アルバイトは交通費がもらえるのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。アルバイトでも交通費をもらえますが、交通費をもらうためのルールや条件、注意点があります。
本記事では、アルバイトで交通費をもらうための条件や種類について解説します。また、交通費の計算方法や注意点を紹介します。アルバイト先の交通費で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
アルバイトで交通費は支給されるの?
アルバイトの交通費が支給されるかどうかは、企業によって異なります。アルバイトの交通費の支払いは法律で義務づけられているわけではないためです。
遠方の勤務地でアルバイトを行う場合、交通費があるかないかで手取り額が大きく変わります。アルバイトを希望している方は、交通費の支給があるかどうか、応募する前に確認しておきましょう。
また、交通費を申請する際、以下のうち、自分がどの条件に当てはまるかを確認しておきましょう。
- バスでの通勤
- 電車での通勤
- 自家用車での通勤
企業によっては全額支給や半分支給など、支払い額や支払い形態がさまざまです。事前に確認・申請をすることで、余計な出費を防ぎ、安心してアルバイトを始められます。
アルバイトで交通費が支給される条件
アルバイトの交通費支給には、企業ごとに異なる条件が設定されています。交通費の支給は企業の裁量によって条件が決まるためです。上記で説明したとおり、交通費の支給は義務ではないため、支給額や支給の条件は企業によって異なります。
交通費の支給条件の例は以下のとおりです。
- ◯日、◯時間以上の勤務で交通費支給
- ◯キロを超える通勤距離で交通費支給
- 交通手段による交通費支給(公共交通機関、車)
アルバイトに応募する際は、トラブルを防ぐため、募集要項に記載されている交通費の支給条件を必ず確認しておきましょう。
交通費の支給額の種類
交通費を受給する際は、種類によって金額や受け取り方が異なります。交通費の支給額の種類は以下のとおりです。
全額支給
交通費の全額支給は自宅から勤務先までにかかる交通費を、企業が全額負担します。自己負担がゼロで通勤できるため、魅力的な制度です。
支給額に限度はなく、かかった分の交通費が支払われます。アルバイト先が遠方にある場合は、交通費の自己負担がないため、とても良い条件で働けるでしょう。
例えば、往復1000円の通勤を週5日行うと、1カ月で約20000円の交通費を節約できます。全額支給を受ける場合は、企業が定める「最短距離かつ最安」での通勤が原則になります。事前にルート確認をしておきましょう。
一律支給
交通費の一律支給は通勤距離に関係なく、企業側が事前に決めた金額が支払われます。
例えば、「一日に一律で1000円の支給」のように企業が決めた金額が支払われます。通勤距離が短い人にとっては交通費をカバーしやすくなりますが、遠方から通勤する場合は、自己負担額が多くなる可能性があるでしょう。
自身の通勤スタイルにあった支給方法かどうか、応募前に募集要項をしっかり確認しておくことが大切です。
一部支給
交通費の一部支給は支給する交通費に上限を設けて支払われます。
例えば、「1日に1000円まで」「月に15000円まで」のように、支給額に上限を決めてその範囲内で支給されます。そのため、超過分は自己負担になるため注意が必要です。
交通費支給額の計算方法
交通費の支給額は通勤の方法によって異なります。交通費支給額の計算方法は以下のとおりになります。
電車やバス
電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は、基本的に最短距離かつ最安の料金分の交通費が支給されます。
ただし、通勤ルートによって例外があります。通勤に時間がかかりすぎてしまう場合は、交通費が少し高くても所要時間の短いルートが認められることもあります。
例えば、遠回りして安く通うよりも、早く着くルートを選べる場合です。企業によって支給方針が異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、交通費は基本的に往復分支給されるため、往復分を算出して申請するようにもしましょう。
車やバイク
車やバイクで通勤する場合は交通費の支給方法を把握しておくことで自己負担を減らすことができます。アルバイト先によって、交通費の支給方法は複数あります。
- 勤務先までの距離で支給
- 一律支給
- ガソリン代の実費支給
勤務先までの距離で支給される場合は、「1キロで~円」のようにアルバイト先で決められており、距離に応じて支給されることが多いです。
一律支給の場合は、前述したようにアルバイト先が決めた金額が支給されます。通勤にかかったガソリン代が支給される場合は、証明するための領収書が必要になるため、紛失しないよう注意しましょう。
支給形態を事前に確認しておくことで、通勤コストを最小限に抑えられます。支給のルールを把握しておけば、「思ったより交通費が出なかった」というトラブルを防げるため、安心して働けるでしょう。
自転車や徒歩
自転車や徒歩の場合は、基本的に交通費は支給されないケースが多いです。アルバイト先が自宅から近く、自転車や徒歩で通勤しようと考えている方は交通費が出ないことがほとんどです。
ただし、アルバイト先によって、交通費を一律支給している場合や通勤手段に関係なく交通費を支給されるケースもあります。
交通費と103万円の壁の関係
扶養内で働く方は、交通費の課税・非課税に注意が必要です。交通費は条件によって課税扱いとなるため、「103万の壁」を超えてしまい扶養から外れてしまうリスクがあります。
扶養内で働くのであれば「103万円の壁」について理解し、調整する必要があります。年収を103万円以内に抑えて働くために、交通費が課税か非課税かを確認しましょう。
ここでは交通費と103万壁の関係について解説していきます。
