワゴン販売は、お菓子や軽食を載せたワゴンを使って販売する仕事です。このスタイルは、病院やカフェなどでよく見られます。売り子は、球場やスタジアムで観客にお酒やソフトドリンク、おつまみ、軽食などを販売する仕事。売り子の場合、個人の売上に応じて給料に加算される「歩合制」を導入しているところも多く、頑張ったぶんだけ報酬が得られるところにやりがいを感じる人も多いでしょう。いずれの仕事も、接客業のためコミュニケーション力を活かせることがあります。
3.レジャー・アミューズメント関連の正社員とアルバイトの違い
レジャー・アミューズメント関連の正社員になった場合、アルバイトとはどのような違いがあるのでしょうか。気になる待遇面や勤務形態などについて、詳しく見ていきましょう。
正社員とアルバイトの勤務形態
アルバイトは基本的にシフト勤務で、勤務日数や勤務時間をあらかじめ企業側と定めて固定するパターンや、自分の希望を申告できるパターンなどがあり得ます。
正社員はシフト勤務のほか、定時勤務できるケースもありますが、いずれも1日8時間、週休2日制が基本です。スパやネットカフェ、スポーツジムなどの24時間稼働する施設では夜勤も含まれるため、社員であっても、1日の時間帯をいくつかに区切ったシフトが割り当てられることが一般的です。勤務形態は会社や提供するサービスによって異なるため、応募時や面接時にきちんと確認しておきましょう。
正社員とアルバイトの給与体系
アルバイトの給与体系のほとんどが、時給もしくは日給制です。勤務日数や勤務時間によってその月の給料が換算されるため、シフトによっては収入が安定しづらいかもしれません。
一方で、正社員は月給制で固定給が支払われるのが一般的であるため、収入が安定し、将来の見通しがつきやすくなるでしょう。また、正社員には月収とは別に賞与が支給されることもあります。責任あるポジションを任されるようになれば、昇給も見込めます。
正社員とアルバイトの仕事内容
アルバイトは正社員の指示のもと、接客や遊戯機・商品の準備運営などを行うのが一般的です。基本的にはお客さまが訪れるフロアに立ち、店舗運営がスムーズになされるように現場で働きます。
正社員として最初に任される業務は、接客がメインとなります。接客のアルバイト経験があれば、それを活かすことができるでしょう。一般的に正社員は現場の接客に従事するだけではなく、慣れてきたら店舗の売上管理や業者とのやりとり、アルバイトのフォローなど裏方的な立ち位置で会社を支える業務の割合が増えていきます。そのため、アルバイトスタッフや店長などさまざまな社内メンバーと密にコミュニケーションをとる機会も多いでしょう。正社員になれば店舗や現場だけでなく、本社に勤務するケースもあり、仕事の選択肢は広がります。
4.レジャー・アミューズメント関連の正社員になるメリット・デメリット
レジャー・アミューズメント関連の正社員として働くメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
レジャー・アミューズメント関連の正社員のメリット
レジャー・アミューズメント関連の正社員になると、仕事の成果に応じて昇給や昇格を見込める可能性があり、収入が安定しやすいことに加えて、キャリアアップや将来の転職のための経験・実績を積むことができます。
また、レジャー・アミューズメントの正社員になれば、現場での接客のみでなく、店舗の運営や商品の企画など携わる仕事の選択肢の幅が広がります。レジャー・アミューズメントの仕事に興味を持っている方にとっては、正社員になれば自分が好きな製品やサービスの裏側を知ることができると同時に、それらを自分が担当する店舗で取り扱うかどうかも決められるかもしれません。市場に出回る前の新製品を試したり、メーカーから直接、製品の魅力を聞けたりする貴重な経験になるでしょう。
レジャー・アミューズメント関連の正社員のデメリット
レジャー・アミューズメント関連の仕事の繁忙期は、世の中の多くの人にとっての休日や長期休暇期間にあたります。そのため、正社員として働く場合は、カレンダー通りの休日や長期休暇を取りにくくなる可能性があります。また、正社員になると、転勤や異動の可能性も考えられるため、働く場所を変えたくない人にとってはデメリットに感じられる面も出てくるでしょう。
5.レジャー・アミューズメント関連の正社員についてよくある質問
レジャー・アミューズメント関連の正社員を目指す人から寄せられる「よくある質問」にキャリアアドバイザーがお答えします。レジャー・アミューズメント関連の正社員について入社後の疑問や不安を抱えている方はぜひ、参考にしてみてくださいね。
Q1. レジャー・アミューズメント施設の閉店などを見ると、将来性に不安を感じます。大丈夫でしょうか?
業界の特性上、施設の新規開店だけでなく、閉店が発生することも起こり得るため、人材や店舗移動が流動的になることはあります。将来性に不安を感じることがあったとしても、正社員としてしっかりと経験を積めば、今後のキャリアをいくらでも切り開いていくことができます。接客や人材管理、店舗運営、営業など、自分の頑張り次第で自身の市場価値も高まるはずです。また、企業の将来性を見通すのは難しい側面もありますが、求人を探す際は、「長期にわたって安定した業績を上げているか」「業界内で成長している企業か」などを調べ、経営が安定していると考えられる企業選びが大切です。
Q2. 正社員になると、残業が多くなるイメージがあります。実際のところはどうなのでしょうか?
残業の有無や時間数は、企業や店舗、職種によって異なります。また、店長をはじめとしたオペレーションスタッフの場合は、営業時間内に行うルーティン作業も多いため、仕事に慣れてくれば自分の取り組み次第で仕事の負担が軽減されることもあります。また、残業が人手不足のために起きているならば会社側にそのことを伝えて対策を検討するのも一手です。採用や育成を充実させ、現場の仕事はできるだけアルバイトなど他のスタッフに任せると、自身の業務により集中できるようになるので、残業も少なくなるでしょう。
Q3. 人材の管理ができるか不安です。リーダーとしての経験がなくとも、正社員が務まるでしょうか?
人材管理は最初からできる人のほうが少ないため、徐々に慣れていけば問題ありません。まずは周囲の正社員がどのように従業員の方々と接し、店舗運営を任せているのかを観察することから始めてみましょう。企業によっては新人研修や、先輩社員のサポートを受けながら実務を通してノウハウを学べる「OJT(※)」もありますので、人材管理に意欲的に取り組む姿勢がある方であれば、多くの企業で歓迎されるでしょう。
※OJT(On the Job Training)とは、上司や先輩社員が指導役となり、新人社員や若手社員に対して、現場での実務を通じて業務の知識やノウハウを教える教育手法です。
6.キャリアアドバイザーからのアドバイス
好きなことの裏側を知れたり、社内メンバーで同じ「好き」を共有できたり、お客さまや社内メンバーとのコミュニケーションが好きな方にとっては、正社員になることで安定して仕事に携わる環境に身を置くことができます。正社員は雇用期間に制限がないため、いきなり解雇されるようなこともほぼありません。先輩社員から業務を教えてもらいながら、少しずつ経験と知識、スキルを身に付けていきましょう。
「楽しませることが好き」「運営に関わってみたい」といった考えが少しでもあれば、正社員に向けて一歩を踏み出してみましょう。好きな分野や趣味の知識を仕事に活かし、将来に向けて力をつけることもできるはずです。あなたの「好き」の幅を広げながら有意義な社会人生活を目指してみてください!

監修者
一般社団法人キャリアラボ
https://kokoswitch.com/
株式会社みらぴか
キャリアコンサルタント
成田 炳洸(なりた ともひろ)氏
https://mirapika.jp