フリーターとは?他の雇用形態との違いやメリット・デメリットを解説! | マイナビバイトTIMES
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    フリーターとは?他の雇用形態との違いやメリット・デメリットを解説!

アルバイトやパートで生計を立てる「フリーター」という働き方。よく耳にする言葉ですが、具体的な定義や、アルバイトやフリーランスなどの雇用形態とどう違うのかよく知らない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーターの働き方、メリットとデメリット、フリーターから正社員になる方法について解説します。


フリーターとは?

日常の中でよく見聞きする「フリーター」という言葉ですが、実際にどんな働き方を指すのかご存じですか?以下では、フリーターという言葉の意味や定義についてあらためて解説します。

フリーターの意味

フリーターとは「フリーアルバイター」の略で、定職に就かず、アルバイトなどで生計を立てる人のことを指します。

平成16年に厚生労働省が発表した雇用管理調査概況では「15~34歳の若年者(学生および主婦(夫)を除く)のうち、勤め先における呼称がアルバイト又はパートである者(これまでアルバイト・パートを続けてきた者で無業の者を含む。)」と定義されています。
ただし、この定義は統計上の区分のためのもので、年齢に関わらず非正規雇用で働く人を総じて「フリーター」と呼ぶこともあります。

35歳以上のフリーターの呼び方は?

フリーターという言葉は、主に15~34歳の若年層のアルバイト・パートを指しますが、35歳以上で同じ立場の場合は「高齢フリーター」「中高年フリーター」と呼ばれることもあります。これは若年層を対象としたフリーターという言葉に対し、年齢を重ねても非正規雇用で働いている状況をより分かりやすく伝えるために用いられる呼び方です。


フリーターと他の雇用形態との違い

では、「フリーター」と、アルバイトや正社員などの他の雇用形態の間にはどのような違いがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

フリーターとアルバイト・パートの違い

フリーターは、学生および主婦(夫)を除く15~34歳の若年者のうち、アルバイトやパートと呼ばれる人たちのことを指します。したがって、フリーターとアルバイト・パートとの間に雇用形態の違いはありません。
しかし、アルバイトが学生や主婦(夫)、副業を含むパートタイム全般であるのに対し、フリーターには一般に学生と主婦(夫)を除く既卒の若年層であるなど、対象者の属性に違いがあります。

フリーターと正社員の違い

フリーターと正社員の違いとしては、「雇用形態」「収入の安定性」「福利厚生や社会保障」「キャリアや将来性」「働き方、勤務時間の自由度」などが挙げられます。以下で一つずつ解説していきます。

雇用形態の違い

正社員は雇用期間の定めがない無期雇用契約ですが、フリーターの中には働ける期間があらかじめ決まっている有期雇用契約のケースもあります。

収入の安定性の違い

正社員の多くは月収制で、1カ月あたりの休日の数に関わらず、給与は一定です。一方で、フリーターと呼ばれるアルバイトやパートの多くは時給制で、休日の数や勤務日数に応じて1カ月あたりの収入が変動します。

福利厚生や社会保障の違い

健康保険や年金などの社会保険への加入、有給の有無は、働いた期間・時間によって決められるため、雇用形態による違いはありません。しかし、会社独自に設けている昇給・昇進や福利厚生などの制度は、アルバイトやパートには適用されないケースもあります。

キャリアや将来性の違い

正社員には昇進・昇給があり、ゆくゆくは会社の中で重要なポジションを任せられる可能性もあります。一方で、フリーターが従事するアルバイトやパートには昇進のチャンスがない企業もあり、キャリアアップが見込めず、一定の働き方や給与水準が続くことがあります。

働き方、勤務時間の自由度

正社員はフルタイムで働くのが一般的で、勤務時間や休日も基本的に決まっているため、働き方の自由度は高くないと言えます。一方で、フリーターは勤務先にもよりますが、自分自身でシフト申請をして勤務時間をある程度調整できるので、比較的自由に働くことができます。