なお、2025年3月より所得税の課税最低限が103万円から160万円へと引き上げられました。以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:【簡単解説】103万の壁とは?いつから廃止?手取りや基礎控除について解説
公共交通機関の場合
公共交通機関を利用する場合は、交通費は月15万円までが非課税になります。20日出勤の場合、月15万円を超える交通費は以下のとおりです。
1日あたりの交通費
150,000(円)/20(日)=7,500(円)
1日あたりの片道の交通費
7,500(円)/2=3,750(円)
かなり遠方のアルバイト先でもない限り、交通費が15万円を超えることは少ないでしょう。ただし、遠方のアルバイト先に通勤しており、全額支給される場合は、課税対象になる可能性があるため注意が必要です。事前に交通費の支給額を確認し、無駄な税負担を避けましょう。
車やバイクの場合
車やバイクで通勤する場合の非課税限度額は、以下のとおりです。
片道の通勤距離 | 課税されない金額 |
---|---|
2キロメートル未満 | 全額課税 |
2キロメートル以上10キロメートル未満 | 4,200円 |
10キロメートル以上15キロメートル未満 | 7,100円 |
15キロメートル以上25キロメートル未満 | 12,900円 |
25キロメートル以上35キロメートル未満 | 18,700円 |
35キロメートル以上45キロメートル未満 | 24,400円 |
45キロメートル以上55キロメートル未満 | 28,000円 |
55キロメートル以上 | 31,600円 |
片道2キロメートル未満の場合は、交通費の全額が課税対象になるため注意しましょう。
課税金額が気になる場合は、2キロメートル未満でも交通費が課税対象にならない、公共交通機関の利用や自転車などの通勤方法を選択することがおすすめです。
交通費が給与に含まれる場合
交通費が給与に含まれている場合は、交通費も課税対象になります。交通費と給料を別に支給せず、交通費を含んだ時給で計算されている場合があります。この場合、交通費も含めて給与とみなされるため、交通費も課税対象になります。
前述したとおり、公共交通機関を利用して通勤している場合は、月15万まで非課税です。ただし、給与に交通費が含まれている場合は、交通費が15万以下でも課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
給与明細を見てどういう形で給与が振り込まれているか確認が必要になります。
アルバイトで交通費をもらう際の注意点
アルバイトで交通費をもらう際の注意点は、以下のとおりです。
初任給までの交通費
初任給までの交通費は自己負担になるため気を付けましょう。
交通費は給与と同時に振り込まれるため、最初は自分で立て替える必要があります。必要な交通費を把握しておかないと、金銭的な負担が大きくなる可能性があります。
出勤初日から安心して働き始められるよう、交通費を見積もり、事前に準備しておきましょう。
応募前に交通費の支給条件を確認する
応募前に交通費の支給条件を必ず確認しましょう。事前に確認しておかないと、「思っていたより交通費が支給されなかった」といったトラブルにつながる可能性があります。
例えば、全額支給と思っていたら上限があるケースや、一定距離未満は支給されない職場もあります。応募前に条件を確認しておくことで、安心して働ける環境を選ぶことができます。
虚偽の申告をしない
交通費の支給では、虚偽の報告をしないようにしましょう。
- 通勤距離の虚偽報告
- 公共交通機関を利用した距離の虚偽報告
- 引っ越し後も、旧住所での交通費を受給
虚偽の報告で交通費の受給が発覚すると、今までに支払われた交通費の全額返金を求められたり、悪質性が認められると懲戒処分に、最悪の場合、詐欺罪や横領に当たる可能性もあります。
処罰を受けずともアルバイト先の信頼や人間関係を悪くする原因になるため、虚偽の報告はやめましょう。正確な申告を心掛けることで、安心して働き続けられ、職場からの信頼も得られます。
振り込まれた支給額を確認する
交通費が振り込まれた際は、給与明細を見て支給額・内容を確認しましょう。
- 全額支給、一律支給、一部支給のいずれか確認
- 振り込まれた交通費があっているか確認
- 交通費が課税対象、非課税対象の確認
振り込まれた金額が明細と合っているか、課税対象になっていないかなどを確認することで、誤った金額の支給や課税による損失を未然に防げます。
支給額に間違いがないか確認し、金額が一致しなかった場合は必ず上司に報告し、相談しましょう。
アルバイト先で伝えた交通手段を使う
アルバイト先で申請した交通手段を使い、通勤手段は必ず守りましょう。会社に届けた通行手段と違って交通費をもらっている場合、不正受給とみなされる可能性があります。最悪の場合は懲戒処分の対象になることもあるため注意しましょう。
引っ越し後も旧住所のままで申請していたり、実際には交通費がかかっていないにもかかわらず受給していると、虚偽の申請と判断される可能性があります。
正しく申請し通勤することで、不正受給のリスクを避け、安心して働けます。事前に支給ルールを確認し、適切に対応しましょう。
アルバイトで交通費をもらう際はルールを確認しよう
今回は、アルバイトの交通費について解説したうえで、注意点や103万の壁との関係について解説しました。交通費はアルバイト先によって支給形態が違います。
そのため、アルバイト先のルールにしたがって交通費の受給をしましょう。申請の際は虚偽の報告をせず、正確なことを伝えてください。また、扶養内で働こうと考えている方は交通費が課税対象に含まれるか、非課税対象なのか注意しましょう。
どういう給与形態か確認し、103万の壁を超えないように、働き方を考えましょう。アルバイトの交通費について悩みや疑問があった方は参考にしてください。