バイト応募で重要な履歴書は、採用担当者にとって初めて出会うあなたのプロフィール。本記事では、質の高い履歴書の書き方を解説します。各項目の注意ポイントも確認しながら、自分の魅力がしっかり伝わる履歴書に仕上げましょう。
1.バイト履歴書の書き方マナー5カ条
- 手書きの場合は黒のボールペンで書く
- 修正テープや二重線は使用しない
- パソコンの場合はフォントを統一する
- 事実と異なることは絶対に記載しない
- 原則項目はすべて埋める
バイト履歴書は、上の項目を意識しながら誠意をもって作成しましょう。
2.【項目別】バイト履歴書の書き方例とテンプレート
ここからは、一般的なバイト履歴書の書き方例とテンプレートを紹介します。項目ごとの注意点についても解説するので、各ポイントを意識しながら作成してみてください。
①「年号・日付」の書き方

履歴書の日付は、提出方法によって異なります。自分がどちらの方法で提出するのかを確認したうえで、日付を記入しましょう。
- 面接時に直接提出する場合・・・面接日を記入
- 郵送する場合・・・投函日を記入
年号については、西暦と和暦のいずれを用いても問題ありません。ただし、応募先から表記指定がある場合はしたがってください。
▼注意すべきポイント
- 西暦と和暦を混合させない
- 年号をアルファベットで省略しない(例:令和=「R」)
>>>2024年は令和何年?履歴書に記入する年号がパッと分かる|和暦西暦早見表
>>>満年齢と数え年の違いは?履歴書に年齢を書くときのルールを解説
②「写真」の注意点

履歴書用写真は、正式な場面で使用されるものであるため、身なりや表情に気を付けましょう。

服装は、スーツや無地のシャツなど、清潔感のあるアイテムの着用をおすすめします。過度なアクセサリーや派手な髪型は避けたほうが無難です。清潔感がある写真は採用担当者に良い印象を与えやすく、面接の機会につながりやすくなるでしょう。
また、明るく自然な表情で撮影できるとなお良し。写真館やフォトスタジオでは、撮影スタッフさんが表情の作り方やベストな角度などをレクチャーしてくれるため、高いクオリティに仕上がるでしょう。
▼注意すべきポイント
- 清潔感のある服装
- 表情が明るく自然
- 3×4cmサイズが一般的
>>>【バイト履歴書の写真】良い例・NG例を採用担当者が解説!
③「名前・住所・電話番号」の書き方

採用担当者は履歴書に書かれた連絡先情報を基に電話やメールで連絡を取るため、記載ミスがあると連絡がつかなくなり、採用のチャンスを逃してしまう場合もあります。連絡先情報を記入する際は、一字一句確認しながら丁寧に記載しましょう。
また、①で書いた日付の年号と生年月日の年号が統一されているかも十分注意してください。
※「性別」欄:記載は任意です。未記載とすることも可能です。
押印について

基本的に、使用する履歴書に押印欄がない場合は印鑑を押す必要はありません。応募先から「押印が必須」とされている場合は、押印欄がある履歴書を選んで作成しましょう。
▼注意すべきポイント
- 日中連絡が取りやすい番号を書く
- 携帯電話番号のみでもOK
- フリーメール(Gmailなど)がおすすめ
④「学歴」の書き方

一般的に、高校生・大学生の場合、バイト履歴書の学歴欄には中学校卒業時点から記載します。 社会人であれば高校入学から書くなど、履歴書を書く方の属性によって記載範囲の目安は異なるため、以下の目安を参考にしてみてください。
▼学歴の記載範囲の目安
属性 | 学歴欄に書く内容 |
高校生 | 中学卒業 高校入学 |
大学生 | 中学卒業 高校入学 高校卒業 大学入学 |
社会人(最終学歴が大学) | 高校入学 高校卒業 大学入学 大学卒業 |
社会人(最終学歴が高校) | 中学卒業 高校入学 高校卒業 |
社会人(最終学歴が中学) | 中学入学 中学卒業 |
▼注意すべきポイント
- 和暦・西暦のいずれかに統一して書く
- 学校名は正式名称で書く
>>>アルバイト履歴書の学歴の書き方とは|職歴・在学中などのケース別に解説
⑤「職歴」の書き方
一般的にバイトは職歴とみなされないため、職歴欄に書く必要はありません。ただし、これまでに正社員の経験がない場合や、応募先に歓迎されそうなアルバイト経験を持っている場合など、アピールのために職歴欄に書いたほうが良いケースもあります。
アルバイト経験がある場合