フリーターとフリーランスの違い

フリーランスとは特定の会社や団体に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方を指します。フリーターとフリーランスの違いとしては「雇用形態」「収入」「働き方、勤務時間の自由度」「求められるスキル」「確定申告の有無」などが挙げられます。それぞれの違いについて、以下で詳しく解説します。

雇用形態の違い

フリーターが特定の勤務先と雇用契約を結ぶのに対し、フリーランスは特定の会社や団体と雇用契約を結ばないため、雇用形態には大きな違いがあります。

収入の違い

フリーターは時給および勤務時間に応じた収入が得られます。一方で、フリーランスは、案件ごとの単価や1日あたりの稼働時間数など、仕事ごとに定められた収入が得られます。フリーターとフリーランスの収入額は人によって異なりますが、フリーランスは各領域の専門性を磨けば単価が上がるため、収入が多い傾向にあると言えます。

働き方、勤務時間の自由度の違い

フリーターは一般的に勤務先に出向いて働くため、場所や時間の制約があります。一方で、フリーランスは特定の組織に所属していないため、働く場所や時間を選びません。

求められるスキルの違い

フリーターの仕事には多くの人にとって着手しやすい軽作業が多いのに対し、フリーランスの仕事の中には専門性を必要とするものもあります。

確定申告の有無の違い

フリーターは勤務先の会社が代わりに確定申告を行ってくれるケースも多いため、基本的には確定申告は不要です。一方で、フリーランスはそもそも所属している会社がないことから、自分自身で確定申告する必要があります。
ただし、フリーターであっても勤務先の会社が確定申告をしてくれないケースや年内に退職したケースのほか、複数の会社でアルバイト・パートを掛け持ちしているケースでは、所得控除が重複してしまうことから確定申告が必要となります。自分が確定申告をする必要があるか分からない方は、担当者に早めに確認してみましょう。

フリーターとニートの違い

厚生労働省のHPにおいて、ニートは「15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」と定義されています。したがってフリーターとニートは、同じ15~34歳であっても仕事をしているかどうかが大きな違いとなります。


フリーターのメリット

フリーター メリット

フリーターの特徴についてお伝えしてきましたが、そのメリットはどのような点にあるのでしょうか。以下ではフリーターの3つのメリットについて解説します。

自分の好きなように働く時間を決められる

フリーターの大きなメリットの一つとして、働き方の自由度が高いことが挙げられます。フリーターはシフト制の仕事が多く、勤務日や時間を自分の都合に合わせて柔軟に決めやすい傾向にあります。また、自分のプライベートな時間も確保しやすいことから、趣味や仕事以外の活動を大切にしたい方に向いていると言えるでしょう。

正社員よりも仕事の責任が少ない

正社員は会社の利益に貢献することが求められますが、フリーターが任されるのは主に会社のサポート業務が多く、業務範囲が限定されています。そのため、心身の負担を抑えて働くことができます。

アルバイトの掛け持ちや変更がしやすい

フリーターは勤務時間が調整しやすいうえに、正社員よりも仕事を始めたり辞めたりするハードルが低いため、複数のアルバイトの掛け持ちをして収入を増やしたり、別のアルバイトに転職したりしやすいメリットがあります。異なる業種や職種を短期間で経験することもできるため、自分にどんな仕事が合っているのかわからない方、いろいろなことに興味がある方に向いていると言えます。

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フリーターのデメリット

フリーター デメリット

メリットも多いフリーターの働き方ですが、デメリットもあります。自分の状況や実現したいライフスタイルと照らし合わせながら、後悔のない働き方を選択しましょう。

年収が安定しづらい

フリーターが従事するアルバイトやパートの給与体系は時給制であることが多く、勤務時間や休日に応じて収入が変動します。更に、正社員のように昇給やボーナスをもらえる機会がほとんどないことから、収入が増えにくく、安定した生活が望みにくいと言えます。

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カードやローンの契約で不利になる可能性がある

先ほどお伝えしたように、フリーターは収入や雇用が安定しにくい働き方です。そのため、支払い能力が問われるクレジットカードやローンの審査、賃貸契約が通りにくく、融資や賃貸を断られたり、融資額を下げられたりする可能性もあります。

雇用や労働条件が不安定な傾向がある

フリーターが従事するアルバイトやパートの中にはまた、従業員の健康や生活を支援するために給与とは別に提供される福利厚生がなく、健康保険や年金をはじめとした会社の社会保険に入れないということも少なくありません。


フリーターから正社員になる方法

では、フリーターから正社員になるにはどのような方法があるのでしょうか。以下では、正社員になる方法を5つご紹介します。

就職・転職エージェントを利用する

就職・転職エージェントとは、就職や転職を希望する人を対象に、履歴書の添削や面接対策などのサポートを行ってくれるサービスです。エージェントの報酬は、企業が人を採用した際に企業側が支払うケースがほとんどのため、求人に応募する人は無料で利用できます。
フリーターのキャリアアップに特化したエージェントもあるため、自分に合った企業・サービスを探してみると良いでしょう。

正社員登用制度を利用する

アルバイトを雇用する会社の中には、勤続年数や成績をはじめとした一定の条件を満たしたアルバイトを正社員に登用する「正社員登用制度」を設けているところがあります。登用制度があっても必ずしも正社員になれるわけではありませんが、現在働いている会社でのキャリアアップを目指したい方は、正社員登用の具体的な条件について確認してみましょう。

紹介予定派遣を利用する

紹介予定派遣制度とは、派遣社員として一定期間働いた後に、派遣先企業に直接雇用されることを前提とした働き方です。一般的な派遣期間は3~6カ月で、派遣期間中に派遣先企業と派遣社員の双方で直接雇用に関する交渉を行い、合意すれば社員として入社します。アルバイトの正社員登用制度と同様に、必ずしも正社員になれるわけではありませんが、入社前に職場の雰囲気を知ることができるというメリットもあります。

ハローワークを利用する

ハローワークとは厚生労働省が運営する公共職業安定所のことで、就職相談や職業紹介を無料で受けられます。未経験歓迎の求人も多く、ハローワーク経由で職業訓練校に通い、スキルや資格を身につけてから正社員を目指す方法もあるため、興味がある業界が決まっている場合は一度相談に行ってみると良いでしょう。

求人サイトを利用する

求人サイトには、正社員の募集が多く掲載されています。「未経験可」などの検索条件で企業の絞り込むことができ、中には企業側から声をかけられる「スカウト機能」がある求人情報もあります。
一方、納得のいく転職を実現するために、企業の基本情報はもちろん、仕事内容、給与、勤務時間、待遇などの求人情報の詳細を確認し、不明な点は応募前や面接時に確認することが大切です。

なお、求人サイトで気になる企業を見つけたら、積極的に応募し、自ら面接の日程などを調整していきましょう。受け身ではなく、積極的にチャンスを掴み取る姿勢が大切です。

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フリーターに関するよくある質問

ここまでフリーターの定義やよく似た言葉との違い、フリーターから正社員になる方法などについて解説してきましたが、まだ解決できていない疑問がある方のために、ここではフリーターに関するよくある質問をまとめました。フリーターに関する疑問やお悩みがある方はぜひ一度ご覧ください。

フリーターを続けるときの注意点は?

フリーターを続けるうえではさまざまな側面に目を向けることが大切ですが、特に考えておくべきは自身の将来設計についてです。フリーターという働き方を続けるにしても、自分が将来どのような人間になりたいのか、どのような生活を送りたいのかを具体的に考え、目標を明確に持つ必要があります。

また、自分の興味関心のある分野はもちろん、将来的に役立つ可能性のある技能や資格を積極的に習得するなど、目標達成に向けた努力をしていくスキルアップへの意識を持っておくと、選択肢が広がりやすくなります。

フリーターを続けた場合の末路は?