経験したアルバイトが複数ある場合は、応募先の関連職種や1年以上続いたバイトなど、応募先に評価してもらえそうなものに絞って書くと良いでしょう。
アルバイト経験がない場合

アルバイト経験がない場合は空欄にせず、「なし」と記載しましょう。
▼注意すべきポイント
- 企業名の後に(アルバイト)と明記する
- 職歴がない場合は「なし」と書く
- すべての職歴を記載後、次の行の右端に「以上」と記載する
>>>履歴書の職歴欄・職務経歴書に書くべきアルバイトとは?書く際の注意点やコツ
⑥「免許・資格」の書き方

免許・資格欄は、自身の能力や専門性をアピールできる重要な項目です。記載内容に誤りがないように、取得した年月日や正式名称を確認し、正確に書き込みましょう。
明確かつ具体的に、資格取得の順序にしたがって書くことで、採用担当者に理解しやすい履歴書となり、好印象を与えることができます。
▼注意すべきポイント
- 取得した年月日の古いものから書く
- 免許・資格は正式名称で書く
⑦「志望動機」の書き方

志望動機を書く際には、自分がその仕事や企業、職場に興味を持った理由を掘り下げてみてください。実体験に基づいたエピソードを交えることで、オリジナリティのある志望動機になります。
▼注意すべきポイント
- 実体験を交えて独自性を持たせる
- エピソードはできる限り具体的に
>>>【バイト履歴書の志望動機】周りと差が付く例文20選|学生向け
⑧「自己PR」の書き方

自己PRはあなたの魅力を伝える重要な項目です。まずは、自分の強みや経験を具体的に挙げ、それらがどのようにバイト先で役立つかを明記しましょう。強みを裏付ける具体例や実績を交えることで、他の応募者との差が生まれやすくなります。
▼注意すべきポイント
- 強みの根拠となる具体例や実績を交える
- 強みが応募先でどう生かせるかを明記する
⑨「趣味・特技」の書き方

「趣味・特技」の欄は、あなたの人柄や性格、持っているスキルなどを面接官に伝える重要な要素です。また、そこから得た経験やエピソードを盛り込むことで、自分の強みや魅力をアピールできます。
▼注意すべきポイント
- 趣味・特技から得た経験や体験談を盛り込む
- 応募先の業務に関係なくてもOK
>>>バイト応募で提出する履歴書 特技の欄にはなにを書くべき?
⑩「本人希望欄」の書き方