フリーターという働き方を続けた場合、どのような将来を辿るのか一概には断定できません。個々の状況、考え方、そして社会情勢によって大きく左右されるからです。

ただ、フリーターという働き方を選択すること自体が、必ずしもネガティブな末路につながるわけではありません。「自身の夢や目標のために時間を使いたい」「多様な経験を積みたい」といった明確な目的意識を持ち、そのために計画的に行動しているのであれば、フリーターとしての経験が将来の糧となることもあります。例えば、アルバイトで得た経験やスキルを生かして起業したり、興味のある分野で専門性を高めて独立したりする道も考えられます。

フリーターであることの何が悪いのですか?

フリーターであること自体は、個人の状況や価値観によって合理的な選択肢となる可能性があるため、悪いわけではありません。夢の追求、スキルアップのための多様な経験、学業や他の活動との両立など、時間をできるだけ自由に使いたい場合に有効です。
社会的な側面や将来設計においては懸念点も存在しますが、こうした課題は個人の努力や工夫で克服可能です。スキル向上への積極的な取り組み、計画的な貯蓄、社会とのつながりを意識することで、デメリットを最小限に抑えられます。

フリーターから正社員になるときに必要な準備は何ですか?

フリーターから正社員になるときは、周到な準備が成功の鍵です。まず、自己分析を徹底し、「なぜ正社員を目指すのか」「どのような仕事に挑戦したいのか」「将来のキャリアビジョンは何か」を考えてみましょう。これらを明確にすることで応募先の選定軸を確立し、入社意欲を効果的に伝えられるようになります。

また、これまでのアルバイト経験で培ったコミュニケーション能力やPCスキルなどを洗い出し、正社員として働くうえで不足しているスキルが何かを認識することも大切です。そのうえで不足しているスキルがある場合は、資格取得やオンライン学習などを通じて積極的に学習するようにしましょう。

フリーターの期間が長くなると、正社員になるのは難しくなりますか?

一般的にはフリーターの期間が長くなり、年齢が上がるほど、未経験で正社員になるのは難しくなる傾向があります。企業は、若い人材に対して将来性や柔軟性を期待することが多いからです。

そのため正社員を目指すのであれば、できるだけ早めに就職活動を始めることをおすすめします。フリーター期間が長くなっている場合は、その期間に何を学び、どのような経験を積んできたのかを具体的にアピールすることが重要です。企業が求めている人材とマッチするスキルや経験があれば、誰でも正社員になれるチャンスがあります。

親にフリーターであることを理解してもらえません。どうしたらいいですか?

ご両親は、将来の生活設計や収入面などを心配していることが多いものです。なぜ自分がフリーターという働き方を選んだのか、将来についてどのように考えているのかを、具体的に説明することが大切です。例えば、「フリーターとしてスキルや経験を積み、起業する」などと説明したうえで、そうした目標に向かって努力している姿勢を見せると、ご両親の理解を得やすくなるでしょう。


監修者からのアドバイス(まとめ)

フリーターという選択に迷いや不安を感じることがあるかもしれませんが、大切なのは、将来を見据えた上で「どうありたいか」を考えること。フリーターは、時間的な自由を生活かし、本当にやりたいことを見つけるための準備期間や多様な経験を積むためのステップにもなる可能性があります。

ただし、経済的な不安定さやキャリア形成の遅れといった面も理解しておく必要があります。計画的な貯蓄やスキルアップを意識しつつ、正社員への転換も視野に入れ、常にアンテナを張って情報収集を怠らないようにしましょう。

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監修者

監修者

有限会社キャリアドメイン
代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)

東京大学教育学部付属高校在学中にニューヨーク州立高校へ留学、武蔵大学経済学部卒業。大学卒業後株式会社ヤナセに入社し、大型雪上車の営業職として日本全国のスキー場を飛び回る。30歳で株式会社ソシエワールドへ転職し、その後一貫して人事に携わり、株式会社綱八人事部長を経て2005年に独立。1万人以上の面接経験から、就職・転職・人事・婚活に関する書籍を多く執筆し、セミナー・講演・求職者支援の他、企業向け人事コンサルティングを行う。


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