本人希望欄には、勤務開始日や勤務時間・職種などの希望を記載します。採用担当者が応募者の希望を事前に把握し、ミスマッチのリスクを減らすためです。希望を書きすぎると「要望が多い」とマイナスな印象を与えてしまう可能性もあるので、なるべく簡潔に記載しましょう。
▼注意すべきポイント
- シフトや勤務時間・職種などの希望を記載
- 希望を書き過ぎない(2~3点が目安)
- 特にない場合は「勤務条件は貴社の規定に従います」と記入するのが一般的
>>>バイトの履歴書の本人希望欄には何を書くべき?正しい書き方や記載内容を解説!
3.アルバイト経験でも職歴として書ける?
就職や転職の場面で、アルバイト経験を「職歴」として書いて良いのか迷う人は少なくありません。結論から言えば、アルバイトも業務経験の一つとして職歴欄に記載することは可能です。
ただし、記載の可否や記載方法は、状況に応じた判断が求められます。以下で詳しく解説します。
履歴書の「職歴欄」にアルバイトを書くのはOK?
基本的に、アルバイト経験は履歴書の「職歴欄」に記載しても問題ありません。
特に、以下のようなケースでは、積極的に記載することで自己アピールにつながります。
- 長期間勤務(半年以上)していた場合
- 接客リーダーや商品管理など、責任や専門性のある業務を任されていた場合
- 応募先の業務と関連性がある場合
ただし、記載する際には必ず「アルバイト」と明記し、雇用形態が正社員ではないことが一目で分かるようにしましょう。以下に記入例も載せておきますので参考にしてください。
20XX年X月 〇〇カフェ 入社(アルバイト) |
接客業務全般・レジ対応・店舗清掃などを担当 |
20XX年X月 一身上の都合により退職 |
「職歴なし」と書くのはNG?判断のポイントを解説
就職活動や転職活動で履歴書を作成する際、「アルバイトしか経験がないから」といって「職歴なし」と記載するのは注意が必要です。
職歴欄が空白のままだと、「社会経験がまったくない」と誤解されてしまう可能性があります。
とはいえ、すべてのアルバイト経験を記載すれば良いというわけではありません。以下のような基準で、記載の可否を判断しましょう。
- 応募先に活かせる経験かどうか
- 勤務期間が十分にあるか(目安:半年以上)
- 担当した業務内容を具体的に説明できるかどうか
大切なのは、「雇用形態」ではなく「経験の質」です。
例えアルバイトであっても、責任を持って業務に取り組み、自分なりの学びや成長があったことが伝われば、立派な職歴として評価されます。
4.アルバイト経験を職歴に書く時の注意点
アルバイト経験を職歴として記載する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。ただ書けば良いというものではなく、採用担当者にとって読みやすく、かつ信頼性のある内容にすることが大切です。
雇用形態を明記する
アルバイト経験を職歴欄に記載する際は、必ず「(アルバイト)」と明記して、雇用形態をはっきり示しましょう。
明記しないまま記載すると、採用担当者に正社員経験と誤解され、後の面接で認識のズレが生じる可能性があります。
勤務期間と業務内容は具体的に記載する
職歴欄には、単に「アルバイトをしていた」と記載するのではなく、「どのくらいの期間、どのような業務を担当していたか」を明確に記すことが大切です。
勤務期間が短い場合は、応募先との関連性や業務で果たした役割の大きさを基準に、記載の有無を判断しましょう。
応募先と関連性のある経験を優先的に書く
アルバイト経験が多数ある場合、すべてを職歴欄に記載すると情報が散漫になり、かえって読みづらくなってしまいます。応募先の業種や職種に関連性の高い経験を優先して記載しましょう。
例えば、接客業への応募であれば、コンビニやカフェでのアルバイト経験は効果的なアピールになります。一方で、関連性が薄いアルバイトについては、職歴欄ではなく「自己PR欄」で簡潔に触れるなど、記載場所を工夫することも一つの方法です。
単発・短期バイトは省略するのが基本
1日〜数週間程度の短期アルバイトや派遣の仕事は、原則として職歴欄に記載しないほうが無難です。
ただし、短期間でも印象的な経験(例:国際イベントの運営スタッフなど)がある場合は、補足として自己PR欄や備考欄で触れるのは効果的でしょう。
5.アルバイト先との関連性がない職歴はどうする?
応募先の業種や職種と関係のないアルバイト経験しかないと「書くべきか」「省くべきか」で迷うこともあるでしょう。
このような場合、応募先との直接的な関連性がなくても、汎用的なスキルが伝わる経験であれば、記載する価値があります。
例えば、「飲食店でのホール業務」や「コンビニでの接客」などは、コミュニケーション能力や責任感、マルチタスク力といった、あらゆる職場で求められるスキルのアピールにつながります。
6.職歴欄が空白になるのを防ぐには?
「正社員の経験がない」「職歴として書けるものが見当たらない」と悩む方は少なくありません。
しかし、工夫次第で職歴欄の空白を補う方法は十分にあります。
履歴書に空白期間が長くあると、採用担当者に不安を与えてしまう可能性があるため、これまでの経験を整理し、積極的に記載することが大切です。
空白期間にアルバイトをしていた場合の記載方法
就職活動の準備期間や資格取得を目指していた時期に、短期間でもアルバイトをしていたのであれば、その経験も職歴欄に記載しましょう。
何もしていなかった「ブランク」として扱われるよりも、何かに取り組んでいたことが伝わるほうが、好印象につながります。
また、空白期間中に資格取得の勉強や自己のスキルアップに励んでいた場合は、職歴欄とは別に「備考」欄などで簡潔に説明すると、将来を見据えて行動していたという姿勢が伝わります。
「履歴書に書くことがない」と悩む人への対処法
「職歴欄に書けることが本当にない」と感じている場合でも、工夫次第でアピールポイントを作れます。
例えば、以下のような経験も立派な自己表現になります。
- ボランティア活動や地域貢献の経験
- 家事・育児・介護など
- 資格取得の勉強やオンライン講座の受講といった学習歴
また、「職務経歴書」や「自己PR欄」を活用するのも有効な方法です。職歴欄だけに頼らず、履歴書全体を通じて人柄や努力が伝わるよう、記載内容を工夫しましょう。
7.バイト履歴書に関するよくある質問
ここからは、バイト履歴書に関するよくある質問と、その回答を紹介します。
Q1.履歴書は手書きとパソコンどちらが良い?
履歴書は、手書きでもパソコンでもどちらでも構いません。それぞれのメリットとデメリットを把握し、自分に合った方法で作成しましょう。
履歴書を手書きするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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手書きの履歴書は、応募者の誠意を直接アピールする手段になります。文字の美しさに自信がある人は、字のきれいさや書き方の丁寧さを評価してもらいやすく、採用担当者に好印象を抱いてもらえる可能性も高くなるでしょう。
一方で、手書きの場合、誤字脱字が発生すると修正が難しく、再度書き直す必要があります。また、かかる時間や手間も増えるため、応募まで時間に余裕がない場合や、手書きの文字に自信がない人には不向きかもしれません。
履歴書をパソコンで作成するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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パソコンを使用することで、誤字脱字の訂正やレイアウトの調整が簡単にでき、効率的に履歴書を作成できます。履歴書作成に時間を割けない人や、文字を手書きすることが苦手な人にはパソコンでの作成が向いているでしょう。
一方、読みやすい文章やレイアウトに調整できる分、文字から見える個性や魅力が薄れてしまう可能性があります。見た目の印象ではほかの応募者とほぼ差がないため、文章の内容を工夫する必要があるでしょう。また、誤字脱字などのミスを見落としてしまう場合もあるため、声に出して読み直すなどして細部までしっかりチェックしてみてください。
>>>アルバイト履歴書のテンプレート紹介|書き方、よくある質問も解説
Q2.バイト用履歴書はどこで買える?
バイト用履歴書はコンビニや100円ショップ、スーパーなどで購入できます。また、文房具店やネット通販ではさまざまな種類の履歴書が取り揃えられているため、自分の目的に合ったものを選びやすいでしょう。値段はいずれも100~300円以内で購入できる場合が多いです。
Q3.履歴書のダウンロードは「Excel・word・PDF」のどれを選べばいい?
パソコンで入力する人には「Excel・Word」、プリントして手書きする人には「PDF」がおすすめです。入力した履歴書をパソコンにダウンロードしておくと、自分用の履歴書テンプレートとして別の機会にも利用できます。
Q4.履歴書は封筒に入れたほうが良い?
履歴書を封筒に入れたほうが良い理由は2つです。
- 採用担当者に良い印象を与えられる
- 履歴書をきれいな状態に保てる
封筒に入れて履歴書を提出することで「社会人マナーを理解している」と捉えてもらい、採用担当者からの印象が良くなる可能性があります。また、履歴書をきれいな状態で渡すことができ、「ものを丁寧に扱う姿勢」もアピールできるでしょう。
>>>手渡しのときでも履歴書は封筒に入れるのがマナー?封筒の書き方や手渡しのコツ
Q5.「履歴書はいらない」と言われた場合は本当に書かなくてOK?
「履歴書はいらない」と言われた場合は提出する必要はありません。しかし、面接時には志望動機や自己PR、希望条件などは必ず聞かれるため、回答をまとめておく意味でも履歴書は作成したほうが良いでしょう。また、その場で応募先が用意した書類に履歴書と同じ項目を記入するケースもあるため、問題なく記入できるよう履歴書を手元に控えておくと安心です。
8.質の高いバイト履歴書で自分の魅力を伝えよう
バイト履歴書を丁寧に作成することは、憧れのバイト先から採用を勝ち取るための第一歩。自分の魅力を最大限相手に伝えるためにも、本記事で紹介したポイントを意識して、質の高い履歴書に仕上げてみてくださいね。
履歴書作成の次は面接対策!
>>>【初心者向け】バイト面接前に確認すべき10のこと